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日本海縦貫線2012秋 ③直江津~村上 [鉄道の旅]

特急と快速の違いは?

日本海縦貫線を北上する旅、2日目は直江津からスタートです。

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▲直江津駅舎と駅前風景

昨日着いたときには、まだ18時頃だというのに灯が消えたように見えた直江津駅周辺ですが、朝の様子はどうでしょう。ホテルをチェックアウトし、駅前に出て見ると・・・・やっぱり活気がない。歩いている人よりも客待ちのタクシーの方が多い状況。駅に向き合うようにホテルが2軒ある他は目立つ建物もありません。北陸新幹線も直江津駅は通らず、上越市内の駅は信越本線脇野田駅付近に設置されます。直江津駅の存在感はますます低下しそうです。


◆第5走者 快速くびき野3号(直江津~新潟)

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▲いよいよJR東日本エリアに進出

直江津からはJR東日本のエリアに入ります。同時に北陸本線から信越本線へと進むことに。本当に鉄道にとっては重要なポイントなんですけどね。
改札口を入ると昨夜は見なかったホテルハイマートの駅弁コーナーが店開き、ホームにも販売員の姿がありました。どうやら駅弁販売のメインターゲットは昼食のようです。

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▲直江津駅は国鉄型天国

「くびき野3号」入線まで直江津に発着する色とりどりの列車を眺めて過ごします。北陸本線の475系、信越本線の189系、115系など国鉄型のオンパレード。久しぶりに聞くJR東の駅メロも心地良いですなあ。

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▲乗り得列車快速「くびき野」

10:02、新井からの「くびき野3号」が到着します。これも国鉄型の485系。関西人にしてみれば沼垂色が新鮮に見えますが、考えてみれば特急「白鳥」・「雷鳥」として大阪駅に顔を出している時期もありました。

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▲緑のJRマークも久しぶり

この快速「くびき野」は特急用車両を使用し、特急並みの停車駅で走ることから乗り得列車として乗り鉄にも珍重されています。もちろん「18きっぷ」や「秋の乗り放題パス」でも利用可能です。
6両編成でグリーン席(半室)、普通車指定席の連結もあります。

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▲リクライニングシートが並ぶ車内はクタビレ気味

ガラガラの状態で到着した車内に各車5・6人が乗車します。私は前寄り5号車に。窓が拡大され、座席部分がかさ上げされたグレードアップ仕様です。シートピッチも拡大されているため窓割に合った座席を探すのに苦労します。
やっと着席し、車内を見回すとかなり痛んでいます。シートカバーも省略され、「快速だからこんなもんで」ってところでしょうか。さらには「4号車の冷房の効きが悪くなっております」って放送も。7月の“KTR苦役列車”を思い出しました。

遅れの越後湯沢行き特急「はくたか5号」接続待ちのため3分ほど遅れて発車。この間、上下「はくたか」と「くびき野」の特急型3本が並び直江津駅は一瞬華やぎます。

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▲柏崎までは日本海が

北越急行が分岐する犀潟を出ると日本海が車窓に寄り添います。柏崎までは概ねオーシャンビューを楽しめます。
柿崎を過ぎ海岸沿いの青海川を通過。2007年の新潟県中越沖地震で被災した青海川駅の光景を思い出します。駅の大部分が土砂に埋まった状況からよく立ち直ったもんだと思います。
柏崎駅の隣接地には真新しいホール(柏崎市文化会館アルフォーレ)が目をひきます。原発がもたらしたハコモノなんでしょうね。

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▲鯨波海岸を行く

くたびれているとはいえ特急並みのサービスが売り物の快速「くびき野」ですが、そうなると直江津ー新潟間で並行する特急「北越」との違いが気になるところ。途中停車駅は両者ほぼ同じで、「くびき野」が宮内にも停車するのが唯一の違い。最高速度は「北越」の120キロに対し、「くびき野」は100キロ。(~wiki) 結果、この区間の所要時間で約10分の差が生じます。車両も同じ485系とはいえ「北越」用はきちんと整備されているものと思われますが、これだけの違いに自由席特急料金1780円を投じる価値があるかどうかは微妙なところですね。

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▲柏崎からは山間を

柏崎を発車すると車窓は山景色に一変します。車内はというと相変わらずガラガラの状況。長岡で乗客が入れ替わり多少賑わいます。この後見附、東三条、加茂各駅で乗客を増やし、新津でどかっと乗車があり、座席の6・7割が埋まります。せっかくの乗り得列車ですが、主な守備範囲は新潟近郊と見ました。

12:05新潟着。11月4日には高架化工事に伴う線路切り替え作業が列車を止めて行われます。


◆第6走者 特急いなほ5号(新潟~村上)

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▲同じ485系とは思えないフロントマスク

新潟からは25分の待ち合わせで特急「いなほ5号」で北上を続けます。この旅2本目の特急ですが、新潟から先、羽越本線内の普通列車の接続が極めて悪いため特急のリリーフを仰がねばスケジュールに大きなロスが生じてしまうんです。そこで特急料金の投資効果が大きく、車窓が比較的単調な新潟ー村上間で起用したというわけです。

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▲LEDの行先表示

いったん改札口を出て特急券・乗車券を購入しホームに戻って来ると陸橋から人の列が続き、既に入線している「いなほ」に吸い込まれているではありませんか。接続する上越新幹線が着いたようです。いかん!油断してた、と急いで乗り込むとそれ程の混雑でもなく6号車に余裕で着席。

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▲JR東日本自慢のシートですが・・・・

さて、「いなほ」に使われているのも先程の「くびき野」と同じ485系ですが、いわゆる3000番台車で内外装ともに徹底的にリニューアル工事が施されており国鉄型の面影はありません。この辺はJR西日本の103・201系に通じるものを感じます。シートもJR東日本標準の座面スライド式リクライニングシートに換装されています。しかし、しかし・・・狭い!見るからにシートピッチが狭い! どうやらピッチは国鉄伝統の910ミリを踏襲してしまったようです。画竜点睛を欠くとはこのことですなあ。

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▲2010円の投資効果は?

12:30、新潟を後にします。

白新線に順調に踏み出したと思ったら3駅目の新崎で停車、「反対列車の行き違いを待ちます」との放送が。ややあってやって来たのは普通列車。特急の面目丸つぶれですな。わざわざ乗車券まで買い足して乗っている私としては面白くありません。

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▲コメどころ新潟を往く

車窓はすぐに一面の穀倉地帯に。稲穂の中を行く「いなほ」ですな。傍から見れば絵になる景色かも知れませんね。
しかし、乗っている者にとっては単調な眺めが連続しやや退屈。まあ、予想どおりですが。

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▲「いなほ5号」村上到着

13:20、村上に到着、50分の特急の旅が終ります。
自由席車からは各々5人程度が下車しますが、あっという間に改札口へと消えて行き、ホームは静まり返ります。

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村上からはこの旅唯一の気動車に乗り換えます。
全線電化されている日本海縦貫線を走る気動車列車、その理由は・・・・。

と、いうことで次回は気動車でこの旅一番の絶景区間を北上します。
続きは、>>>こちら


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コメント 16

あおたけ

新潟地区のこのあたりは「くびき野」や「妙高」など、
特急車両を使った「乗り得列車」が多いですよね。
でもそのぶん、その後に同形式の特急に乗ってしまうと、
ちょっとソンした気分に・・・?
3000番台のスライドシート、
スライドさせると余計にピッチが狭くなっちゃうんですよね(^^;)
by あおたけ (2012-10-29 19:31) 

まるたろう

直江津というと、在来線時代の特急「あさま」も、上野発で
運転されていましたよね。帰省時、よく小諸や上田で、直江津行きの
表示幕を目撃した時、憧れたものです。
今ではこのような状況ですか、新幹線開業により、ますます存在感が
無くなるのも、空しいですね。

さて次は、いよいよ車窓のハイライトですか。楽しみです。
by まるたろう (2012-10-29 22:03) 

燕っ子

直江津は、確かに幼い頃に比べると、だいぶすたれてしまった気がします・・・ただ、新幹線開業の副作用で国鉄型が最後の活躍を見せてくれている、今が一番おいしい時期かもしれません・・・
by 燕っ子 (2012-10-29 22:55) 

nozzy

型は特急形でも快速には車内販売がない!
って、最近は特急でも車内販売はないんでしたっけ。
冷凍ミカンとポリ容器の煎茶よ、カムバーック!

それにしても、拝見していると乗りに行きたくなりますね。
いつになるかわかりませんが、青函トンネル記念館までバイクで行こうと思っています。
しかし、同様に日本海沿線を行くか、上野から寝台特急に乗っていくか、そんな選択肢も考えるようになりました。
by nozzy (2012-10-30 09:40) 

うたに

はくたかに慣れてしまうと、北越は遅く感じます。車両はいなほと同じ485系なんですけれど、681/683系と比べるとグリーン車も半室だし、席も2-2だし、窓とシートピッチが合っていないし。。
長岡から金沢まで、ずいぶん遠く感じました。
by うたに (2012-10-30 11:38) 

サットン

あおたけさん

せっかくの乗り得列車だったんですが、乗車率の低さが気になります。
今回まさしく485の乗り比べとなりました。軍配はもちろんリニューアルされた3000番台に上がりますが、あのシートピッチには参りました。昔白鳥全区間乗車のときには耐えられましたが、今は50分でも苦痛です。
by サットン (2012-10-30 14:13) 

サットン

まるたろうさん

直江津というとわれわれ鉄道ファンには特別な響きを持つ駅名ですよね。でも現実は厳しいようです。特に駅前の落ち込みが気になります。これで新幹線の新駅ができたら…。ホテルに泊まる人なんていなくなるのではと心配になります。
by サットン (2012-10-30 14:36) 

サットン

燕っ子さん

燕っ子さんの眼にも寂しく映るんですね、今の直江津。コンビニがあった道路沿いはまだ賑わっていたので鉄道の落ち込みを見せつけられました。
国鉄型車両も新幹線開業と入れ違いにお払い箱なんでしょうね。

by サットン (2012-10-30 15:09) 

サットン

nozzyさん

車内販売も貴重な存在になりつつあるようですね。特に西日本、四国エリアは厳しいみたいです。冷凍ミカンをご存じとは私の想像よりもご年配なのかな?
今や夜行列車で東北を目指すとなると上野発の夜行列車しかないですよね。でも昼間の車窓を楽しみながら行くのも楽しいものです。時間はかかりますけど。
by サットン (2012-10-30 17:12) 

サットン

うたにさん

やっぱり日本海縦貫線は普通列車で行けってことですかね。
私も475系の3時間に比べて485系での1時間は長く感じました。基本的には「こだま型」の485系、特急としては限界かも知れないですね。
by サットン (2012-10-30 18:45) 

UZ

個人的には485系3000番台の座席は好きです。シートピッチは確かに狭いのですが、その分座面がスライドする事で救済しているからです。
「いなほ」や「北越」でお世話になりました。その車両も経年化が進行していて、E653系への置き換えも噂されていて(新潟地区で試運転があったそうです)時間の経過を感じますね。
新潟地区の都市間輸送の顔とも言える車両の485系も記録に残すのなら今のうちかもしれません。あとは波動輸送の車両くらいですし。
by UZ (2012-10-31 22:05) 

サットン

UZさん

確かに「いなほ」の座席は「くびき野」のものと比べて快適でした。
しかし、シートピッチの狭さで快適性が相殺された感じですねぇ。今回は短時間で隣も空席だったので良かったんですが…。
by サットン (2012-11-01 13:22) 

ファジー

直江津の駅の立派さに比べ駅前の寂しさがなんとも落涙ものですが、関西でウダウダしていたら決して目にすることが出来ない列車たちでの旅行は新鮮でいいでしょうね。
特急いなほといえば、キハ81でイメージが止まっている小生であります(爆)

by ファジー (2012-11-01 16:23) 

サットン

ファジーさん

図星であります! 久しぶりに踏み入れたJR東日本の管内は見るもの聞くものいちいち新鮮でしたよ。
キハ81の「いなほ」ですか!? 私も似たようなものです。青い「いなほ」には実に違和感がありました。
by サットン (2012-11-01 18:42) 

京葉帝都

新潟県中越沖地震の復旧工事中に不通区間の柿崎から柏崎に向って代行バスに乗車したことがありました。高所を位置した国道8号線から青海川駅を見おろしましたが、断崖の崩落はひどいものでした。他にも架線柱は斜めになっていましたし、柏崎市内の建物はかなり被害を受けていました。電車に戻って最初に見た、石油会社の煉瓦造の建屋は完全に瓦解していました。鯨波海岸からは海水浴客がそこそこ乗り込んできたので、代行バスは充分鉄道の代わりの機能を果たしている、と思いました。
by 京葉帝都 (2012-11-04 01:58) 

サットン

京葉帝都さん

青海川駅の惨状、今も当時のニュースで流れていた空撮映像が目に浮かびます。周囲の地形が変わるほどの大崩落に「こりゃ、線路付け替えかな」と思ったほどです。柏崎駅で激しく脱線していた115系の姿も思い出します。
代行バスに乗られましたか。見事復旧が叶った今となっては貴重な経験ですね。
by サットン (2012-11-05 09:27) 

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