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私鉄のターミナルを見る ②阪神梅田駅 [鉄道の旅]

正統派ターミナルにも梅田再開発の波が

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▲この矢印を見ると舶来の万年筆を思い出します

前回近鉄京都駅(>>こちら)を取り上げてご好評をいただいた(?)「私鉄のターミナルを見る」シリーズ。第2回は阪神電車の梅田駅にやって参りました。「梅田」を名乗る駅は阪急、大阪市営地下鉄御堂筋線、そして、この阪神に存在しますが、乗降人員でいうと最も少なく1日平均約166,000人だそうです。そんな数字的にはちょっと寂しい阪神梅田駅ですが、伝統的な私鉄ターミナル様式の魅力的な駅です。
最後にクイズも用意しておりますのでごゆっくりとご覧下さい。

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▲阪神百貨店が入る大阪神ビルディング

地上には大阪神ビルディングがどっしりと構えております。大阪駅の真正面に位置するこのビルは大阪の顔といっても良いかもしれません。元はタイル張りの外装でしたが、今は樹脂製のパネルに覆われ表情を変えています。しかし、このビルも梅田阪急ビルに続いて全面的な建て替えが発表されました。

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▲地下街からの階段にも発車標

駅自体は大阪神ビル北側の地下2階に設けられていますので周辺に張り巡らされた地下街を通ってアプローチすることになります。地下街から続く階段にも発車標を設置し案内に努めますが、周囲は人通りも多く、うっかりしていると見落としそうです。

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▲発券ゾーン(左)と駅長室(右)

その階段を下りると改札外コンコースが広がります。L字形に券売機が配置されていますが、向かって右手のものは甲子園や沿線の公営ギャンブル開催時に活躍する往復乗車券対応のもので普段は休止しています。
改札口に向かって右端には駅長室が。最近良く見かけるカウンター式の案内所と有人改札口を兼ねています。偶然前回の近鉄京都駅にもいたせんとくんが。今や奈良も阪神沿線ですね。

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▲メインエントランス東改札口

正面に列車が並ぶ東改札口です。自動改札機がズラリと並んだ光景はお馴染みですが、列車が到着する度に押し寄せる人波は壮観です。特にタイガース戦終了後に黄色に染まる様は一見の価値ありですよ。

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▲コンコース内発車標と売店

発車標は4列車まで表示可能。種別のみフルカラーのLED表示となっています。そして、その直下には売店が。確かに抜群の立地なんでしょうが、乗降客の動線と交錯する弊害も。所狭しと並べられた商品にベタベタ貼られた広告類・・・・飾り気ないのが阪神らしい、といわれそうですが、阪急阪神グループとなった今では“らしくない光景”なのかも知れません。

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▲阪神兄弟 with 山陽電車

改札を入ると5面4線の構内に電車が並びます。阪急梅田駅や南海難波駅と比べると規模では見劣りしますが、頭端式のホームに電車が出入りする様子はターミナルの貫禄十分。もちろん4線ともに乗降はきちんと分離されています。日中は3線で捌いて1番線はラッシュ時と臨時列車用ですが。
それにしてもこの駅に出入りする顔ぶれも変わりました・・・・。

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▲ホームの発車標

コンコース同様に種別のみフルカラーのLED式。必要な情報はひと通り網羅されていますが、幅を狭くしてコンパクトにまとめているせいか少々見難いように感じます。

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▲発車時刻表

こちらはホームの時刻表。やはりコンパクトサイズで字が小さく読み難い。古い地下線ゆえ天地方向の余裕の無さが要因なんでしょう。これは来るべき改修工事を待つ他なさそうです。
なお、ホームに流れる駅メロは京阪同様向谷実氏の手によるもの。

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▲西側3号改札口

ホームを西へと歩き神戸寄りの階段を上がると改札口が。西口と呼ぶのかと阪神電鉄のHPで調べると「3号改札口」とのこと。ちなみに2号改札口はラッチ内コンコースを挟んで東側、写真奥の発車標のさらに奥にあります。ハービスなど阪神村方面、西梅田駅、JR東西線への乗り換えはこちらが便利です。

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▲名物ジューススタンドとコンビニasnas

再び東改札口に戻ります。すぐ脇にはジューススタンドが。ここのミックスジュースは長年に亘って阪神梅田駅の名物として立ち寄る人が絶えません。ジューススタンドといえば後に京阪電鉄が全国に展開したジューサーバーが有名ですが、阪神はなぜ展開しなかったんでしょうね。
そして、阪神のコンビニといえば以前は京阪、南海と共同で展開して来たアンスリーでしたが、阪急との統合で阪急系のasnasに変わりました。asnasとはas soon asに由来します。それではアンスリーは?・・・・wikipediaの受け売りですが、このネーミングの妙には感心しました。アンスリー=an3。つまり、hanshin,keihan,nankaiの三つのanだそうです。Nice!です。


10年後には大変身

さて、冒頭にも書いた大阪神ビルの改築ですが、実はこの計画、過去何度か噂に上りながら立ち消えとなった経緯があります。しかし、今回は本決まりのようです。本年3月27日付のニュースリリースによると大阪市の都市計画審議会により可決されたとありますから今後修正はあっても正式に計画がスタートしたと見て良いでしょう。

ニュースリリースを要約すると・・・・
改築の対象となるのは大阪神ビルと南東に隣接する新阪急ビル。公道を挟んだ2棟のビルを一体的に改築するとのこと。阪神・阪急のビルが一体化されるとは正に阪急・阪神統合の象徴的なビルになるわけですね。
そして、気になる改築後の姿は低層部の百貨店ゾーン(地下2階~9階)と高層部のオフィスゾーン(11階~38階)からなり、高さは190mとなります。そのフォルムと規模は先頃完成した梅田阪急ビルに相当するものになりそうです。
そして、リリースには明記されていませんが、耐震強化を主眼にした駅部分の改修も行われると複数の報道機関が伝えています。現駅に移転したのは1939年とのことなのでかなり大掛かりな工事が予想されます。なお、竣工予定はちょうど10年後の2023年とのこと。

※阪神電鉄のニュースリリースは >>>こちら

それではお待ちかねのクイズのコーナー!

Q:下の画像は何でしょう?・・・・・

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▲これはなに?

答は阪神百貨店、つまり大阪神ビルの外壁パネルをアップで撮ったものです。阪神の頭文字 H が浮かび上がっています。あるテレビ番組で取り上げられていました。知らないと見落としてしまいますが、これも10年以内には見納めになるわけです。

阪神梅田駅、いかがでしたでしょうか。出入りする電車は最長でも6両編成。ホームもそれに合わせて短めと規模的には他社のターミナルと比べるとやや物足りない感もありますが、改札口に向かって電車がずらりと並ぶ光景はターミナル駅の貫禄を感じさせます。古い地下駅らしく天井は低く、各所にくたびれた部分も見えますが、10年後には見違えるように変貌していることと思います。今後の阪神梅田駅に期待したいと思います。

タグ:阪神 梅田
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コメント 16

まるたろう

ミックスジュースの店は、阪神で三宮まで戻る時、よく利用します。
アズナスやアンスリーのネーミングの由来、なるほどと思いました。
いい表現だと思います。
ところで阪神百貨店の壁、Hの文字が浮き上がっているとは、
全く知りませんでした。自分も、記録に残さないといけませんね。

by まるたろう (2013-06-22 20:24) 

左京

簡潔で読みやすくて面白いBLOGですね。近鉄京都駅編も読ませていただきました。阪神梅田駅は阪急梅田駅と比べると小粒に感じますが、効率よく乗客をさばくまとまったイメージがあります。
by 左京 (2013-06-22 20:50) 

のり

ここのミックスジュース、梅田を通る度に必ず寄らせていただいております。
阪神梅田、見事な地下ターミナルですね。阪神らしく、地下駅でもその配線は見事で、同時発着ができるような構造になっているそうです。
今から30年ほど前には、4番線がラッシュ用で、普通が1番線から発車していました。赤胴車・青胴車が闊歩していた頃のお話です。
by のり (2013-06-22 21:09) 

UZ

駅施設は古めかしいかもしれませんが、車両や駅名標がポップか感じがして、そのコントラストが趣き深かったです。

by UZ (2013-06-22 23:26) 

undo

おいらも梅田へ買い物で出ればこのジュースでのどを潤してます。
また阪神は改札のすぐ横にデパートへ入れる口があってエスカレータに乗ればデパ地下直行なので便利さはピカイチですね。

JRとの乗り換えも、西側出口から桜橋口に回るのが人も少なく便利なので、だいたいそっち経由ですね。


by undo (2013-06-23 00:09) 

サットン

まるたろうさん

アンスリーの由来を読んだときには思わず膝を打ちました。なるほど!って。でも、阪神が抜けた今となっては実態を反映してないわけですね。
阪神百貨店の外壁についてはたまたま関テレの番組で知りました。ただの白無地のパネルだと思っていたので驚きました。阪神も意外なところにお金を掛けていますね。
by サットン (2013-06-23 10:01) 

サットン

左京さん、いらっしゃいませ!

お褒めの言葉恐縮です。写真のセンスがダメダメですので・・・・。
阪神梅田駅は動線も明快で利用しやすい駅ですね。改修の計画が公表されてから様々な憶測が飛び交っていますが、どのように変化するのか楽しみです。
by サットン (2013-06-23 10:08) 

サットン

のりさん

梅田駅のミックスジュース、妙に美味しいですよね。季節を問わずお客さんが絶えないようです。
構内配線についてはwikiによると4番線のみ6連に対応できないそうです。その関係で普通列車に固定されたのかと。某鉄道評論家の話では10連対応にする構想があるとかないとか。ここ20年程の間に乗降客が10万人も減っている現状では夢物語だと思いますが。
大阪駅が変身し、阪急梅田駅も改装工事が進んでいるだけに、この駅がどう変貌するのか楽しみです。
by サットン (2013-06-23 10:23) 

サットン

UZさん

阪神は大震災と難波乗り入れという大きな出来事で変化を余儀なくされましたが、梅田駅は何れの影響も少なかったのでコントラストが生じたんじゃないでしょうか。でも、大阪神ビルの改築は大きく影響しそうですね。
by サットン (2013-06-23 10:31) 

サットン

undoさん

阪急に比べ阪神の百貨店へのアクセスの良さは確かに抜群ですね。B2の食堂街は店によっては電車を愛でながら食事を摂れるのも嬉しいところです。
なるほど。西側改札口からだと大阪駅へもスムースに乗り継げますね。阪神も積極的にPRすれば良いのに、と思います。
by サットン (2013-06-23 10:41) 

あおたけ

JR大阪駅からは、慣れると地下街で簡単に到達できるであろう
阪神梅田駅ですが、私は今だにそのルートが不安で、
つい、いったん表へ出て、連絡橋(デッキ)を渡ってしまいます(^^;)
それにしても、阪神梅田の頭端式ホームに停車中の阪神兄弟、
昔の赤胴、青胴に比べると、色が軽やかになったなぁ・・・って
印象を受けます。しばらく、阪神に乗っていないもので…(^^;)
by あおたけ (2013-06-24 22:47) 

京葉帝都

正面の改札から行き止りホームに停車している電車の光景にはときめきます。阪神の運転士さんは今でも終着駅では停車の直前に立った状態でブレーキ操作を行なっているのでしょうか。
阪神百貨店の地下の食品売場は店鋪の配置や商品の並べ方、お客さんの動線がユニークで、関連する業界の方々が見学に訪れたことがあった、と聞いています。改築後は百貨店を取り巻く環境はかなり変わってきていると思います。

by 京葉帝都 (2013-06-25 12:35) 

サットン

あおたけさん

大阪駅周辺の人の流れは圧倒的に地下街に集中していますので混雑も激しく雨天でなければ地上ルートの選択は賢明かも知れませんね。
阪神は私もなかなか乗る機会がありませんが、たまに訪れるとその変貌振りに驚かされます。一昔前とは顔もカラーもすっかり変わっていますから。
10年後には今回ご紹介したシーンもガラリと変わっていると思いますよ。
by サットン (2013-06-25 19:12) 

サットン

京葉帝都さん

改札口を挟んでこれから乗る電車とご対面。ターミナルならではのワクワクする瞬間ですね。
阪神の運転士さんの動作は独特なものでしたが、今回は確認しておりません。おそらく継続していると思うんですが。
阪神百貨店は「食の阪神」で他店との差別化を図っているようです。
確かに新本店がオープンする10年後には百貨店という業態がどうなっているか予想もつきませんね。
by サットン (2013-06-25 19:25) 

Cedar

えー!阪神梅田まで様変わりですか?三宮が変わってしまってガッカリしたのに~福島付近が地下線になる前の見事な左右対称の線路配置が好きでした。

by Cedar (2013-06-25 19:56) 

サットン

Cedarさん

この計画は過去何度か立ち消えていてすっかり狼少年状態でしたが、
ついに本決まりとなったようです。駅部分については未公表のようですが、
上物がすっかり変身する以上梅田駅も劇的な変化が予想されます。
by サットン (2013-06-26 11:26) 

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