SSブログ

ラマダホテル大阪閉館とブログ異変 [ホテル(その他)]

旧東洋ホテルもついに年内閉館へ

6月24日の出来事です。

この日のお昼頃からPCに妙なメールが舞い込み始めました。差出人は某ブログの事務局です。今はこのSo-netブログに腰を落ち着けている私ですが、ここに来るまでは幾つかのブログを渡り歩いており、その中の一つがメールの主である某ブログなのです。
そのメールの内容というのが「○○さんのブログが****回訪問されました」、というアクセス状況を知らせるもので1000アクセスごとに送られて来ます。ブログを閉鎖せずに置いているため今でも細々ながら来訪いただいているようで月に何度か送られて来ておりました。
ところが、この日はその頻度が違うんです。ドンドン送られて来てピーク時にはおよそ5分おきに。つまり、5分おきに1000件のアクセスを記録してるってわけです。あり得ません! 半ば休眠中の弱小ブログがそんなに高頻度でアクセスを受けるなんて考えられないことです。これはブログのカウント機能が壊れたか、はたまたCIAが私の個人情報を暴こうとしているのか? これは某ブログ事務局に通報しなければならない事態かも、と考えていたのであります。

Yahooニュースでラマダ閉館を知る

IMG_5262.jpg
▲年内の閉館を発表したラマダホテル大阪

そんな悶々とした午後のこと。当ブログのサイドバーに貼り付けている「Yahooニュース」のラインナップに「ラマダホテル大阪12月末に閉館」との報を見つけたのであります。
大阪・中津のラマダホテルといえばかつての東洋ホテル。ロイヤルホテル(現リーガロイヤルホテル)、ホテルプラザ(既に閉館)と並んで大阪のホテル御三家と呼ばれた名門ホテルです。今でもラマダというより、東洋ホテルの方が地元では通りが良いかも知れません。
プラザに続いて東洋ホテルも閉館か・・・・。私がホテル業に身を置いて以来30年近く、この間大阪はホテルの進出が相次ぎ、絶えず「ホテル戦争」、「ホテルラッシュ」の様相を呈して来ました。もちろん、その裏ではひっそりと淘汰されて行くホテルがあるのも当然のこと。しかし、それが東洋ホテルとあってはやはり寂しさも格別です。

東洋ホテルの想ひ出

東洋ホテルは大阪万博を翌年に控えた1969年に開業。16階建ての堂々たる外観に500を超える客室は当時としては御三家を名乗るに十分な風格を備えていました。加えてこのホテルのバックボーンは住友銀行と並び大阪本拠の都銀として関西では抜群の存在感を誇った三和銀行(当時)とあって血筋も申し分のないものでした。クローバーを模した三和銀行のマークにホテルのHを組み合わせたシンボルマークはそんなホテルの生い立ちを誇示しているかのようでした。

lrg_10497522 (300x400).jpg
▲東洋ホテル時代の銘標

そんな東洋ホテルだけに同業者の前には難敵として立ち塞がることもありました。かつて東京で法人セールスを担当していた私も東洋ホテルに悩まされたことは一度や二度ではありませんでした。特に三和銀行系の企業を訪問すると、「うちはねえ『みどり会』のメンバーなんで大阪では東洋さんに泊ることになってまして・・・・」という決め台詞が待っているわけです。ちなみに「みどり会」とは三和銀行系列の企業の親睦組織で、同行のシンボルカラーである緑に由来しているようです。同様の組織として住友系=白水会、三菱系=三金会なんていうのがありましたが、旧財閥の壁を越えた合併が進む今はどうなっているんでしょうか。こんな風に時にホテルは企業グループの象徴的存在にもなるんですなあ。
そんな東洋ホテルも大阪ホテル戦争に疲れたのか2004年には外資系ファンドに身売りし、現在のラマダホテル大阪に看板を架け替えます。当時既に後ろ盾であった三和銀行は東海銀行と合併、UFJ銀行に。みどり会の迎賓館としての役割も終わったのかも知れません。
しかし、ラマダホテルとなってからも積極的な営業が目をひいていました。特に独創的な商品企画力は傑出しており、情報発信力は大阪のホテルでもトップクラスでした。奇抜なイベント、新鮮なメニューなどマスコミにも絶えず取り上げられていたように思います。それだけに今回の閉館発表は残念です。刀折れ矢尽きた、ということなんでしょうか。
報道によると閉館の理由は築後40数年を経た建物の耐震強化など改修費を賄えないためだそうです。客室稼働率は概ね80%であったといいますからホテル業というのが如何に儲けの薄い商売であるかを象徴する話しでもありますね。しかし、この耐震性強化という課題は他のホテルにも重くのしかかりそうです。特に神戸、大阪地区のホテルは阪神淡路大震災でダメージを受けているホテルが少なくありませんので深刻な問題です。

休眠ブログにアクセス集中のわけ

さて、話しはYahooニュースに戻ります。
該当ページを見ていて驚きました。「ラマダ閉館」の関連サイトとして8年前に某ブログにアップしていた記事にリンクが張られているのです。某ブログ事務局から頻々と送られて来るアクセス状況通知メールの元凶はここにあったようです。それにしても凄い数です! 24日の昼頃から日付が変わるまでに受け取った通知メールは32件。1000アクセスごとの通知ですから、なんと半日で32000件のアクセスを記録したわけです。10年近くブロガーをやっていますが、もちろん初めての経験です。これまでも偶々テレビ番組の内容と重なったことなどで一時的にアクセスが伸びることはありましたが、今回は正しく桁違い。幸いにしてワケのわからないコメントもありませんでしたが、正に休眠ブログが突然火を吹き上げたかのようです。それにしても怖ろしいのはYahooニュースの威力です。末端のリンク先までこれほどの波が来るんですからいったいどれほどの閲覧数があるんでしょう。
今となっては当該記事をソネブロに移行しておけばよかったと後悔しきりでありますが、ラマダ効果はこちらにも波及しており「ラマダホテル大阪宿泊記」(2009年4月22日付)にも多数ご来訪いただき、サイドバーのGEOTARGETINGのグラフも6月24日分はピーンと伸びております。ブログというものが日々の時勢を反映するもんだという事をあらためて実感した1日となったのでした。

そんなわけで今日は私の思い出話と、ちょっと自慢めいた話に長々とお付き合いいただくこととなりました。最後までご清聴いただきありがとうございました。


 


nice!(26)  コメント(16)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 26

コメント 16

Lionbass

ラマダ大阪に泊まったことあります。
出張の際、ネットで探して、安い割に便利そうだったので。
部屋はイマイチでしたが、まあリーズナブルだと思いました。
残念ですが仕方ないんでしょうね…。
by Lionbass (2013-06-25 19:10) 

Cedar

私も出張で何回か泊まりました。
大阪らしさをちょっと感じる宿でしたね。
by Cedar (2013-06-25 19:48) 

yogawa隼

大分東洋ホテルなら、数回宿泊したことが有ります。
JAL系だと聞いていましたが、今ググってみると名称が変更になっていました。

商品展示会が大分東洋ホテルで年2回開催され、打ち上げの飲み会が1Fのバイキングレストランで行われていたのです。
ポピュラーなビジホが常宿でしたが、タクシー代を考えると、やや高額ながら大分東洋ホテルに宿泊していました。
by yogawa隼 (2013-06-25 22:47) 

suzuran6

昔、30年近く前、勤務している会社に大阪の事業所がまだ無かった頃、東京から出張で月の8割を大阪でホテルを利用していました。ほとんどは中津の三井アーバン 、雨が降っていても大丈夫でしたから・・・また、ホテルの前には駐車場のスロープを利用した『らいよはうす』があり夜食もOKでしたが、気分を変える為にも『東洋ホテル』も時々利用しました。
懐かしいです。無くなっちゃうんですね。
by suzuran6 (2013-06-25 23:03) 

サットン

Lionbassさん

御堂筋線の駅直結という立地は大阪でのビジネスユースという点ではポイント高いですね。
ハード面は比較的コマメにリニューアルを繰り返していたようですが、客室の狭さだけはどうにも仕方がなかったんでしょう。それが安売りにつながり薄利多売の状況になってしまったのかも知れませんね。
by サットン (2013-06-26 11:39) 

サットン

Cedarさん

梅田から一駅離れた中津という立地が大阪らしさを演出したのかも知れませんね。ラマダに変ってムードが変化したようにも感じましたが。                                    
by サットン (2013-06-26 11:46) 

サットン

yogawa隼さん

大分東洋ホテル、今はレンブラントホテルを名乗っているんですね。馴染みのないブランドですが、鹿児島東急ホテルもこのブランドに変っているようです。いい勉強になりました。
大分東洋は駅裏という立地が気になっていましたが、大分駅から徒歩10分程度で行けるのならワンランク上のホテルという選択もアリですね。客室もビジホと比べて広そうですし。
by サットン (2013-06-26 12:30) 

サットン

suzuran6さん

月のうち8割をホテルで!これはホテル屋は足を向けて眠れませんね。
三井アーバンもホテルコムズにブランド変更してしばらく経ちますが、ビジネスホテルのパイオニア的存在でしたね。
この中津、中崎町界隈は今や人気のグルメエリアとしてもてはやされるようになりました。
このホテルを引き受けようという先は現れないでしょうねえ。おそらく取り壊されるんじゃないかと。
by サットン (2013-06-26 12:45) 

nozzy

わたしのところでは、Wikipediaからリンクを張られた記事があり、そちらからお越しになる方も日に何人かいらっしゃるようになったのですが、ネタがマイナーなので1000件以上なんて爆発的な伸びは記録されていません。

サットンさんのように多くの方が興味を持つ記事が書けるような情報力は敬服いたします。
by nozzy (2013-06-27 01:34) 

サットン

nozzyさん

今回の異変には甚だ驚きましたが、ことの本質は8年前に自分への備忘録としてアップしていた記事が、その後の成り行きでたまたまスポットを当てられたに過ぎないようです。いわゆるブログ炎上って事態もこんな風にして起こるのかなと思うとちょっと背筋が寒くなりました。
wikiからのリンクって凄いですね! 記事のクオリティが認められたってことじゃないでしょうか。
by サットン (2013-06-27 11:42) 

京葉帝都

稼動率80%で閉館とは。耐震化の圧力はスクラップ&ビルドを促しているのも事実です。事業をやめるのなら良い状態でクローズしたほうが後々の影響が軽く済む、と言われています。
東京ではホテル西洋銀座が5月末で閉館しました。ハリウッド俳優たちにも利用されてきたのですが。時代は完全に変わりました。

by 京葉帝都 (2013-07-03 15:08) 

サットン

京葉帝都さん

返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
80%で閉館って確かに不思議ですよね。恒常的に安売りをしていたのでしょうね。いわゆる豊作貧乏とでも言いましょうか。もっと賢い商売をすれば、と思いますが、多くのホテル屋は「客室稼働率」の呪縛に掛かっていて、これの対前年割れだけは避けようとしているようです。
耐震診断の義務化が決まれば零細業者を中心に廃業が相次ぎそうですね。大手といえどもその結果如何では・・・・。
西洋銀座、バブルの象徴的な存在でした。私もバブル末期食事に行ったことがありましたよ。
by サットン (2013-07-14 11:56) 

ちんくろ2級

東洋ホテルと言えば・・・
東京の銀座にあるホテル西洋も閉めてしまいました。
競争の激しい世界ですから、生き残りが大変なんでしょうねぇ。
by ちんくろ2級 (2013-07-19 12:15) 

サットン

ちんくろ2級さん

登場当時はオールスイートの超高級ホテルと話題を呼んだ西洋銀座も店仕舞してしまいましたね。
ホテル業って利益が薄い割には絶えずリニューアルの為の投資に迫られ、資金が潤沢なパトロンが付いていないと成り立ち難い商売です。
銀座といえば松坂屋も閉店してしまい、私の知っている光景が次々と消えて行きます。
by サットン (2013-07-20 17:15) 

硬券屋

ちわ!お元気ですか?そういえば、客室稼働率の話で思い出したのですが、建物の減価償却さえ終わっていれば客室にかかる経費はアメニティ、シーツ等のランドリー及び掃除の人件費程度でビジネスホテル等では「なんじゃこの値段!」でも利益確保は出来ているそうですよj~
なので、稼働率なんです。シティホテルになるとロビー等も広くその分コスト掛かりますが、ラマダの規模で8割稼働していて廃業とは不思議です。ホテルにもよりけりですが、宿泊プランが多すぎて、客寄せではなく、客が選択に迷うようなホテルも多いですね。明日からは先週と違いまあまあ有名な地方都市に行商です。(しかし、地方の衰退シャッター通りは何とかならんですかねぇ・・・) シャッターを閉じて欲しいのは口数の多いヨメとムスメだけなのですが。
by 硬券屋 (2013-07-21 09:21) 

サットン

硬券屋さん、お暑うございます。

確かに減価償却が済んでいる場合の宿泊商品の原価って○千円程度だそうです。ただし、それは田舎のビジネスホテルや、かつてのプリンスホテルのように改装を念頭に置いていない場合に成立するのではないでしょうか。大阪のような激戦区の場合は改装を済ませた瞬間から商品の劣化が始まりますから改装費用の捻出が深刻な課題だと思います。
加えてラマダ大阪は宴会場、複数のレストランを備えたシティホテルの形態をとっています。宴会場は天井も低く、妙な所に柱があったりと商品競争力を失っているのが痛いですね。
宿泊プランがやたらと多いホテルありますねえ! 根気のない私などその件数を見ただけでパスですわ。特にJAL系のホテルに多く見られるように感じますが、如何でしょう。
by サットン (2013-07-21 11:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0