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加賀百万石奇行 その3[迂回運転] [鉄道の旅]

雷鳥42号”米原経由”大阪行き
 
いよいよ金沢を出発します。私の計画では金沢16:36発の普通敦賀行に乗り、途中適当なところで特急のワンポイントリリーフを仰ぎ、敦賀からの最終新快速に乗り継ぐというものでした。
地元民二人に見送られ改札口に行くと「本日、湖西線内強風のため特急サンダーバード、雷鳥号は米原経由になります」とのお断りがスクロール表示されています。ギャボーン!テレビのニュースでは東北新幹線が全線運休などの情報は伝えていましたが、湖西線関連は特になかったと思うんですが。これは往路よりも厄介なことに・・・・・・。
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▲金沢駅発車標 強風のお陰でこの表示内容はガタガタに

仕方がない、途中での乗り継ぎなど、この状況ではどうなるか見通しがつきません。そこで安全策をとり金沢始発の「雷鳥42号」を選択しました。とりあえず発車標の案内に従い2番線に上がり雷鳥自由席7号車の乗車位置に陣取ります。構内放送では「16:52発特急サンダーバード40号は折り返し列車がまだ富山に到着していないため発車時間は不明」。「ただ今富山に到着、ホームにて折り返しのための整備中」。「富山を40分遅れで発車」と状況を逐一伝えています。
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▲改札口にはサンダーバード、雷鳥は米原経由になる旨表示が!

しかし、雷鳥42号については何も触れていないのでホームにいた乗務員さんに尋ねると「雷鳥は3番線からに変更になったって案内放送してましたよねえ」との回答。そういえばさっきまで表示されていた2番線の発車標から雷鳥は消えています。まずい、時間は既に17:10、雷鳥が定時で出れば置いて行かれるかも、との不安がよぎりましたが、杞憂に終わりました。金沢始発の雷鳥も折り返し列車が遅れているためサンダーバード40号の後に発車するとのこと。自由席に並んでいる人数もサンダーバードより格段に少ない。どうせサンダーバードなど座れるはずがないでしょうし、速いといってもこれでは大阪に何時頃着くやら見当もたちません。なのになぜ皆サンダーバードに乗りたがるのか不思議です。ちなみに指定席はサンダーバード、雷鳥ともに満席でした。そうこうしているうちに折り返し雷鳥42号が到着し、降車終了しだい車内清掃にかかります。そして2番線にはサンダーバードが到着。自由席は既に立ち客が出ています。駅の放送で空いている雷鳥への誘導をすべきではと感じます。
目の前では雷鳥の車内清掃が繰り広げられています。それにしても寒い! 並んでいる乗客は口々に「何時になれば乗れるんだ」と不満の声があがり始めます。サンダーバードが発車した後やっとドアが開き待ちかねたように車内になだれ込みます。といっても十分に席はあるわけですが、なんとなく皆殺気立っています。約25分遅れて17:40頃米原経由の雷鳥42号は琴の音の発車メロディに送られ金沢駅を後にしました。

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▲ピーク時でも7割程度の乗車率(左) デッドセクション通過時の車内(右)

「本日、湖西線内強風の影響によりましてこの列車は米原回りで運転させていただきます」との放送が車内に流れる中、老兵485系9連の雷鳥42号は既に日も暮れた北陸路を黙々と走り続けます。途中駅からの乗車も思ったより少なく指定席が満席になっていたのが不思議なくらいです。そういえば地元民のM先生は指定が満席でも自由席は必ず座れる、と雷鳥の特性を語っていました。
福井からはさすがにちょっとした乗車があり車内が賑わいます。そんな中、こまめに検札に回る車掌さんに乗客から次々に質問がとびます。「大阪に着く時間は?」、「京都からの新幹線の指定を取っているが、間に合わないので変更してくれないか」などなど。
北陸トンネルを抜け敦賀駅構内に差し掛かるとデッドセクションで車内灯が一時消えるとの放送が入ります。「銀座線でもこんなことがあるんですよ」、「えっ、銀座線も交流と直流の切り換えがあるんですか?!」とは私の後ろの席から聞こえてきた会話です。「それは違います!」、席を立って突っ込みに行こうかと思いましたが、思いとどまりました。

敦賀着19:06、23分の遅れです。

ループ線から敦賀の夜景をチラリと見て近江塩津の北陸線ホームをかすめるといよいよ迂回区間に入ります。不謹慎ながら興奮を覚えますが、スピードが急に落ちてしまいました。一時的に過密ダイヤになっているのでしょうか。「もっと、特急らしく走って欲しいですね」などの声が聞こえます。そんな声は無視するかのように米原の手前でとうとう停車してしまいました。「お急ぎのところ恐れ入ります。この先琵琶湖線、京都線も積雪の影響でダイヤが乱れており、ただ今、米原駅手前で信号待ちのため停車しております」とのこと。10分近く停車していたでしょうか。ようやく米原駅に到着したのは20:08、福井発車時点での予測放送が19:40頃とのことでしたから更に遅れは増幅しています。

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▲米原駅ホームに「雷鳥」の表示 数十年前には日常の光景でした
 
東海道に入っても雷鳥のスピードは上がりません。もともと遅れが出ている中にこちらが割り込んだわけですから、文句は言えませんが。ゆったりと京都までノンストップで走ります。その京都を目前にした山科で湖西線の高架を駆け下りて来るサンダーバードが車窓をかすめました。あれ? こちらが迂回運転でもたついているうちに湖西線の運転規制が解除されたのでしょうか?
サンダーバードを先に通したおかげでまた京都駅手前で徐行がかかります。「次のトンネルを出ると京都に到着です」との放送で下車客が通路に行列を作りますが、なかなか京都駅には入れてもらえません。やっとという感じでホームに降り立ったときには時計はすでに21時を回ろうとしていました。1時間20分遅れです。やれやれ。

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▲やっと京都に着きました。4号車はグリーン車から改造のサハ481-501(左)京都駅発車標(右)
 
後続のサンダーバードは発車標の表示では45分遅れまで回復しています。やはり、湖西線の規制が解除されたのでしょうか。となると雷鳥42号がこの日最後の迂回列車となったわけですね。
 
今回初めて迂回運転なるものを体験しました。正直言って不謹慎ながら「ラッキー」と感じてしまった私であります。例の羽越線列車転覆事故以降、湖西線の運転規制とそれに伴う特急列車の湖東線迂回運転はかなり頻繁に行われており現場の混乱も感じられませんでした。日曜とあってか乗客も怒るでもなく落ち着いた車内のムードでした。
とはいえ乗客の皆さん、JRの皆さん連日お疲れ様でした。
 
 
 
 
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鉄道美術館館長♪

交直セクション通過時は電気が消えるんですね!
関東ではJR常磐線(取手~藤代)やTX(守谷~みらい平)で交直セクションを通過しますが、車両が新型に交換されてからは車内の電機は消えなくなりましたよ~
by 鉄道美術館館長♪ (2008-03-01 00:46) 

サットン

鉄道美術館館長殿

なにぶんにも485系なもんで。でも、あの瞬間って良いもんですね。非常灯だけになり、数十秒後にはチカチカッと蛍光灯が点灯、一瞬静かになった床下からはMGが再起動するヒューンという音が聞こえて来る。
その485も3年後には引退だそうです。
by サットン (2008-03-01 18:18) 

うたに

確かに昔の銀座線や丸の内線は、ポイントを渡る時などに車内灯が消えてました。懐かしい。。
この日は関東でも凄い風&土埃でした。何はともあれ、サットンさんが無事帰宅出来てよかったです(^-^)
by うたに (2008-03-03 08:19) 

サットン

うたにさん

平成17年の羽越線特急いなほの事故以来、湖西線の運転規制は厳しくなり、今回のような迂回運転も頻繁に見られるようになりましたが、まさか自分が遭遇しようとは。
銀座線の話をしていたのはご婦人でした。よほど訂正しに口を挟もうかと思いましたけど我慢しておきました。(笑)
by サットン (2008-03-04 13:07) 

京葉帝都

湖西線は軌道の両サイドにシェルターを設ける(どこまで有効か分かりませんが)などして強風対策を講じてほしいところです。機敏に米原経由で迂回運転ができるところはJR-Wのお家芸のような気がします。東では最近では地震のためにいくつかの迂回運転がありました。特急が越後線を走ったりしていました。
by 京葉帝都 (2008-03-10 00:58) 

サットン

京葉帝都さん毎度ありがとうございます。

湖西線の迂回運転は完全にプログラム済みという印象でした。裏を返せばそれだけ頻発しているというわけで。このままでは信頼性を損ないますね。今のところこれといった競争相手がないのでそれほど切迫感はないのかもしれませんが。
by サットン (2008-03-11 12:02) 

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