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日本海縦貫線2012秋 ⑤酒田~秋田 [鉄道の旅]

701系体験乗車

大阪から日本海縦貫線を北上する旅、今日は2日目のラストコース、秋田までご案内します。

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▲看板だらけの酒田駅

「笹川流れ」の車窓をたっぷり楽しんだ後降り立ったのが酒田駅。ここを起終点にしている路線はないものの特急「いなほ」の一部が折り返す庄内地方の中心地であります。JR東日本の管轄もここまでは新潟支社、次の楯岡からは秋田支社の受け持ちとなります。

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▲自動改札で鉄壁の防御

ということで普通列車の旅もここで39分間のインターバル。普通列車間の接続はあまり考慮されてない様子。もとより急ぐ旅でもなく、私もいったん改札口を出てみます。待合室には「東京ステーションホテル宿泊プラン」のパンフが溢れております。


◆第8走者 553M(酒田~秋田)

ここから先は701系の登板が確定しております。時間も夕刻、座れなかったらたいへんと、早めにホームに入ろうとしますが、有人改札はクローズのまま。一方自動改札は生きているようで定期券利用の高校生は次々に入場して行きます。片や「乗り放題パス」は自動改札非対応。こりゃまずい、と出札窓口の駅員さんに目配せしてなんとか入場します。

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▲初対面の701系はN34

ホームに横付けされていたのはもちろん701系。3ドア、ロングシートの都市圏仕様に乗り鉄のみならず、一般利用者からも総スカンを喰い社会問題にもなった曰く付きの車両であります。でも、私は今回が初めて。興味半分、怖さ半分で乗り込みます。

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▲いかにも値切りましたって感じ

座席に荷物を置いてとっくりと701系を眺めます。まず、フロントマスクで損していますね。飾り気を一切排除したデザインはJR九州の815・817系にも似ていますが、ちょっとしたワンポイントの有無で印象が大きく異なります。なんか電車というより気動車っぽい。実は、この後ゴールの青森まで701系が続くことになります。じっくり味あわせてもらいましょう。
「秋アキ」の所属表記を見て、東北に来たなあと実感します。

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▲鳥海山の勇姿も・・・・

酒田を16:36に発車。混むのでは、という心配も杞憂に終わり、2両編成の車内は空席も。当地も中間テストのようですね。
海側のロングシートに座った私の眼前に鳥海山の山容が迫ります。鶴岡の手前から車窓に現れた鳥海山の裾野に差し掛かったようです。平野からすっくと立ち上がった稜線は神々しいばかりですな! 羽越本線きっての車窓ですが、そこはロングシート、ドアガラス越しのこんな写真しか・・・・。

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▲遊佐を出るとこんな状態

さて、物議をかもしたロングシートの車内は明るく清潔ではありますが、やはり窓に背を向けるのは抵抗があるのか地元の皆さんは体を斜めに捻り、片足を胡坐状態にして座っていらっしゃる姿を多く見かけました。
車内の様子で面白いのが降車のタイミング。ワンマン運転なので降りる際は基本最前部のドアからということになるのですが、非常にスローテンポ。2両目の乗客でさえも停車してからおもむろに席を立ち通路を前に向かいます。最近路線バスでは「完全に停まってから席をお立ち下さい」という放送を聞きますが、正にその通り。運転士はドアを開け、降車客がやって来るのをじっと待っております。ダイヤにも織り込み済みだとか。

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▲2日目の夕日が日本海に沈む(吹浦付近)

そんなローカル事情で延びがちになる停車時間を取り戻すように701系は急加速を繰り返して突っ走ります。

ガラガラになった車内が突然オレンジ色に染まります。上半身を捻って海側の車窓に目を転じると列車は海岸線を走っており、遥か水平線に夕日が沈もうとしているところです。

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▲こんな夕日見たことない!

その美しさに思わず席を立ちドアにへばり付いて見入ってしまいます。カメラを向けスームインするとこんな写真が。太陽がダルマ状態に写っております。(トリミング済) 何カットか撮っているうちに陽がどんどん没していくのが分かりました。まさに秋の日はつるべ落とし。
先程の鳥海山と言いロングシートから眺めるのがもったいない景色であります。
 

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▲これより秋田県

17:03、小砂川着。ここから秋田県となります。今日2回目の県境越え。
松島が干上がったような象潟の奇景をどうにか真っ暗になる前に見ることができたものの、その先は真っ暗な車窓が続きます。
羽後本荘で見かけた由利高原鉄道の気動車が無聊を慰めてくれます。

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▲2日目のゴール

終着秋田を目前にした新屋、羽後牛島で高校生の乗車があり、車内は立ち客多数に。701系が一瞬本領を発揮し、18:26、羽越本線の終点であるとともに今日のゴールでもある秋田に到着です。ロングシートでの1時間50分は空いていたこともあってか疲れ知らずでした。

構内のコンビニ「NEWDAYS」で念願の駅弁を手に入れ、昨日の直江津と較べると大都会に見える秋田駅前を今夜の宿「リッチモンドホテル秋田駅前」(宿泊記はコチラ)に向かいます。

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▲はらこわっぱめし(泉秋軒)

手に入れた駅弁がこれ。地元泉秋軒調製による「はらこわっぱめし」、1000円也。ご飯の上にイクラと鮭の切り身がのっただけのシンプルなメニュー。イクラの量がちょっと寂しいですが、塩味の効いた鮭の切り身がビールによく合いました。

さて、新潟、山形、秋田の3県を駆け抜けた2日目。1日目の2府5県と較べるとずいぶんペースダウンしたかに見えますが、距離にすると1日目の444.8kmに対し409.3kmと遜色ありません。この3県の広さを実感することになりました。

次回からはいよいよ3日目に突入します。まだまだ北上して行きます!
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やまびこ3

夕日が美しい日本海岸の旅、素晴らしい天気で良かったですね。
701系もかっての客車列車に比べるとずいぶんスピードアップされているので、ローカル利用者には大きな問題がないのかもしれません。
青春18時期になると最後まで座れないなんて事もあるのが問題ですけど。東北に行くとローカル電車でも降りたら自分でドア閉めがかなり徹底されているのが面白いです。
by やまびこ3 (2012-11-07 18:39) 

まるたろう

なるほど、701系の噂は聞いていましたが、やはり旅に出た時に、
ロングシートはきついですよね。
クロスシートから眺める景色の方が、旅情は出そうな気がします。
by まるたろう (2012-11-08 08:21) 

あおたけ

日本海に沈む夕日が美しいです
二日目の締めくくりとしては、最高の情景ですね。
701系のあの加速力は阪神ジェットカーにも
勝るとも劣らないのではないかと思っており
性能的には優れているのですが・・・
やっぱり内装・外装ともにちょっと味気ないんですよね(^^;)
でも最近は701系を見ると東北へ来たなぁ・・・
と思うようになったところを見ると、定着して来たのかな・・・。
by あおたけ (2012-11-08 09:08) 

サットン

やまびこ3さん

日本海に沈む夕日の光景はホント素晴しかったです!こんなに感動的な夕日は初めてです。
701系の成果は大きなものがあるんでしょうね。通学輸送のピークをいかに効率的に乗り切るかという課題に見事に答えてると思います。
私が見ていた限りでも皆さんドアをきちんと閉めていました。ただ、この日は日差しが強かったこともあり停車中は開放して風を通した方が快適なのではと感じました。
by サットン (2012-11-08 11:41) 

サットン

まるたろうさん

私も701系については今回が初めてなのでじっくりと楽しませてもらいました。2時間というのはちょっと長かったかも知れませんが・・・。まあ、一般の乗客は数駅間の利用がほとんどなのでこれで良いのかも。
でも、景色を見るにはやっぱりクロスシートですね。首が疲れました。
by サットン (2012-11-08 11:51) 

サットン

あおたけさん

日本海の夕日、全く予想していなかったので望外のプレゼントになりました♪
701系の韋駄天走りは凄いですね。まさに胸のすくような走りっぷりでした。短編成でラッシュにも対応しようとするとどうしてもロングシートになるんでしょうね。登場から既に20年近く、利用者も慣れているんでしょう。
私は初対面となる701系ですが、それでも「東北に来た!」って実感しました。

by サットン (2012-11-08 12:03) 

うたに

なんと美しい夕日!これだから乗り鉄はやめられません!
秋田と言えばわっぱ飯。やはり旅先で食べる弁当はいいなぁ〜。
駅弁大会で買って来るのと違い、旅の思い出と関連付けられるので忘れられないものになりますよね。

701系は評判がイマイチですが、標準軌仕様・狭軌仕様・セミクロス仕様あり…と、なかなか趣味的には面白い車両だと思います( ゚ω゚)ノ♪
by うたに (2012-11-08 12:51) 

nozzy

夕日に染められたロングシートの車内って、何かのアニメで幻想的な描写がされていたシーンが頭に浮かびました。

>太陽がダルマ状態
わたしには輝く大盛どんぶりめしに見えますっ!
by nozzy (2012-11-08 13:06) 

ミスター仙台

この様な駅舎、最近減りましたね。
看板だらけですが、これがまた良い味を出してますね。
by ミスター仙台 (2012-11-08 14:26) 

サットン

うたにさん

ホント、目の覚めるような美しさでしたよ!乗り鉄にはたまらない一瞬ですねえ。
秋田の駅弁、前日直江津で空振りした後だったので美味しさも一際でした。もう少しイクラが多ければなあ・・・・。
初めて乗った701系ですが、なかなかの働き者という印象です。バリエーションも豊富なようですが、私が出会ったのは行先表示が幕式かLEDかの違いだけでした。
by サットン (2012-11-08 16:06) 

サットン

nozzyさん

夕日に染まるというとウルトラセブンの最終回を思い浮かべる私であります。束の間のトワイライトEXP気分を味わいました。
この夕日、大盛りカレーに落とされる卵ってとこでしょうか。
by サットン (2012-11-08 16:10) 

サットン

ミスター仙台さん

酒田駅舎、いかにも国鉄仕様の地方中核駅っていう感じですね。
橋上駅全盛の昨今、なかなかお目にかかれなくなっているかも知れませんね。
by サットン (2012-11-08 16:15) 

cookie

こんにちは、なんと地元にいらっしゃってたんですね〜〜
是非お目にかかりたかったですよ、もし今度酒田を通過されるときは
ご一報下さい<(_ _)> ホントに寂しい駅周辺ですが、なんとか再開発する
べく、地元民はガンバっております!
by cookie (2012-11-09 23:47) 

サットン

cookieさん

お断りもせずに庭先を荒らしてしまいました。申し訳ありません!
酒田駅周辺も寂れているんでしょうか。鳥海山の勇姿と美しい日本海の夕日に魅せられた今回の旅でしたが、なかなか集客には繋がらないんでしょうかね。
by サットン (2012-11-10 11:27) 

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