SSブログ

阪急電鉄の100周年 [鉄道の旅]


▲100周年記念ロゴをあしらったヘッドマーク

今年で阪急グループは創業100周年を迎えるのだそうだ。 当時の青年実業家で後に商務大臣の地位にまで就いた創業者小林一三については今さら語るまでもないだろう。
阪急のルーツともいえる箕面有馬電気軌道を創設、その集客策として沿線の宅地開発、ターミナル型百貨店の併設、そして、レジャー施設の展開など現在ではどこの電鉄会社も行っている経営形態を矢継ぎ早に打ち出したのはさすがに甲州商人である。
また、われわれホテル屋にとっても小林は今でいうビジネスホテルのパイオニアともいうべき「第一ホテル」の設立にも深くかかわっている。そして、その第一ホテルが経営破綻し、今では阪急阪神第一ホテルチェーンとして阪急傘下に入ったのも皮肉めいた話である。
経営は無論法律に準拠して行われているのだが、今でも創業家である小林一族の発言力は極めて強く最近では婿養子として小林家に入った小林公平がトップの座に就いている。私は、高度な公共性を持つ電鉄業を一族支配するかのような経営形態には疑問を感じざるを得ない。東急の五島家、西武の堤家、東武の根津家などが典型的な例だが、こうした旧態依然とした経営が大手民鉄には少なからず沈滞傾向をもたらしているのは最近の企業事件を顧みれば裏付けられるだろう。
おっと、祝うべき100周年だというのに辛辣なメッセージになってしまった。


▲記念ヘッドマーク付6300系 

100周年を記念して阪急では車両へのヘッドマーク取り付け、ステッカーの貼付、記念グッズの販売などが行われる他、「私と阪急」と題するエッセイを一般から募集するなど多彩な記念行事も行われる。
実はこのエッセイに私もWEBで応募したのだが、文字数が規定の1200字に届かず、受け付けられなかった。1200字程度と募集要項に書きながら字数が足らないから受け付けないというのは極めて不親切な話である。まあ、あれやこれやと行事があるようなので詳しくは下記URLをクリック願いたい。
http://hankyu100th.jp/


▲こちらは同じくHM付の最新鋭車両9000系

かつてのライバル阪神との経営統合という波乱の中で迎えた100周年だが、民鉄の中でも1・2を争う企業イメージを大切にし、今後の躍進を祈りたい。
なにはともあれ「100周年おめでとうございます!」。

 


nice!(2)  コメント(8)  トラックバック(1) 
共通テーマ:旅行

nice! 2

コメント 8

岸田法眼

阪急100周年と共に優先座席の設置、携帯電話電源オフ車両の見直しが行なわれますが、今後も安全を最優先にレールファンや沿線住民に魅了される鉄道であることを願っております。

阪急100周年の時に私は利用していたのですね。先月、知らなかったのですが、乗れて光栄な気分であります。
by 岸田法眼 (2007-10-19 23:33) 

Fuzzy

「最も有望なる電車」も100周年ですか・・・。
正雀工場の開放とかあるのでしょうか?
by Fuzzy (2007-10-20 07:31) 

住吉人

サットン様、こんばんは。

タブロイド誌のTOKK10月15日号に、阪急創立100周年特集として掲載されているのを見ました。
恒例の秋の阪急レールウェイフェスティバル、28日正雀に親子で行きます。
by 住吉人 (2007-10-20 22:58) 

サットン

岸田法眼さん、こんばんは。

数ある鉄道の中でも阪急ほど沿線住民と電鉄とが良好な関係を保っているところは珍しいのではないでしょうか。住民は阪急沿線に住んでいることに満足感を持ち、電鉄側も住民の支持に応えようとする。

阪神大震災以降早期に復旧したJRに利用者が流れ、そんな関係に少々ひびが生じているようですが。
by サットン (2007-10-21 00:12) 

サットン

ファジーさん、いつもお越しいただきありがとうございます。

正雀工場の開放は例年恒例の秋のレールウエイフェスタとして開催されるようです。すでに申し込みは締め切られていますが。
今、続々と記念グッズが発売されていますが、中でも歴代徽章3点セットに惹かれます。1500セット限定だそうですが。
by サットン (2007-10-21 00:33) 

サットン

住吉人さん、いらっしゃいませ。

正雀工場のレポート、今から楽しみにしています。
また、特ダネをよろしくお願いいたします。
オフ会のご盛会を!
by サットン (2007-10-21 00:37) 

UZ

私自身阪急グループ100周年を祝う気になれません。
閑散な車内空間を逆手に取った「広うてガラガラで」という宣伝文句、宝塚の遊園地と歌劇団、阪急百貨店をはじめとした沿線開発は小林一三が手がけてきました。阪急文化とも言えるものが神戸線や宝塚線沿線にどこかしらに芽生えていて、私も小さいときは阪急のCMをよく見てあこがれていました。車内環境も洗練されていましたから。

しかし、最近の阪急の状況は目を覆いたくなります。阪急ブレーブスの譲渡から始まってアルナ工機の清算、宝塚ファミリーランドの閉鎖、新造車両のリースバック施策、沿線開発の挫折等でかつての威光は失われました。そこへきて地道な企業努力をしてきた阪神電気鉄道の事実上の吸収統合です。今まで失策を重ねてきた人たちがおいしいところを横取りしているような観があります。
阪神タイガースも”阪急タイガース”に見えてしまいますね。
by UZ (2007-10-21 09:21) 

サットン

UZさん、おはようございます。

確かにこのところの阪急には疑問を抱かせる施策が目につきますね。そして、それらの多くは小林ファミリーの数代前の社長時代に実施されたものではないかと思います。あの人のやや現実離れした発想に基づいているように感じます。
また、社内の学閥を反映したような社員採用なども社内に保守的なムードを作っているのではないかと勝手に想像しています。
by サットン (2007-10-21 10:20) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1