SSブログ

神戸電鉄6000系に体験乗車 [鉄道の旅]

神鉄が14年ぶりに世に問う新車の出来栄えは
画像 007m.jpg
▲デビューから2週間近く経ってもヘッドマーク付き

神戸電鉄が、14年ぶりに投入した6000系が運転を開始したと聞き早速乗車して来ました。

■新車試乗は情報収集から
鉄道ファンなら誰もが胸ときめかす新車とのご対面。しかし、今回のように1編成だけというのは非常にリスキーですね。せっかく神戸まで出かけても車庫でお休み中とあっては万事休すです。そこで何かヒントはないものかと神鉄のHPをのぞいて見ました。さすがに、”今日の運用”なんてコンテンツはありませんでしたが、「神鉄グループ総合案内所」というのを見つけました。ダメもとで問い合わせると・・・・・・
「はい、6000系の今日の予定ですね。今日は三田線に入ってまして・・・・。新開地発ですと、これから10:56発と13:11発になりますね」と快く即答していただきました。後はHPの時刻表をなぞれば概ね今日のスケジュールは見えてきます。

画像 005m.jpg
▲定刻に三田到着 初対面と相成ります

■やっぱりドジを踏む私です
ということで勇躍新開地を目指したのですが、途中で、「これはまに合わない」と気が付きます。相変わらずのドジぶりに笑ってしまいました。仕方なく三田で待ち伏せする戦法に切り替えです。13:11新開地発の列車は三田着14:10となっています。やれやれ・・・・・。

画像 020m.jpg
▲この顔、どこかで見たような・・・・(三田)

三田に着いたのは14時過ぎ。危ない危ない。
急いで神鉄三田駅ホームの突端に進出するとすぐに警報機が鳴り始めます。固唾を飲んで前方を見詰めると、やって来ました6000系!この瞬間が鉄道ファンとして生きてて良かったと思う一瞬ですね。

画像 018m.jpg
▲紺色のラインで引き締まった印象

■外観を見る
この列車で新開地からやって来たと思しき二人組とともに編成を舐めるように見て回ります。まず、顔ですが、非貫通2枚窓のちょっとクラシックな趣きであります。どこかバスを思わせるようにも感じますし、どこかで見かけたようにも思えます。どこだったか・・・・? そういえば昔、大井川鉄道にこんな顔の電車がいましたね。いずれにしてもなかなか個性的ではあります。
側面に回ると、3連窓になりサイズが拡大された側窓が軽快な印象を与えます。そして、従来、クリーム色に赤帯だった神鉄のイメージを刷新する紺色のラインが上品で引き締まった雰囲気を醸し出します。
画像 008m.jpg
▲阪急9000系かと見紛う内装

■内装を見る
それでは、車内に入りましょう。踏み込んだ瞬間「これは、阪急9000系ではないか」と錯覚しそうなインテリアです。以前から神鉄の車内は阪急のイメージを踏襲していましたが、ここまで酷似しているのは6000系が初めてでしょう。ただ、シートと壁面の色めは少々薄い感じですが。

画像 010m.jpg
▲運転席 神鉄伝統の2ハンドル式

画像 009m.jpg
▲1両に3カ所設置されたLCDモニター

続いてドアと天井に目が行きます。というのも過日、南海電鉄8000系に初めて乗車した際、ステンレス剥き出しのドアと、カバーのない照明に「とうとうメーカー標準仕様車の波が関西にも押し寄せて来たか」との思いにかられたからでありますね。
しかーし、安心、安心、ドアの内張りも蛍光灯カバーもきちんと装備していました。一際豪華な車内に見えました。


画像 012s.jpg画像 014s.jpg
高輝度LED式種別・行先表示(左)/正しいドアのあり方(右)

あとの小物類は、最近では標準装備となりつつあるLCDモニター2台をドア上に千鳥配置し、左側で沿線案内(場所柄有馬温泉が中心)などの動画を右側で種別・行先に加え、次駅案内、乗り換え案内などの列車情報を表示しています。荷棚はプラスチックのボード状のものになっています。ドア横の手摺はこれまた阪急9000系などで採用している日立製車両同様のものを採用しています。ちなみに神鉄の車両は地元川重製です。

画像 016s.jpg画像 015s.jpg
正しい照明(左)/片持ち式ロングシート(右)

■乗り心地は
今回は、三田ー谷上間約30分程度の乗車でした。まず、車内の静かなことに感心しました。VVVF駆動も初期の頃と比べ随分進歩したもんです。
そして、窓の大きなこと。今回の新車開発に当たっては特に展望に配慮したというだけに大型の窓からは沿線の田園風景がしっかりと楽しめます。運転席越しの前方の眺めも同じくですね。ただし、パワーウインドウは装備していません。日除けは巻き上げ式ロールカーテンを採用しています。

画像 017s.jpg画像 025s.jpg
大型の側窓 車外(左)と車内(右)

ただ、気をつけないといけないのは制動時のショックです。立っている人が停車直前にバランスを崩して転びそうになるのを何度か見かけました。どうも変だなと思い、種々調べてみると神鉄の車両は急勾配区間でも強力なブレーキ力を得られるように鋳鉄製の制輪子を使用しているようで、停車直前にガクンとショックが来ます。それで、乗客がオットットットとなるようです。これは、飽くまでも私の推測ですが。

画像 028m.jpg
▲北神急行との接続駅谷上に到着

■乗客の反応など
久々の新車登場とあって途中駅での利用者の反応は上々のようです。老若男女を問わずホーム上の乗客は笑顔で迎えてくれました。特に子供たちの反応は抜群で、「テレビが付いてる!」と一様にはしゃいでいたのが印象的でした。
このところ関西の民鉄では阪神1000系、南海8000系が新たに登場しましたが、私には、いずれもいま一つ物足りないように感じます。そんな中、神鉄が今回投入した6000系はなかなか拘りを感じさせる車両でなんとなくホッとしました。今後の通勤車両は画一的で合理的な車両と個性的で質感の高い車両に二極分化していくように思います。
次は、いよいよ京阪新3000系ですね。

********************************************

久々に更新しました。

先月24日に更新して以来、例によって持病が暴れ出しPCに向かうのも辛い状況でした。マウスもろくに操作できないんじゃ仕方ありません。
その間にも多くの方々においでいただき5月30日には10万アクセスを突破しております。ありがとうございました!今後もヨタヨタと記事を書いて参りますので引き続きご愛顧のほどをお願いいたします。

次号では6000系体験乗車とセットで敢行した”神鉄全線のりつぶし”の模様をお届けする予定です。 


nice!(9)  コメント(24)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 9

コメント 24

HIRO

神鉄に久しぶりに新製車輌が登場するとは聞いていましたが、丁寧な乗車レポート、読んで写真を眺めました。
前頭部のデザインどっかで見たようですが、思いだせず、きりっと引き締まっていて素晴らしく、従来の神鉄イメージを刷新してます。

ひとたび、車内に入ると、今度は阪急9000を想わせる室内インテリア、僕はこの室内がいちばん好きです。
以前仕事で三木市に行ったのでこの際と思いすずらん台で乗り換えて三田市まで往復乗車しました。

神鉄の魅力に、改めて乗ったつもりでテイチクDVD神戸電鉄運転室展望全線収録を買って時々PCで見ています
お暇な時にブログどうぞ

by HIRO (2008-06-17 19:53) 

岸田法眼

6000系はステンレス車体を採用しましたが、鋼製車体も今や“オーダーメイド”に近い状況なのだそうです。

車内は阪急とまったく変わらず、南海8000系はなぜかドア上にLCDを採用していないのが気になっていました。

ヘッドライトとテールランプの位置が他社の車両と違うのは印象に残りますね。
by 岸田法眼 (2008-06-17 21:31) 

京葉帝都

神戸電鉄の新車の画像、初めて見ました。サットンさんのいつも鮮度の高い画像を楽しみにしています。先頭のデザインと内装の上質感が特筆ものです。正面のおでこの広いスペースに行き先や列車種別を表示するのは、アメリカの地下鉄のようで視認性は高そうです。運転席の2枚窓には昔の北陸鉄道(大聖寺〜山中温泉)の車両が思い浮かびます。2年前に粟生から湊川まで乗りましたが長距離乗車でした。
by 京葉帝都 (2008-06-18 02:56) 

manamana

シンプルだけど味のあるフェイス、
高級感のある外観色、
こだわりのある内装、
いい車両だというのがよくわかりました。
ブレーキが改善されるといいですね。
by manamana (2008-06-18 13:33) 

Sanohpy

神鉄が6000系増備するとなると
1000系2ドア3両編成の車両が淘汰されますね。
それにしても、阪急の子会社的存在とあってインテリアは
ほんとに阪急9000系と似てますね。

阪神の1000系がなんか淡白な感じがします。
来たはいいものの、実際に乗ってみればそうでもない。
なんば線が開業したらどんなダイヤになるんだろう。

神鉄はやっぱ1000系2ドア編成に愛着ありますね。
6000系が今後神鉄を引っ張っていくんでしょうけど。
by Sanohpy (2008-06-19 02:11) 

サットン

HIROさん

外観はともかく、車内はますます阪急色が強くなる神鉄です。
なにぶんにも経営環境が厳しく阪急からかなりの支援を受けているので
仕方がないのでしょうが・・・・。
でも、今度の6000系はかなり気合が入っていますよ。
by サットン (2008-06-20 11:33) 

サットン

岸田法眼さん

普通鋼製の車両は本当に少なくなりました。塗装を施していてもアルミボディだったり。
6000系のライトなどの配置は西武101系にそっくりですが、他に類似の車両は思い浮かびません。なるほど珍しいパターンのようですね。
by サットン (2008-06-20 11:38) 

サットン

京葉帝都さん

なかなか良い車ですよ。メンテをきちんとしてくれればいいのですが、
従来の車両を見ていると・・・・・(涙)。

粟生から湊川まで乗られたんですか。
それはかなりキツイ。粟生には何もありませんしね。
by サットン (2008-06-20 11:43) 

サットン

manamanaさん

ブレーキの衝撃は慣れないとびっくりします。
でも、制輪子を樹脂製にすると降雨時などに制動効果が落ちるそうです。
なにぶん”山岳路線”ですから。
by サットン (2008-06-20 11:47) 

サットン

Sanohpyさん

そうですか、やはり神鉄といえば1000系というのはわかるような気がします。古臭いですが、これぞ神鉄の顔という車両ですね。
6000系が今後どの程度のペースで増備されるのか興味深いところです。親会社の阪急ですら非常にスローペースですから。
by サットン (2008-06-20 11:51) 

UZ

お疲れ様です。神戸電鉄の6000系は見た目と違って内装はいかにも阪急の9000系に見えてしまいました。上品な感じのする内装ですね。

最近の新車は標準化が進んでしまってしまい、個性のない車両ばかりですが、この車両は乗ってみたいと思わせてくれますね。機会があれば乗ってみたいですね。
by UZ (2008-06-20 21:04) 

サットン

UZさん

おっしゃるとおり、かなり個性的です。少なくとも外観は。
旧来の神鉄ファンにはチョットものたりないかもしれませんが。

広い窓から見る山岳鉄道の車窓をお楽しみください!
by サットン (2008-06-21 11:23) 

む〜さん

 確かに室内は『阪急』ですね。
 メーカー向きの規格化が進む関東に比べて、今度の神戸電鉄の新車、顔も、サイドも素敵です。やはり、関東=通勤客輸送箱、関西=応接間か居間・・・・って感覚なのかもしれません。
 実は、私、神戸電鉄は一回も乗ったことが無いのです。こんど、関西に行ったときには、是非とも、山岳鉄道を体験いたしたく思っています。
by む〜さん (2008-06-21 20:02) 

うたに

そうそう。特定の車両を狙って出かける時って、何か祈るような気持ちになります(^^;)
でも、新車の運転問合わせに答えてくれるとは、なんて親切な会社だ~!

6000系という車両なんですね。この開放的な側窓はいいなぁ~!

あ、お身体大事になさってください。鉄分補給でリフレッシュ!(^-^)ノ
by うたに (2008-06-21 21:43) 

ファジー

長い間更新がなかったので心配してました。
神戸電鉄まで足を向けられるということは、お元気になられた証拠ですね。

鉄道のホットニュースは、サットンさんには敵いませんので、今後も面白いものがあればご教示ください。
by ファジー (2008-06-21 22:16) 

サットン

む~さん

神戸電鉄、面白いですよ。
京阪神エリアにこんな登山電車みたいな路線が有ったのかって
いう感じです。
是非一度ご乗車下さい!
by サットン (2008-06-23 09:09) 

サットン

うたにさん

関西の電鉄は新車の運用問い合わせには即応してくれますね。
阪急の9000系、阪神の1000系登場時駅で問い合わせましたが、
応対用の資料が用意されていて快く教えていただきました。
電話で問い合わせたのは今回初めてですが。

神鉄6000、なかなか良い車ですよ。遠征のご機会がありましたら
是非お試しください。
by サットン (2008-06-23 09:14) 

サットン

ファジーさん

なにぶんにも時間があるもんで。

鉄分補給が最良の治療法と勝手に解釈しております。(笑)
ここしばらくは京阪から目がはなせません。
新特急色、新3000系と話題豊富です。
by サットン (2008-06-23 09:19) 

のりさん

これは、なかなかの意欲作ですね。国土交通省からお叱りを受けてしまった神戸電鉄ですが、心機一転の心意気が感じられます。約30年前に乗ったきりの神戸電車ですが、乗ってみたくなりました。
by のりさん (2008-06-23 21:48) 

サットン

のりさん

乾坤一擲という感じです。
なかなか気合いが入っていますよ、この電車。
乗客増に結び付けば良いですね。

ブログ移転とのこと。またお邪魔します!
by サットン (2008-06-24 08:33) 

hankyu8200

詳細レポート、おつかれさまです。
やはり木目が映えますねぇ♪
それにしても、川崎重工ってのはほぼ国内の全ての鉄道車輌メーカーで設計されている各種鉄道車輌を一通り製造できることになるわけですな。
大したモンです。^^
by hankyu8200 (2008-08-19 20:01) 

サットン

hankyu8200さん

川重の強さは際立っていますね。よくぞこれだけの生産能力があるもんだと感心させられます。
車両メーカーというと昨日の新聞に日本車両がJR東海の子会社になるとの記事が出ていました。
by サットン (2008-08-20 19:58) 

map8112

初めて投書します。
神戸電鉄6000系は本当に良く出来た車両だと思います。
阪急9000系と比べても遜色はありません。赤字の神戸電鉄がこれだけの車両をよく製造したものですね。シートの硬さは問題がありますが、阪急9000系の中途半端な半間接照明より感じの良いグローブ付照明は阪急より上ですね。全国の大手私鉄、JRより高級感があります。
by map8112 (2011-01-09 01:08) 

サットン

map8112さん、いらっしゃいませ!
私も神鉄6000は力作だと思います。神鉄の意気込みを感じます。
思えば最近の鉄道車両って二極化してますね。効率優先の標準車両とこだわりのオーダーメイド。どちらが良いとは一概には言えませんが。
それにしても神鉄の経営環境は厳しさを増しているようですね。粟生線も存廃協議に入るとか。
by サットン (2011-01-09 21:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0