SSブログ

秋田というと「ホテルハワイ」!・・・だった [ホテル(その他)]

消えたご当地ブランドホテル

お気付きのとおり前回の「リッチモンドホテル秋田駅前宿泊記」のスピンオフ記事であります。

昨年の10月、私は20数年ぶりに秋田の地を踏んだのであります。思えば学生時代から新人ホテル屋としての東京勤務時代には何度となく訪れた町です。そんな秋田も長らくご無沙汰してしまい、秋田新幹線開業以来初めての訪問となりました。
いやあ流石に月日の隔たりを感じさせられました。駅周辺には垢抜けた商業ビルやオフィスビルが建ち並んでいます。文字どおり昔のままの佇まいの緑屋・・・家具店らしい・・・の姿が異様に見えるほどでした。
秋田市内に陣取るホテルも同様でリッチモンドをはじめ、ダイワロイネット、ドーミーイン、東横インなどここ10年ほどに進出したのであろうホテルチェーンが予約サイトの画面を賑わしています。
ここで「ホテルハワイは?」と素朴な疑問が頭をもたげます。そう!秋田のビジネスホテルといえばホテルハワイだったはずです! 秋田市内に3店舗を展開し、客室総数は1000室を超える地方都市としては出色のビジネスホテルでした。駅や列車内の交通広告にも頻繁に出稿しており認知度も抜群でした。私も’89年9月に東北乗りつぶし旅の際に「ホテルハワイ駅前店」に投宿しております。ネットなんてない時代のこと、この強烈な名前のホテルの広告を見て公衆電話から予約したのでした。ところが検索画面にはホテルハワイは現れず。もしや・・・・の予感が。

RIMG0495 (500x333).jpg
▲お濠端に佇むホテルハワイ駅前店・・・・抜け殻です

リッチモンドホテルをチェックアウトし、散歩がてらに千秋公園のお濠端を歩いて秋田駅に向かっていると「ありました!」。白い大きな建物の屋上にはちゃんと「HOTEL HAWAII」のサインも出ています。もしやの予感も杞憂に終ったな、と近付いていくとなんと閉館! 急転直下、悲しみの対面となってしまいました。
旅から帰ってちまちま調べてみると・・・相次ぐ新規ホテルの進出で営業不振に陥り’09年1月に3館とも閉鎖。建物を競売にかけるも入札不調で解体もできない、との事実がわかりました。地方ビジネスホテルの雄も全国チェーンの相次ぐ進出の前にはなす術もなかったようです。

まあ、資金力、集客力に乏しいローカルビジネスホテルが大手チェーンに淘汰されるというのは全国津々浦々で見られる構図ですが、最近は大手チェーン内の世代交代も進んでいるように思います。ビジネスホテルのチェーン展開第一世代を担っていたブランドの退潮です。秋田市内からもワシントンホテル、三井アーバンホテルが撤退したようですが、この2社の撤退は秋田に限ったことではないように思います。他にもサンルートや東急インなど「最近元気ないなあ」と感じるブランドはたくさんありますね。

今回はホテルハワイを話題に取り上げましたが、こうしたご当地ブランドのビジネスホテルが次々に消えていくのは寂しくもあります。北海道のホテルパコは健在なんだろうか?などと思いながらこの記事を書いております。


nice!(32)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 32

コメント 6

nozzy

神奈川県秦野市の鶴巻温泉に大きなホテルがあったのですが、わたしの叔父が働いていて、子どもの頃はホテルの裏方をちらっと見せてもらったりしていたこともありました。
そこも、わたしが高校生になった頃に廃業していて、建物はマンションに変わっていました。
豪華絢爛なホテルで、子供心にも心が躍ったものですが、やはりマンションに変わってしまった姿をみたら哀しくなりました。
by nozzy (2013-11-01 12:30) 

硬券屋

おやおや、三井アーバンも撤退したんですね...ビジネスホテルでは好きなホテルだったのですが。残念です。ホテルは水廻りがあるので改築も難しく、将来の改装改築を見込んだ設計をしていなかった=>老朽化=>新規ホテルの参入=>低価格にての勝負=>経営難=>更なる値下げ=>破綻といった図式でしょうか? ブランド力のないビジネスホテルの今後の戦略はやはり月並みですが特色を出して固定客を掴むしか生き残れないでしょうね。ホテルや旅館は年中利用していますが、本当にもう一度泊まりたい!と思わせる施設は本当に少ないですね。むしろ、会員制度による特典にて引きとめられているのが現状です。ポイントがなくても部屋がそこそこであっても、私の場合は朝食で感動させれば固定客になるのが行商人の私の図式です。シティホテルのチェーンでも会員制度、部屋、朝食の3点が満足できるホテルは少なく、逆にチェーンホテル内のサービスレベルのバラツキさえ感じます。 ホテル業は難しい!

by 硬券屋 (2013-11-02 08:14) 

サットン

nozzyさん

ホテルの裏側をご覧になってしまったんですね! 子供心にも表側との落差に驚かれたのではないでしょうか。この落差が宿泊業界の離職率を押し上げている一因かなと思ったりしています。
廃業したホテルの跡地がマンションにというのはもはや日本の風景ですね。本当にさみしい光景だと思います。このホテルハワイのように廃墟を晒し続けているのも困ったもんですが…。
by サットン (2013-11-04 10:06) 

サットン

硬券屋さん

ホテルヘビーユーザーの貴重なご意見ありがとうございます。
三井アーバン、最近はホテルコムズブランドでチェーン再構築中のようですが、三井ガーデンの陰に隠れてしまっているようですね。
差別化というとやはり食事ということになりますかね。特に外食比率の高い出張族には大きなポイントになるんでしょうね。メニューの表記きっちりしてもらわないと困りますが。
チェーン内でのサービスのバラつきは硬券屋さんが利用されている中級レベル以上のホテルの課題かと。ローコストホテルは今やインもアウトも機械がやってくれますから。
by サットン (2013-11-04 10:52) 

yogawa隼

最近元気のない・・・・、サンルート(広島)に宿泊して実感しました。
部屋には歴史的な高級感を感じますが、エアコンがベッドの枕元にスイッチがある集中方式でした。
暖房・冷房が、リモコンで操作する家庭用に近いものが一般的になりつつあると思います。
それはともかく、ネットで直前予約する時、空きが有る場合が多くて助かります。
チェックイン・アウトの時刻はシティホテルのようで、しかもエコノミー!!
なお、電車通を隔てて、ダイワロイネットがあります。
by yogawa隼 (2013-11-10 20:37) 

サットン

yogawa隼さん

サンルート広島というと開業した時は従来のサンルートよりもワンランク上の設備が話題になり、私も広島でとまってみたいホテルの1つでしたが、その後リニューアルは行われていない様子ですね。
エアコンは築年数が経ったホテルの泣き所なんですよね。更新には多額の費用がかかりますから。苦情が多いのもエアコン絡みだったりします。
by サットン (2013-11-11 19:15) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0