夏の18きっぷ締めくくりの旅 ③柘植駅と草津線 [鉄道の旅]
幹線時代の面影をしのぶ駅
さて、猛烈残暑でバテバテになりながら関西本線で柘植駅に着いたのが14:06。列車行き違いのための5分停車の間に体調と相談しながら先に進むかどうか結論を出さねばなりません。この先亀山の手前に急勾配区間として知られる加太越えや信号所の跡が待っているはずです。しかし、無理はできない・・・・。すると隣の3番線に草津線の電車が到着。折り返し14:31発、草津行となる電車です。ということでここで転進することに。とにかく暑さに負けました。
▲亀山に進むべきか草津へ転進すべきか・・・
亀山行を見送り冷房の効いた車内でしばし休憩します。草津行は113系の4両編成。中間車は湘南色のセミクロスシート、両端はカフェオレカラーのクロスシート車という歪な編成です。発車まで20分ほどありますが、日の当たらないクロスシートという好条件の席は早くも埋まっており苦労します。弱冷車なんてまっぴらごめんです! それでもなんとか席を確保しホームから駅を眺めてみます。
▲結局草津線に
2面3線という地方幹線にはよくある構内ですが、ホームの幅がやたらと広いのが印象的です。東海道本線や近鉄に完敗したものの関西本線というだけにかつては幹線輸送を受け持っていたはず。一時期は特急も走っていたはずです。名阪間を結ぶ急行「かすが」なんていうのも記憶に残っています。ところが、今はたった1両のちっぽけなディーゼルカーが顔を見せるだけ。格下の草津線の方が電化され活気を呈しているのが実情です。
▲柘植駅は海抜242m
ホームに接しては何本もの側線が敷設されています。蒸気機関車が主役だった頃、加太越えに備えてこの駅で補助機関車を増解結していたためここには亀山機関区柘植駐泊所が置かれておりターンテーブルも設けられていたとか。その面影を今に残す側線ですが、列車の姿はありません。夜間滞泊も含めてこの線路が車両で埋まることはなさそうです。
▲かつての駐泊所の名残が
なお、賑やかだった頃の柘植駅の様子はファジーさんのブログ 「柘植駅附近の様子とD51伊賀号」、 「昭和47年柘植機関車駐泊所」で詳しく紹介されています。
▲草津線は凸凹編成
14:31、草津行電車は2割ほどの座席を埋めて柘植を発車します。関西本線と別れると鬱蒼と茂っていた雑木林も姿を消し視界が開けてきます。
▲貴生川での出会い
14:48着の貴生川では近江鉄道のライオンズカラーの電車と柘植行の電車と出会い、車内も賑やかになります。ここから先は睡魔に負けて居眠り・・・・目が覚めたのは草津到着の寸前でした。
▲草津に到着
草津には15:15に到着。駅前のロッテリアで燃料補給をしながらバス見物です。草津附近でしか見ることのできない帝産湖南交通が新鮮です。おそらく帝産カラーの一般路線バスは全国でもここでしか見られないと思います。運転席後方のマークはアメリカの長距離バス会社グレイハウンドのシンボルです。駅前広場に面してグレイハウンドなる喫茶店がありました。おそらく副業として同社が経営しているものと思われます。今度確認しなければ。
▲これが帝産湖南交通です
しかし、草津は活気がありますなあ。8月に大津を訪れ、その元気のなさに驚いたものですが、草津は人の往来も盛んで生き生きしております。要因の一つに立命館大学が市内にキャンパスを構えたことが考えられますが、アクセスは南草津駅が担っているはずですが。
理由はともかく活気のある街を見るのはいいもんです。
▲普通電車で帰ります
ここからは高槻まで東海道線で下り、京阪バスで淀川を渡る算段です。ホームで電車を待っていると上り線に珍客が現れます。EF66に引かれていたのはアルミボディに緑の帯を巻いた新車です。なんと!東京メトロ千代田線用の16000系ではありませんか!!神戸の川重で落成した車でしょう。いやあベンチから飛び上がらんばかりにテンション上がりましたよ。メトロの車両なんて実に久し振りですから。もちろん写真はありません・・・・・。
なにはともあれ夏の18きっぷはこれにてお役御免となったのでした。
返す返すも新幹線がこちらを通っていたらと残念です。
リニアが通っても、通過するだけでしょうし。
by manamana (2010-10-14 21:26)
現在の柘植駅の様子がよくわかりましたが、乗換駅としては極めて淋しいですね。
拙記事をご紹介いたただきありがとうございます。
また、EF66+メトロの様子見たかったです♪
by ファジー (2010-10-15 11:41)
帝産グループには、よくこのグレイハウンドのマークが入っていますよね!
うちの実家の近くにかつて帝産グループだった部品工場があって、そこにこのマークがあったのでよく覚えています。
113系のカフェオレ色とみかん色では、内装とかも違うのでしょうか?
by うたに (2010-10-15 12:35)
草津に停車中の帝産バス、観光バスかと思ったら、普通の
路線バスだったのですね。
by まるたろう (2010-10-16 08:07)
manamanaさん
新幹線がこちらを通っていれば関ケ原の雪害もなかったかもしれませんね。
沿線の人口も少なく、リニアは通過でしょうね。
by サットン (2010-10-16 14:35)
ファジーさん
現在の柘植駅は広い構内がかつての要衝の面影を伝えますがファジーさんの写真から伝わるような賑わいは微塵もありません。草津線の乗客がどこから来たのか不思議なくらいです。
メトロとの思わぬ出会いは至福の一瞬でした♪
by サットン (2010-10-16 14:54)
うたにさん
帝産グループはボディデザインが変わってもグレイハウンドのマークは受け継がれていますね。
113系の車内はカフェオレは転換クロスシートに改造されていますが、みかん色の方は昔ながらのセミクロスシートでした。
by サットン (2010-10-16 15:11)
まるたろうさん
帝産カラーを見ると観光バスかと思いますよね。草津周辺でしか見られないレアなバスに萌えました。
by サットン (2010-10-16 15:19)
ご訪問ありがとう。
貴殿の記事や写真を見ていると旅行に行ってる様に和みますね。
僕も来週は米沢、磐梯高原、飯坂温泉に行こうと思っています。
by david (2010-10-19 09:22)
いつの間にか、西武王国から西武系バスが減っている事でしょうか?
草津だけ「帝産バス」が繁栄しているのかな?
昔は「湖南バス」だったような気が・・・。
by 飛んでモアイ (2010-10-19 11:02)
davidさん
拙い文章と写真ですが、鉄道の旅の楽しさを少しでもお伝えできたなら幸いです。
by サットン (2010-10-20 07:59)
飛んでモアイさん
帝産湖南交通、30年前には現社名だったと思いますが…。それ以前はどうだったのか?
近江鉄道の牙城で異彩を放つバス会社ですが新しい車はあまり見ませんでした。
by サットン (2010-10-20 08:16)
わぁ、草津線。
何度も何度も通っているんだけれど、
まだ降りたことはないんです。
活気があるなんて聞くと、今度の旅で行きたくなるなぁ。
by keroro (2010-10-20 22:40)
keroroさん
草津線、かなり地味な存在かと思いますが、何度も利用されているとはさすがです!
忍者の郷めぐりでもいかがでしょう。
by サットン (2010-10-21 09:17)
サットンさん、お久し振りです♪
一時、更新休まれていたようですね。
足跡(nice)も残さずでしたが、記事は読ませていただいてましたよ。
草津というと、群馬県の草津温泉を思い浮かべてしまう私です^^;
by 夏海 (2010-10-22 09:54)
夏海さん
こちらの方こそご無沙汰です。コメント欄が閉じられてからお邪魔する機会を逸してしまって。お変わりないようですね!?
関東で草津というと温泉ですよね!うちの系列ホテルが草津(滋賀) にできたときにもよく間違い電話がありました。
by サットン (2010-10-23 10:07)