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南海サザンプレミアム体験乗車 [鉄道の旅]

見ると乗るとは大違い

今年のゴールデンウイークも昨日で終わり、皆さん東へ西へと駆け回っておられたことと思います。毎日がゴールデンウイークの私も最終日にささやかな乗り鉄に出掛けて来ました。
今回のターゲットは南海電車。言わずと知れた関西5大私鉄の一つですが、日頃利用する機会がなく、このブログでご紹介するのも久し振りでありますね。その南海電車には3つの未乗路線が残っております。和歌山県内の和歌山港線、加太(かだ)線に、大阪府南端の多奈川線です。その3線区を一気に片付けて南海電鉄全線完乗といこうという算段です。

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▲乗り鉄の強い味方「GWおでかけ1dayチケット」

今まで放置していた南海完乗の背中を押してくれたのが南海の「ゴールデンウイークおでかけ1dayチケット」です。これは1000円で南海電鉄の全線が1日乗り放題というチョーお得な企画乗車券なんです。なにしろ難波から和歌山市までの片道運賃が890円ですからコスパは抜群です。(発売は4月26日までの前売り限定)

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▲南海難波駅 吹き抜けと大階段がダイナミック

その1dayチケットを握り締めて南海難波駅に着いたのが10時前。私としては上々の早朝スタートであります。まずは一気に和歌山市まで向かうべく指定席券発券窓口で直近の10:15発、特急「サザン13号」の座席指定券(500円)を求めます。もちろん自由席という手もありますが、今日はお得なキップでたっぷり乗り鉄させてもらう予定です。その分鉄道会社に還元させていただきましょう。それが鉄道ファンの仁義ってもんです!

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▲見ていて楽しい発車標

それでは早速改札口を入りましょう。難波駅名物巨大なフラップ式発車標が迎えてくれます。かつての空港を思い起こさせるこの発車標、いつも目を楽しませてくれます。えーっと、サザンは6番線か・・・・

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▲6番線にいたのは8000系 ということは・・・・

その6番線に停車中の電車はと見ると、南海顔の7100系ではなくステンレスボディの8000系。ということは、この奥に控える指定席車は当然12000系、またの名を「サザンプレミアム」。新型好きの私としてはチョーラッキー! なにぶん2本しかない新型ですから。

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▲広告電車ではありません

ホームを進んで行くと間違いなく12000系。しかし、プレミアムとは言いながらいかにも安っぽいステンレスボディっていうのはどうにも・・・・。先頭まで行って顔を見るとなんとも貧相。プレミアム感、どんどんしぼんでいきます。

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▲どことなく戦隊モノを思わせる前頭部

さて、指定されたのは4号車。4両の指定席車の最後部です。デッキとの仕切り扉には「プラズマクラスター」の表示が。プレミアムたる所以の一つが大手私鉄の車両としては初めて導入されたといわれる「プラズマクラスター」。沿線に新工場を開設したシャープとの関係を云々されましたが、時節柄ポイントを稼げるアイテムではないでしょうか。

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▲大阪湾と南海の路線を示します

デッキから客室内に入ると今度はプレミアム感反転急上昇! シートのブルーがなんとも良い感じです。実は従来の「サザン」のグレー系のシートが気に入っていたので、プレミアムのブルーってどうよ?と反感を感じていました。私のような国鉄世代にとってはブルーのシートってどうしても国鉄の車両を思い出してしまいます。
ところがプレミアムのブルーは全く違うんです。深みがあるというか、上品というか。やっぱり写真で見ているだけではだめですね。

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▲上品なブルーの座席が並ぶ車内 照明に凝るのは南海の伝統

指定された座席に座ると掛け心地もなかなか良い!しっかりしたホールド感に深々としたヘッドレストは流石にプレミアム。シートピッチは1010ミリが確保されていて足許も余裕たっぷり。さらには全席にコンセントが設置されているのも嬉しいところ。
先ほどまでのガッカリ感もどこへやら。「サザンプレミアム」の好感度大幅アップです。・・・・それにしても日本人ってプレミアムとかエグゼクティブって言葉が好きみたいですね。

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▲深々としたヘッドレストとプラズマクラスター

10:15、静かに難波を発車、和歌山まで57分の旅が始まります。すぐに右手を先日移転したばかりの南海電鉄の新本社ビルがかすめます。旧本社(南海会館)は超高層ビルに生まれ変わるそうです。
さて、気になる乗り具合ですが、難波発車時点では4号車はわずかに5名。この後、新今宮で約10名、天下茶屋、堺、さらには岸和田からそれぞれ4名ずつ乗車。どうにか格好が付く状況に。

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▲関空へ向かう空港線

指定席料金500円で快適に着席できれば決して高くないのでは、と思いますが、デイリーユースの場合はそうもいかないんでしょうね。それを裏付けるような会話が後ろの座席から聞こえてきました・・・・
乗客A:たまにはこんな電車もいいよね。
乗客B:うん。リクライニングシートに座ってビール飲んで、気が付いたら目的地っていいねえ。
このお二人は500円をリーズナブルと感じているようです。

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▲尾崎辺りからは大阪湾が

最初の降車客は難波から38分の尾崎で1名。尾崎を出ると大阪湾の海岸線が寄り添って来ます。大阪らしくない伸びやかな車窓ですが、この環境が塩害を生み南海線にもステンレス車が導入されたという説もあるようです。
尾崎から7分のみさき公園で家族連れを中心に大部分が下車。ホームが人波で埋まります。前寄りの指定席にも相応の乗車があったことが窺えます。ゴールデンウイーク特需でしょうかね。

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▲紀ノ川を渡ると間もなく終点のはずが・・・・

JR阪和線に比べ格段に低い高度で阪和府県境の山並みを越え和歌山市内へと下りて行きます。終点和歌山市駅も目前の紀ノ川橋梁上でブレーキが掛かり緊急停車。なにやら非常ベルのような音が聞こえてきます。なにごと?と思っていると車内放送が入り、非常ボタンが操作されたので確認を行っているとのこと。結局異常なしということで運転再開、和歌山市には約8分遅れの11:20頃の到着となりました。

今回期せずして「サザンプレミアム」の体験乗車となりましたが、乗り心地は見かけに反して快適でした。ただ、ゆらゆらとした揺れが気になりました。ボルスタレス台車と軽量ボディの組み合わせによるものでしょうか。それからもう少しメリハリのきいたダイヤを組めないものかと。和歌山方はダイヤにも余裕があるはずで、より高速運転を期待したいところです。

さて、懸案の乗りつぶし、和歌山港へ向かうか、それとも加太へ向かうか・・・・ということで暫く南海電車が続きます。


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まるたろう

自分も以前、岸和田から難波まで、サザンプレミアムに乗りました。
外観はともかく、室内の座席に高級感は感じましたね。
この室内で500円プラスは、難波から遠くまで乗車すればするほど、
高くはないと思います。
そういえば南海の支線、自分は乗りつぶしてはいますが、明るいうちに
訪問できていない路線もあるので、また再訪しないとダメですね。
by まるたろう (2013-05-07 22:16) 

takayou

南紀白浜となると、やはり大阪からも遠いのでしょうね。鳥羽伊勢周りも難しそうなので、未体験なリゾート地となりそうです。
by takayou (2013-05-07 22:42) 

モボ

巨大なフラップ式発車標、パタパタと軽快な音に、つい足を止めてしまいます。
それでいて、停車駅の表示がデジタル表示なところのギャップがたまりませんね。

お得な乗り放題の切符、私も使って旅してみたいです!

by モボ (2013-05-07 22:59) 

ファジー

こんなお得な切符があったんですか。普段販売している和歌山往復切符の半額なのでメチャお得ですね。この切符で貴志川線のタマ駅長に会いに行けばよかったと今になって悔やんでいます(笑)
by ファジー (2013-05-08 06:54) 

あおたけ

GWは南海の乗り潰しにあてられましたか〜(^^)
この南海サザンや、名鉄の特急などのも見られますが、
ひとつの列車で普通車とリクライニングシートの指定席があるのは、
関東の私鉄では見られず、JR東の普通車グリーン席のようなものですね。
でも大きめの座席と天井の高い開放感のある室内は、
東のグリーン車よりも、乗り心地が良さそうです。

加太線や多奈川線はかなりご無沙汰なので、レポートが楽しみです(^^)

by あおたけ (2013-05-08 09:37) 

nozzy

確かにプレミアム感にかける顔立ちですねぇ。
南海と言えば黒騎士ファウストこと、特急「ラピート」のインパクトが強いですがアレもまだ一度も乗ったことがありません。
関空に用事があるたびに乗ろうと思いながらも、時間の都合がつかなかったりして。

和歌山方面へは、先日、阪和道路で初めて走りましたが、岸和田あたりからの景色は「ここも大阪なのか!?」と思えるような景色ですね。
by nozzy (2013-05-08 12:29) 

サットン

まるたろうさん

サザンプレミアム、新型と書きましたが、登場から2年経過してるんですね。外観からは想像できない室内の高級ムードには驚きました。
今回は終点まで乗ったので500円はお得に感じました。
和歌山周辺のローカル線は何れも平凡な車窓ながらも長閑なムードでなかなか楽しかったですよ。
by サットン (2013-05-08 16:19) 

サットン

takayouさん

南海電鉄は和歌山といっても北端の和歌山市までが守備範囲なんですよ。でも、昔は国鉄の路線に乗り入れて白浜まで直通していたそうです。
鳥羽方面には近鉄の新型特急「しまかぜ」をご利用になってはいかがでしょうか。
by サットン (2013-05-08 16:24) 

サットン

モボさん

南海難波駅はフラップ式ファンにとっては天国ですね!でも、この大型発車標は全ての情報を更新するのに30~40秒ほどかかるのでラッシュ時はたいへんだろうな、と思います。
私鉄の企画切符はどうしてもPRが沿線に限定されてしまうので情報を得るのが難しいですね。
by サットン (2013-05-08 16:31) 

サットン

ファジーさん

今回たまたまネットで知ったんですが、この切符は使い出がありましたよ!この3路線を普通に乗車券買って潰したら出費が嵩みますから。
タマ駅長、ゴールデンウイークは疲れたことでしょうね。
by サットン (2013-05-08 16:36) 

サットン

あおたけさん

関西でも一時期新快速にグリーン車導入の噂が流れましたが、結局編成増強で座席数を増やす方向に決着したようです。かつて京阪神の快速にはグリーン車が連結されていましたが、廃止されましたし、関空特快の指定席も不評のうちに消えてしまいました。やはり地域性もあるんでしょうかね。
そんな中で南海は粘り強く頑張っていますね。
しばらく南海祭り状態ですが、どうぞお付き合い下さい!
by サットン (2013-05-08 16:48) 

サットン

nozzyさん

プレミアムは特急版“走るんです”ってイメージでしたが、室内はそこそこの高級感がありました。「りんかん」に較べるとかなり改良されたイメージです。
ラピートは今でもインパクト強烈ですね!今回もついつい500円を投じてしまいました。
泉南の車窓は本当に大阪離れしてますよね。田園風景にマリンビュー、関空から飛び立つヒコーキと見ていて飽きません。
by サットン (2013-05-08 16:59) 

京葉帝都

南海本線の海が見える車窓は記憶に残っています。プレミアムは8000系との併接とコストを考慮して貫通扉はプラグドアではなく従来型となったのでしょう。
紀ノ川橋梁は現役の土木遺産ですね。同様のピン接合トラスの新神通川と比べてスチール部材が細くみえます。

by 京葉帝都 (2013-05-09 00:28) 

サットン

京葉帝都さん

大阪でこんな海岸の見える車窓って南海本線だけでしょうね。8000系はもうコストダウン最優先っていう感じです。もはや関西の電車じゃないと言いたいですわ!
紀ノ川橋梁、なんか華奢に見えました。しばらく橋の上に停車していましたので怖くって・・・・。

by サットン (2013-05-09 19:51) 

かつ大阪

大和川以南の地域というか、南海は大阪の私鉄というイメージが全然しません。岸和田とか河内長野なんて、ほぼ和歌山県みたいなものです。

コストダウン最優先と言われている8000系については、両22億で1両約1.3億~1.4億と意外と価格はするらしく、阪急9300系と殆ど変わらないです。
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx1120130506caag.html
by かつ大阪 (2013-05-10 14:12) 

サットン

かつ大阪さん、いらっしゃいませ!

私も大阪府民ながら泉州にはご縁がなく、久し振りの南海訪問となりました。
8000系、阪急9300と変わらぬ価格ですか!素人の印象としてはずいぶん高い買い物だと思いますが。
関西私鉄の中では異端に映る南海ですが、旧東急車輛との関係が影響しているのかも知れませんね。
by サットン (2013-05-10 18:09) 

やまびこ3

南海が1000円で乗り放題とは、激安チケットだったですね。
1200系は寡聞にしてよく知りませんでしたが、なかなかゆったりした車内はさすが関西ですえ。顔はJR西の最近の近郊シリーズに似ている気もしました。
南海といえばノリつぶしに精を出していたころ、寝過ごして黙って戻ったら見とがめられてえらく怒られた記憶があります。もちろん有人改札のころ、20年ぐらい前だったかな。
by やまびこ3 (2013-05-10 21:06) 

Cedar

サザンプレミアムって、やはり「走るんです」の2ドアなんですね。サイドのロゴは情けない~。でも室内が立派なのは関西私鉄らしい。
by Cedar (2013-05-11 05:26) 

うたに

サザンプレミアム、車内は東上線のTJライナーやJR東の普通列車グリーンよりも良いかもですね。
南海電車はまだ乗ったことが無いのですが、おおよそ阪和線と競合している路線…という感じなのでしょうか?
by うたに (2013-05-11 10:18) 

サットン

やまびこ3さん

このチケット、偶然ネットで知ったんですが、お得でしたよ♪ これがなければ南海完乗はまだまだお預けだったかも。
12000系は500円の指定料金で乗れるには十分すぎる接客設備ですが、見てくれで損してますね。JR西225系とは埴輪兄弟と呼んでやってもいいかも知れません。
メクジラ立てて怒ってる南海の駅員さん、情景が目に浮かぶようです。
by サットン (2013-05-11 17:42) 

サットン

Cedarさん

プレミアムの名に反して外見は「走るんです」か「窓付弁当箱」ってところです。でかでかと貼り付けられたロゴも広告みたいで・・・・。
中身だけでもそこそこに設えておかないと乗客からなんと言われることやら。
by サットン (2013-05-11 17:50) 

サットン

うたにさん

少なくともTJライナーよりはプレミアム感はあると思います。
阪和線とは大阪対和歌山という意味では競合関係にあるかもしれませんが、両者の間隔はかなり離れているので、JR対阪急ほど熾烈な競合にはないように思います。車窓も阪和線から海は見えませんし。
by サットン (2013-05-11 18:06) 

のり

良い旅をして来られたのですね。
最近の南海は、どうも好きになれません。緑を捨ててから、イメージがどうもイマイチです(笑)。このサザンプレミアムも、中身はものすごい特急なのですが、外観が本当にいただけませんね。
8000は、外観はおろか中身まで…。冷たい車内・固いイスなどなど。あの素晴らしかった南海はどこへ行ったのでしょう。
でも、サザンプレミアムの車内は、本当にすごいですね。一度乗ったら病みつきになりそうです。
by のり (2013-05-15 07:38) 

サットン

のりさん

お膝元にお邪魔しておりました。フリー切符のお蔭で南海電車とたっぷり戯れて来ましたよ。
関空開港を機に導入したCIがどうもイマイチのようで・・・・。細部まで徹底している京阪のような覚悟も感じられませんねえ。最近の南海からは諦めというか割り切りのようなものを感じます。
サザンプレミアムは外見で損をしている分、中身は満足でした。1時間の乗車にはもったいないくらい。伝統の荷棚下の照明も健在でした。
by サットン (2013-05-15 10:39) 

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