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梅田阪急ビル 全貌を現す [タウンウオッチ]

11月下旬いよいよ全面オープン

2005年以来、長らく改築工事が続いていた梅田阪急ビル(阪急百貨店うめだ本店)が11月下旬の全面オープンを控え遂にその全貌を現しました。写真は5月末に大阪駅ホームから見た様子です。既に外壁を覆っていたシートもほとんど撤去されています。

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▲梅田阪急ビル 左側が2期工事部分、右側が2009年から営業を開始している1期工事部分。
 縦に連なる丸窓付近がジョイント部分

この改築工事は営業中の阪急本店を半分ずつ2期に分けて改築し、そっくり装いを改めるという阪急グループにとっては乾坤一擲の大工事であります。梅田地区の顔とも言えるこのビルの改築は単に阪急のみならず大阪にとっても重要な事業であると言っても差し支えないでしょう。
しかし、工事は予期せぬ長丁場に。施工業者とのすったもんだに、地下から想定外の構造物が現れるなどして竣工予定は度々延期、ボーダーラインとされたJR三越伊勢丹の開業にも間に合わず、結局今年11月末の全面オープンとなったのでした。三越伊勢丹の進出、大丸梅田店の増床という梅田百貨店戦争を阪急は1期工事竣工部分のみの片肺状態で戦う羽目に陥ったのであります。

この巨大な建物を見て皆さんはどんな印象を持たれるでしょう? 私は当初、その外壁の色合いに少々違和感を感じていました。先代はクリーム色のタイル張りでしたから。でも、見慣れるにつれ目に馴染んできました。元々はこんな色だったとか。先代のイメージを引き継いでいるのは外壁だけではなく、水平方向の庇、田の字窓、丸窓など各パーツにも先代の面影を見ることができます。
それとは逆に強烈なインパクトを放っているのが2期工事高層部分のデザインです。「未来へ向かう、新生阪急うめだ本店」を表現しているそうです。低層部とのあまりのイメージの違いに姿を見せ始めた頃は「なんと煩わしいデザイン」と感じたものですが、これも見ているうちに「なかなか面白いデザインではないか」と印象が変わりましたから不思議なものです。
ちなみにその規模は、地下2階、地上13階建(先代は地下1階、地上8階)、営業面積80,000平米(61,000平米)と梅田地区の他店を圧倒する規模になります。加えて新ビルには41階建のオフィスタワーが併設され梅田のランドマークとなっております。


◆旧梅田駅コンコースも復活

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▲旧梅田駅コンコース(平成17年4月撮影)

そして、阪急ファンにとって何よりも嬉しいのが、この改築工事の煽りで惜しまれつつ姿を消していたこの旧梅田駅コンコースの復活であります! 梅田阪急村の象徴であり、私鉄王国関西の栄華を今に伝える文化遺産ともいえるこのドーム部分が2期工事12階のレストランゾーンに復元されるのです。欲を言えば多くの人が行き交う1階部分に復元して欲しかったところではありますが、一度は消えたあの華麗なドームが復活するんですから今からワクワクします! それにしても撤去後どこに隠していたのでしょうか?

百貨店不況といわれて久しい中の超弩級店の船出になるわけですが、阪急側も従来のモノを売る場から情報を提供する場へと店舗のコンセプトを切り替えて時代の変化に対応しようとしているようです。果たしてかつての輝きを取り戻すことができるのでしょうか。百貨店を訪れること自体が楽しかった時代が再び訪れるのでしょうか。

余談になりますが、本店が長らく部分営業という異例の事態は阪急百貨店のみならず、親会社である阪急電鉄の業績にも影を落としたと言います。梅田の求心力が一時的に低下し、電鉄の輸送量が減少したとか・・・。これからいよいよ梅田の盟主「阪急」の本格的な反攻が開始されるわけです。大いに注目したいと思います。改築工事の完了であちこち閉鎖されていた通路が全面開通するのも嬉しいところではありますね。


タグ:阪急 梅田
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コメント 16

やまびこ3

こんにちは。
ようやく姿を現したのですね。旧阪急駅のドームが復活するとはすごい。
11月まで公開されないのかな?
東京駅の丸の内駅舎ももうすぐ完成しますが、まわりの風景がかなり変わってしまっているのが残念です。周辺のビルも以前のビルのファサードを残した形で立て直すことができればよかったのにと思っています。

by やまびこ3 (2012-06-07 21:48) 

UZ

改築の際に高層化しながらも従来のイメージを可能な限り再現したのかなという感じがします。

by UZ (2012-06-08 07:21) 

まるたろう

阪急百貨店の梅田、もう7年も工事をしてたんですね。
それにしてもこの工事が、鉄道にも影響し、輸送量が落ちていたいたとは。
これからの阪急の動きに、目が離せないです。
by まるたろう (2012-06-08 07:22) 

サットン

やまびこ3さん

予想外に長引いた工事もようやくゴールが見えてきたようです。ドームは12階に復元されるとのことなので工事中に柵の隙間から覗き見ってこともできないでしょうね。お披露目まで我慢です。
東京駅の復元も楽しみですね!トキの焼き鳥騒ぎで注目された中央郵便局も外壁が活用された様子。それに引き換え大阪中郵はほんの一部壁面が保存されるだけで取り壊しが始まりました。
by サットン (2012-06-08 11:49) 

サットン

UZさん

基本的には従来のイメージを踏襲しつつ高層部に斬新なデザインを取りいれて居ますね。阪急の車両設計にも共通したものがあるように感じます。
by サットン (2012-06-08 11:54) 

サットン

まるたろうさん

本来ならとっくに完成しているはずなんですが。
もともと電車の集客目的で誕生した阪急百貨店ですから部分営業により電車の乗客が減ってしまったのはある意味当然なのかも知れませんね。
工事に伴う通路の閉鎖などにより梅田行列車の混雑車両が先頭から中間に移っていましたが、それも元に戻るのか注目です。
by サットン (2012-06-08 12:04) 

hajime

旧梅田駅コンコースは、13年前に仕事で大阪に来たときに、一度だけ見ただけなのに、とても印象的で忘れられません。本当に復活は嬉しいですね。
一昨年から大阪に住むようになってからは、すっかり阪神・新生大丸ばかりに行ってしまうのですが、やっぱり阪急かも!と思ってしまいます。あと、大阪に住んでるのに、東京風味の百貨店は、やっぱちょっとね…(元横浜人です)。
by hajime (2012-06-08 21:18) 

サットン

hajimeさん

旧コンコースは日本離れした意匠がとても印象的ですね。はじめは取り壊されたと思っていたので復元を聞いて嬉しいです!
梅田地区の百貨店は各店とも個性があって棲み分けができているように思いますが、大阪人にとって阪急のブランド力はやはり絶大なものがありますねえ。三越伊勢丹もスタートは少々躓いたようですが、実力が発揮されるのはこれからでしょう。

by サットン (2012-06-09 12:21) 

Cedar

梅田駅コンコース復活!阪急文化は死なず!ッて感じでうれしい限りです。
高校生の頃初めて行った関西私鉄の駅が阪急梅田でした~まるで外国に来たような興奮を覚えたものです。
by Cedar (2012-06-09 14:17) 

京葉帝都

外から見ていろいろなデザインの要素が混然としているのが嬉しいですね。賑わいが戻ってきますように。

by 京葉帝都 (2012-06-09 19:15) 

サットン

Cedarさん

ホント、ホント!阪急文化健在って感じです。さらに言えば私鉄王国関西健在とも。旧コンコース、モスクワの地下鉄もかくやと思わせますね。
阪急は引き続き梅田駅のリニューアルにも取り掛かり、いよいよ総反撃開始です。

by サットン (2012-06-10 13:31) 

サットン

京葉帝都さん

クラシックな低層部に近未来的なガラス張りの高層部。そのミスマッチが見ていて楽しいです♪
ホールやイベントスペースにかなりのスペースを割き、訪れることが楽しい百貨店を目指しているとのことです。
by サットン (2012-06-10 13:37) 

のり

待ちに待った旧梅田駅コンコースの復元です。どんな姿になるのか本当に楽しみです。
by のり (2012-06-12 22:56) 

サットン

のりさん

ドームの復活、本当に嬉しいですね!楽しみですね!
このところあまり良いことのなかった阪急復権のシンボルになればと思っています。
by サットン (2012-06-17 10:37) 

いそしぎ

旧梅田駅コンコース、懐かしいですね!
優雅で「阪急さん」と言うと、まずここを思い出します。復活、嬉しいです。
by いそしぎ (2012-06-22 00:05) 

サットン

いそしぎさん

旧コンコースが消えたときにはがっかりしたもんですが、それだけに復活は本当に嬉しいです♪ 新生阪急の良きシンボルになるでしょうね。
by サットン (2012-06-22 22:29) 

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