私鉄のターミナルを見る ①近鉄京都駅 [鉄道の旅]
新装成った古都のターミナル
「私鉄のターミナルを見る」、初回はこの度再開発工事が完了した近鉄京都駅をご紹介いたしましょう。ノンストップ京阪特急で三条に到着した後、京都バスに揺られてやって来ました。
近鉄京都駅は1928年に当時の奈良電気鉄道の手により開業しております。当時の計画では国鉄京都駅直下を地下線で横断し七条側に建設されるはずだったものが諸々の事情で頓挫し、仮駅として設置された八条側に居ついてしまったとのこと。
▲外見上は新幹線に圧倒され存在感は希薄
その後、新幹線建設に合わせ高架化され現駅のベースが出来上がりました。したがって外から見るとJRの八条口駅舎に間借りするような形に。構内に入ってもJRと近鉄の境界線は判然としません。
駅西南側には近鉄系の新都ホテルが存在を誇示しております。ちなみに同ホテルは客室数では京阪神最多の986室を誇ります。
▲エントランス部分
近鉄京都駅のエントランス部分は八条口2階、JR在来線、新幹線への動線が交差する位置にあり多くの乗降客が行き交います。ダウンライト主体の照明でJRエリアとコントラストを付けているようです。
1日の乗降客は約87,000人とのこと。(2010年近鉄調べ)
▲発券ゾーン
乗車券売り場は改札口に向かって左側。ターミナルとは思えないほどこじんまりとしていますが、各種カードの利用が普及した現在ではこの駅に限らず券売機の数はどんどん減少しています。隣り合って特急券・定期券の発券カウンターが設けられておりターミナルらしさを演出しています。
▲改札口付近
自動改札機がズラリと並ぶ改札口はさすがにターミナルらしい光景です。
▲コンコースの発車標
改札口を入ったところの発車標。駅の顔とも言うべきところ。ホームのものに先駆けて一昨年にはLCD式に換装されております。一見したところ優等列車が幅を利かせているようです。
正面にはせんとくんが奈良へと誘います。
▲乗り場変更の告知
改札口にはこんな掲示が。今回の駅再開発の目玉のひとつが1面・1線の乗り場増設です。増設ホームは3月14日、新設となる4番線は3月20日の新ダイヤから使用を開始。都合4面4線となり4番線以外は乗降分離となります。
▲1・2番線は主に特急用
今回の乗り場増設で特急用に2線が使用可能となり折り返しに余裕ができたとか。でも、新ダイヤでは京都発着の特急が削減されており、少々複雑なところですね。
▲増設された新ホームと4番線
従来からのホーム北側に設けられた新ホームと4番線。3番線も乗降分離が実現しました。
▲頭上を新幹線が
西側から見ると新幹線の下にめり込むようにホームが設けられているのがわかります。ちょうど上りの「こだま」が到着しました。新幹線の発車ベル、案内放送は容赦なく近鉄ホームに降ってきます。
逆に新幹線からは南側から突っ込んで来る近鉄の姿を見ることができます。
▲ホームの発車標もLCDに
LED式だったホームの発車標も新ホームの使用開始に合わせてLCD式に更新されました。2月25日に訪れた際カバーが掛けられた発車標らしきものが気になりましたが、正体はこれだったんですね。やはり見やすいですね!
▲関西様式の時刻表
発車時刻表は縦書きの関西式。さらに行き先、種別ごとにまとめてられています。最近では関西各社でも少数派になっており慣れないと戸惑います。
▲シリーズ21とJR223系
北側には広大なJR京都駅構内が広がり、巨大な京都駅ビルが聳え圧倒的な存在感を見せ付けております。
▲1番乗り場の光景
特急用の1番乗り場に沿うように広い待合室、コンビニ(ファミマ)、ベーカリー、土産物店などが並び観光地のターミナルらしいムードを感じることができます。
▲ホテル近鉄京都駅のエントランス
今回の再開発のもう一つの目玉が「ホテル近鉄京都駅」の開業です。新設された第4ホームの頭上に建設され客室数368室の宿泊特化形ホテルです。そのエントランスがホーム直下の1階部分に設けられました。
▲第4ホームのこの施設は
さて、このガラス張りの施設はなんでしょう?
実は上の写真のホテルエントランスと上層部の客室階を繋ぐエレベータシャフトです。エレベータが上下するホームも珍しいですね。
新装成った近鉄京都駅、いかがでしたでしょうか。関西私鉄のターミナルとしては小粒な方ですが、世界的観光地京都、奈良を結ぶ拠点として華やいだムードが漂う駅でもあります。
近鉄はこの京都駅とほぼ同時並行で上本町、阿部野橋両ターミナルの再開発を進めております。さすがに大近鉄だと感心させられます。
▲ホーム上に出現した「ホテル近鉄京都駅」
今回の再開発プロジェクトの象徴ともいえるホテル近鉄の外観を撮ってきましたので画像を追加しておきます。これでようやく京都駅にも近鉄の顔ができたかなって感じです。てっぺんの「近鉄」のサインが誇らしげですね。残念ながら八条口からは新幹線が邪魔をして見え難いのですが、JR在来線に向けては強烈にアピールしております。(4/24追加)
関西私鉄にとって各社の拠点となるターミナルは単なる駅以上の意味を持っています。関東では東急渋谷駅が間もなく中間駅化するようですが、関西の大艦巨砲主義はまだまだバージョンアップしていきます。阪急梅田駅は今秋長期にわたる再開発の仕上げとなる梅田阪急ビル(阪急百貨店本店)を竣工させます。近鉄は阿部野橋駅に日本一の高さを誇る超高層ビル「あべのハルカス」を建設中ですし、南海も難波駅再開発を継続中と各社とも目が離せません。
そんな関西私鉄のターミナルをこれからもご紹介できればと思っております。そこで、「ターミナルのこんなシーンを載せよ」とか「この駅を紹介せよ」などご意見をいただければ参考にさせていただきたいと思っております。コメント欄にお気軽にどうぞ!
「私鉄のターミナルを見る」、初回はこの度再開発工事が完了した近鉄京都駅をご紹介いたしましょう。ノンストップ京阪特急で三条に到着した後、京都バスに揺られてやって来ました。
近鉄京都駅は1928年に当時の奈良電気鉄道の手により開業しております。当時の計画では国鉄京都駅直下を地下線で横断し七条側に建設されるはずだったものが諸々の事情で頓挫し、仮駅として設置された八条側に居ついてしまったとのこと。
▲外見上は新幹線に圧倒され存在感は希薄
その後、新幹線建設に合わせ高架化され現駅のベースが出来上がりました。したがって外から見るとJRの八条口駅舎に間借りするような形に。構内に入ってもJRと近鉄の境界線は判然としません。
駅西南側には近鉄系の新都ホテルが存在を誇示しております。ちなみに同ホテルは客室数では京阪神最多の986室を誇ります。
▲エントランス部分
近鉄京都駅のエントランス部分は八条口2階、JR在来線、新幹線への動線が交差する位置にあり多くの乗降客が行き交います。ダウンライト主体の照明でJRエリアとコントラストを付けているようです。
1日の乗降客は約87,000人とのこと。(2010年近鉄調べ)
▲発券ゾーン
乗車券売り場は改札口に向かって左側。ターミナルとは思えないほどこじんまりとしていますが、各種カードの利用が普及した現在ではこの駅に限らず券売機の数はどんどん減少しています。隣り合って特急券・定期券の発券カウンターが設けられておりターミナルらしさを演出しています。
▲改札口付近
自動改札機がズラリと並ぶ改札口はさすがにターミナルらしい光景です。
▲コンコースの発車標
改札口を入ったところの発車標。駅の顔とも言うべきところ。ホームのものに先駆けて一昨年にはLCD式に換装されております。一見したところ優等列車が幅を利かせているようです。
正面にはせんとくんが奈良へと誘います。
▲乗り場変更の告知
改札口にはこんな掲示が。今回の駅再開発の目玉のひとつが1面・1線の乗り場増設です。増設ホームは3月14日、新設となる4番線は3月20日の新ダイヤから使用を開始。都合4面4線となり4番線以外は乗降分離となります。
▲1・2番線は主に特急用
今回の乗り場増設で特急用に2線が使用可能となり折り返しに余裕ができたとか。でも、新ダイヤでは京都発着の特急が削減されており、少々複雑なところですね。
▲増設された新ホームと4番線
従来からのホーム北側に設けられた新ホームと4番線。3番線も乗降分離が実現しました。
▲頭上を新幹線が
西側から見ると新幹線の下にめり込むようにホームが設けられているのがわかります。ちょうど上りの「こだま」が到着しました。新幹線の発車ベル、案内放送は容赦なく近鉄ホームに降ってきます。
逆に新幹線からは南側から突っ込んで来る近鉄の姿を見ることができます。
▲ホームの発車標もLCDに
LED式だったホームの発車標も新ホームの使用開始に合わせてLCD式に更新されました。2月25日に訪れた際カバーが掛けられた発車標らしきものが気になりましたが、正体はこれだったんですね。やはり見やすいですね!
▲関西様式の時刻表
発車時刻表は縦書きの関西式。さらに行き先、種別ごとにまとめてられています。最近では関西各社でも少数派になっており慣れないと戸惑います。
▲シリーズ21とJR223系
北側には広大なJR京都駅構内が広がり、巨大な京都駅ビルが聳え圧倒的な存在感を見せ付けております。
▲1番乗り場の光景
特急用の1番乗り場に沿うように広い待合室、コンビニ(ファミマ)、ベーカリー、土産物店などが並び観光地のターミナルらしいムードを感じることができます。
▲ホテル近鉄京都駅のエントランス
今回の再開発のもう一つの目玉が「ホテル近鉄京都駅」の開業です。新設された第4ホームの頭上に建設され客室数368室の宿泊特化形ホテルです。そのエントランスがホーム直下の1階部分に設けられました。
▲第4ホームのこの施設は
さて、このガラス張りの施設はなんでしょう?
実は上の写真のホテルエントランスと上層部の客室階を繋ぐエレベータシャフトです。エレベータが上下するホームも珍しいですね。
新装成った近鉄京都駅、いかがでしたでしょうか。関西私鉄のターミナルとしては小粒な方ですが、世界的観光地京都、奈良を結ぶ拠点として華やいだムードが漂う駅でもあります。
近鉄はこの京都駅とほぼ同時並行で上本町、阿部野橋両ターミナルの再開発を進めております。さすがに大近鉄だと感心させられます。
▲ホーム上に出現した「ホテル近鉄京都駅」
今回の再開発プロジェクトの象徴ともいえるホテル近鉄の外観を撮ってきましたので画像を追加しておきます。これでようやく京都駅にも近鉄の顔ができたかなって感じです。てっぺんの「近鉄」のサインが誇らしげですね。残念ながら八条口からは新幹線が邪魔をして見え難いのですが、JR在来線に向けては強烈にアピールしております。(4/24追加)
関西私鉄にとって各社の拠点となるターミナルは単なる駅以上の意味を持っています。関東では東急渋谷駅が間もなく中間駅化するようですが、関西の大艦巨砲主義はまだまだバージョンアップしていきます。阪急梅田駅は今秋長期にわたる再開発の仕上げとなる梅田阪急ビル(阪急百貨店本店)を竣工させます。近鉄は阿部野橋駅に日本一の高さを誇る超高層ビル「あべのハルカス」を建設中ですし、南海も難波駅再開発を継続中と各社とも目が離せません。
そんな関西私鉄のターミナルをこれからもご紹介できればと思っております。そこで、「ターミナルのこんなシーンを載せよ」とか「この駅を紹介せよ」などご意見をいただければ参考にさせていただきたいと思っております。コメント欄にお気軽にどうぞ!
京都駅で新幹線を降り、中央口改札を出て、
すぐ目の前の頭端式ホームに近鉄電車が止まっているのを見ると、
ああ、関西に来たなぁ・・・って気になります。
並んでいる特急があまり昔から変わらないスタイルですね。
京都線にも「アーバンライナー」のような斬新なスタイルの
特急が欲しいところです。。。
by あおたけ (2012-04-03 09:26)
地味に大和西大寺駅w
うちは、パタパタが好きだったので、LCDが増えていくのは複雑ですね。
うちの中では、パタパタと言えば近鉄だったのにwww
by てんぽく (2012-04-04 01:23)
あの狭い近鉄京都の構内に番線を新設したとは驚きです。
関西式の時刻表はバスでは関東でもよく見る様式ですが、運行系統と停車駅を理解していないとわかりにくいですね。
by やまびこ3 (2012-04-04 08:12)
4年前に鳥羽から12200系に乗って京都まで来たとき、ここに降り立ったのですが・・・なんかその時からホームの様子がまた変わったような。。
by うたに (2012-04-04 13:14)
あおたけさん
私も下り新幹線から近鉄電車の姿を見ると関西に帰ってきたなあと実感したものです。
京都線には少ないながら伊勢志摩ライナーの姿は目にすることができますが、ベテラン12200系がまだまだ幅を利かせていますね。バラエティに富んだ車両は趣味的には面白いものがありますが、やはり均質なサービスという点では問題かも知れませんね。
by サットン (2012-04-04 16:55)
てんぽくさん
絶対的なターミナルを持たない近鉄では中間駅とはいえ西大寺の存在感は大きいですね。一度じっくり見たい駅です。
今やパタパタといえば南海ですよ! 難波駅の巨大パタパタも健在。数十秒掛けてパタパタ回ってます。
by サットン (2012-04-04 17:02)
やまびこ3さん
本当にどこにこんな余地があったのかって感じです。しかもホームの上空に8階建のホテルまで建ててしまうとはマジックのようですね。
この様式の時刻表、以前は各社で見られたと思うんですが、最近では他に大阪市営地下鉄しか思い浮かびません。
by サットン (2012-04-04 17:07)
うたにさん
3月に1面1線が増設されたので貫禄が増しました。
同時にホーム別の乗降の割り振りも変更されましたので雰囲気が変わったのかも知れませんね。
by サットン (2012-04-04 17:23)
近鉄京都駅は、もうずいぶん訪問しておりません。綺麗になったのですね。また行ってみたくなりました。
南海難波駅の「パタパタ」は、空港の搭乗案内をイメージしているはずですので、なかなか壮大です。ラッシュ時などは落ち着きががないほどめまぐるしく変わります。
by のり (2012-04-04 21:44)
ターミナルらしいターミナルの無い関東私鉄に比べて関西のターミナルカルチャー(って言うべきだと思います)が健在なのはうれしいですね。東急なんかついに<ターミナルが無い私鉄>になっちゃうのですよ。
南海難波・阪急梅田・京阪天満橋・阪急三宮・・おっと私が好きなのは改装前の姿なんですが・・・・
by Cedar (2012-04-04 22:56)
近鉄京都駅も大改造で一新されましたね。
京都の表玄関らしいたたずまいですね。
時刻表が縦書きなのは近鉄くらいでしょうね。JRや大阪市営地下鉄も横書きになりましたから。
by UZ (2012-04-04 22:58)
のりさん
近鉄京都駅、面目を一新しましたよ。ランドマークとなるホテル近鉄も一足先にオープンし存在感を増したように思います。
南海難波のパタパタは表示完了まで4・50秒かかるようですね。見ている分には楽しいですが、ラッシュ時にはたいへんかと。
by サットン (2012-04-05 13:03)
Cedarさん
貫禄たっぷりの東急渋谷駅もただの地下鉄の駅と化してしまうんですね。関西から見れば信じられません。渋谷のターミナルとしての地位がどうなるのか興味深いところでもありますが。
関西でもCedarさんのおめがねにかなうターミナルというと天王寺駅阪和線ホーム程度でしょうか。
by サットン (2012-04-05 13:16)
UZさん
近鉄京都駅も観光都市のターミナルらしく面目を一新しました。
縦書時刻表、大阪地下鉄からも消えましたか!? JRは大阪駅に幾つか残っていましたが、先月のダイ改で消えたんでしょうか?
by サットン (2012-04-05 13:23)
「ホテル近鉄京都駅」去年の暮れに宿泊しました。
by ミスター仙台 (2012-04-13 16:11)
ミスター仙台さん
ホテル近鉄、いかがでした?
全室トレインビューとの触れ込みですが。
by サットン (2012-04-15 14:31)