SSブログ

阪急1000系体験乗車 [鉄道の旅]

阪急らしい?、らしくない?

昨年のクリスマス記事で「近いうちに阪急1000系の体験乗車記事を・・・・」と書きましたが、11月28日のデビューから1ヶ月を経た頃、ようやく1000系を捕捉できましたので、私なりの印象をお伝えしようと思います。

◆1000系を追跡せよ!

新車との出会いは偶然でした。十三駅6号線のカットハウス(散髪屋さん・・・まだ髪の毛はあります)からサッパリして出て来た私の視線の先に目新しいサイドビューの車両が停まっていました。間違いなく阪急にとって7年ぶりの新形式車1000系です。各停神戸三宮行きの運用に就いているのでした。ヨッシャ!とばかりに神戸線下りホーム1号線に向かいます。もちろん、当該列車は既に発車しております。後続の特急で追跡しようという魂胆です。特急で後を追うと西宮北口で追い付きますが、はやる気持ちを抑えて神戸三宮まで先回りし、折り返し梅田行となる1000系を待ったのでした。

RIMG0973 (500x375).jpg
▲神戸三宮で1000系捕獲成功

◆初対面の印象は・・・・

精算を済ませ再びホームに立った私の前にやっと1000系が姿を現します。新形式車とはいえ、その顔は8000系~9000系と受け継がれて来た新阪急顔を踏襲しているので強烈なインパクトは感じません。違和感無く受け入れられる柔和な顔といえるかも知れません。敢えて従来車との違いを探せば、LEDを採用したヘッドライトが放つ頼りない光と、アルミの飾りがなくなってマルーン一色となった貫通扉周りの印象でしょうか。

RIMG0983 (500x375).jpg
◆新鮮なサイドビュー

外見上新鮮に感じるのは正面よりもむしろ側面のスタイルかも知れません。ドア間の窓が9000系では従来の阪急スタイルを打破した2連窓を採用したのに対し、1000系では3連窓となっており今までにない印象を受けます。さらに、9000系の特徴だった屋根上のカバーがなくなったので軽快なイメージを受けます。

RIMG0982 (500x375).jpg
▲種別・行先が統合された側面表示機

そして側面で目に付いたのが種別と行先が統合されたLED表示機。2200系での幕式表示機の導入以来、阪急の新車は一貫して種別と行先が個別に表示されていましたが、1000系では統合されたようです。ただし、阪急独特のフォントは引き継がれているようです。LEDというと無骨な字体が多いように感じますが、阪急の丸味を帯びた字体は好感を持てます。

◆車内を見る

RIMG0974 (500x375).jpg
▲伝統を継承したといわれる車内ですが

それでは乗車してみましょう。
マホガニーの側壁とゴールデンオリーブのシートは一見いつもの阪急電車をアピールしていますが、今までの阪急電車にはなかったものが! 

RIMG0978 (250x188).jpgRIMG0984 (250x188).jpg
▲やっぱり気になる大型仕切板

噂には聞いていましたが、シート端の大型仕切板とそこから立ち上がるスタンションポールがやはり目立ちます。安全対策の名の下、各社が採用している装備ですが、応接間のような雰囲気を重視して来た阪急は9000系でも導入を見送りました。ここに来て採用とは阪急独自の判断なのか、それとも監督ご当局のご指導によるものかは不明ですが。まあ、シート中ほどにポールが立ってないのは幸いではあります。あれはシートから立ち上がるときに怖くっていけません。

RIMG0980 (500x375).jpg
▲照明カバーは健在

もう一つ、非常に気になっていたのが阪急のみならず関西の電車の標準装備だった照明カバーです。防火基準の強化などで各社が省略し始め、もしや阪急も照明剥き出しの不細工な姿に、と心配しておりました。この点はマスコミ、個人ブログからも明確な情報はなく(写真では有るようにも無いようにも見える)、この眼で確かめるよりありませんでした。結果は健在でした。ただ、従来のように立体的なデザインではなく、天井面とツライチになっていて何だか安っぽい。LED化と関係があるんでしょうか?
あまり目立ちませんが、荷物棚のデザインも一新されています。

RIMG0976 (250x188).jpgRIMG0979 (250x188).jpg
◆噂の32インチハーフサイズLCD表示機

最近の電車ではすっかりお馴染みになったドア上部のLCDモニターですが、1000系では従来2台のモニターに分割されていたものが32インチの大型サイズ1台に改められました。停車中は全面を列車情報表示とし、走行中は画面を分割して沿線情報などもあわせて表示されます。

RIMG0986 (250x188).jpgRIMG0985 (250x188).jpg
▲新車PR一色の車内

車内の広告枠は中吊、額面ともに1000系のPRポスターで埋め尽くされています。3月31日までの措置だとか。梅田駅での出発式のスケジュールを事前に公表するなどこの新車に賭ける阪急の期待の大きさが窺えます。9000系を凌ぐ大量増備で阪急のニュースタンダードとなるのかも知れません。

◆最大の売りは静かさかも

RIMG0987 (500x375).jpg
▲新世代の阪急電車が
三複線を行く

梅田に向かって発車します。
阪急のHPによると、1000系の開発コンセプトは「静かさと省エネルギー性能の追求」とのこと。私はM車(1650)に乗車しましたが、確かに静かです。9000系の電動車と比較して騒音レベルを40%も抑えた、というだけのことはあります。密封構造のモータを採用した結果だとか。ただ、発車時に聞こえる「コーーーー」という低い音が気になりました。従来車では聞かれない音です。

RIMG0989 (500x375).jpg
▲鉄子さんも注目(中津)

スピードが乗ってくると今までの阪急電車と変りはありません。シートの掛け心地も従来どおり。最近流行のお仕着せがましいバケットシートじゃないのも私は好きです。
3連窓は中央のみが固定窓。ピラーは外から見るより目立っています。なお、パワーウインドウは省略されたようです。

十三を発車すると、偶然数日前に宝塚線に投入されたばかりの第2編成1001Fと並んで梅田に向かうことに。京都線には9300系の特急が並走という新世代車両の競演シーンが実現しました。中津駅でカメラを構えていた鉄子さんも良いカットが撮れたんじゃないでしょうか。

◆車両番号の謎

RIMG0991 (500x375).jpg
▲Tcなのに1100って?

さて、この1000系ですが、大きな謎が隠されております。それは車両番号のルールが従来と違っているという点です。従来阪急の車番は大雑把に基本番号(今回は1000)は梅田側のMcに与えられ反対側のMcはプラス100、中間のMがプラス500、Tc・Tは各々Mc・Mにプラス50という具合でした。
ところが、1000系はこの原則に合致しません。1000系は両端にMcではなくTcを配していますが、車番は1000、1100を名乗っていますし、私が今回乗車した1650もTではなくMでした。付番ルールに大幅な変更があったのでしょうか。

RIMG0992 (500x375).jpg
▲梅田駅に並んだそっくりさん

梅田に到着しました。
1000系の体験乗車はなんとなく特急ですっ飛ばすシーンを妄想していましたが、そこは高速路線の神戸線、各停でも駅間では高速運転を楽しめました。むしろメリハリのきいた走りっぷりは各停ならではかも知れませんね。
隣のホームには7000系リニューアル車が並びました。1000系のパースが発表されて以来、顔がそっくり、といわれて来た相手です。実車を見てもそっくりですね。

1000系に続いては京都線仕様の1300系が春にもデビューの予定です。例によって電装品が1000系の東芝製に対し東洋電機製になるそうですのでまた違った走行音を楽しめるかも知れません。

☆阪急電鉄1000系スペシャルサイト http://rail.hankyu.co.jp/hankyu1000/index.html


nice!(32)  コメント(20)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 32

コメント 20

suzuran6

ご無沙汰してしまいました。
今年も宜しくお願いいたします。
阪急の車両です。ちゃんと塗装してある車両はいいですね。

室内照明のカバーですが、最近西武の30000系の増備車に乗りましたがこの車両からLEDに代わり、カバーがついておりました。以前の蛍光灯時にはありませんでした。
光の拡散の為なんでしょうかね。
by suzuran6 (2014-01-08 20:08) 

のり

詳細なレポ、ありがとうございます。
気になっていた電車ですが、おかげさまで細部までよくわかりました。
車内の静かな電車が、最近の主流になってきました。でも、逆にあのツリカケの轟音が懐かしかったりします。人間って勝手なものですね。
阪急の1000と申しますと、いまだに「あの電車」のイメージを脱することができずにいますが、1000の番号には、各社とも特別な思いで付与されることが多いですね。
by のり (2014-01-09 07:07) 

まるたろう

1000系の様子はよく分かりました。
あとは、乗った時の運に賭けたいと思います(笑)。
そういえば三線の列車競演、まだ自分は撮れていませんね。
by まるたろう (2014-01-09 08:14) 

あおたけ

新車の1000系、
標識灯にLEDを採用したり、
室内の袖仕切りの形状が変化したりしているものの、
大筋では阪急ならではの伝統を引き継いでいるように思えて、
好感が持てます。
とくにこの豪華・・・というか、シックな内装は、
関東人がたまに乗ると、感動すら覚えます(^^)

by あおたけ (2014-01-09 09:43) 

サットン

suzuran6さん

こちらの方こそご無沙汰してしまいまして。本年もお付き合い願えれば嬉しいです。

近年では安全基準だ、防火基準だと何かとうるさくなり、通勤電車も没個性化が進んでいるように感じますが、1000系は阪急らしさを最大限残した車両だと思います。
西武30000系に照明カバーですか! ワタシ的にはビッグニュースです。
by サットン (2014-01-09 10:20) 

サットン

のりさん

阪急の次世代標準車と目される1000系、如何でしょうか?
最近の車両は静かさをセールスポイントにするケースが増えているようですが、対9000系比40%ダウンとは驚きですね。実は私もたまに国鉄型に乗ると床下で唸るモーター音を懐かしく堪能しております。
1000という字面を見ると初代を思い浮かべますね。その重厚すぎる車体ゆえ、古臭いと毛嫌いしていた子供の頃を思い出します。
by サットン (2014-01-09 10:35) 

サットン

まるたろうさん

数年後には「また1000系に当ったわ・・・」という状態になっているかも知れませんね。
三複線、三線が揃いそうで揃わないもどかしさがまたたまりません。次こそは!とギャンブル的な魅力を感じます。
by サットン (2014-01-09 10:54) 

サットン

あおたけさん

省エネを売りにする1000系はヘッドライトまでLEDを採用しております。照度に問題ないのかなと思いますが、9000系にも改造車が登場しています。
個性派揃いだった関西の電車も最近の車両では画一化の傾向が窺えます。もしや阪急も?と心配しておりましたが、1000系は影響を最小限に抑えたように感じました。なかなか好感の持てる車両ですよ。
by サットン (2014-01-09 11:05) 

京葉帝都

新年のご挨拶が遅れてしまいました。
本年もレポート楽しみにしています。

サットンさんの写真により1000系をじっくりと観察できました。
サイドビューは窓がすっきりしているので
アルミダブルスキン車体でより平滑になったマルーン色が映えています。
阪急車はガラスまわりをアルミの額縁をまわしていてが高級感を出していますが、今回は正面のテールランプの形状と額縁のデザイン処理に魅せられました。運転室、車掌室、貫通扉の窓と絶妙なバランスを保っています。正面は全体的には丸いHMがないと引き締まらないので、頻繁にHMを掲げていくのではないでしょうか。


by 京葉帝都 (2014-01-09 14:56) 

nozzy

鉄ではない知人もFacebookで乗車体験を語っていましたが、あんまり静かで驚いたそうです。

近江鉄道の新型も静かになって、もう「がちゃこん」の愛称は返上しなければならないかもしれません。
by nozzy (2014-01-09 17:35) 

サットン

京葉帝都さん

今年もまたお付き合いいただければ幸いです。不定期更新になりますが、よろしくお願いいたします。

最近の阪急マルーンは従来にも増して輝きを放っており阪急ファンとしては嬉しい限りです。そのマルーンを引き立てているのがおっしゃるとおりアルミの窓枠ですね。
ご指摘のテールランプのデザインですが、下辺のカーブとフロントガラス上辺のカーブを合わせているのが1000系の正面デザインの肝なんだそうです。確かにノッペリした印象ですが、飽きのこない醤油顔なのかなと思っています。
by サットン (2014-01-09 18:08) 

サットン

nozzyさん

関西の乗客は一般人でも電車にはうるさいですからねえ。電鉄会社も下手な電車を送り出せないのかも知れません。
床下からモーターの唸りや、コンプレッサーの音が響いてくる電車も少なくなりつつありますね。大阪環状線も数年以内に置き換えが始まるそうですし。
by サットン (2014-01-09 18:22) 

やまびこ3

お正月どのようにお過ごしだったでしょうか。
阪急の電車の番号も1000に戻ったのですね。
このあたり、小田急の後を追いかけているようで面白い。(小田急は特急車は5桁になりましたが)
デビューのヘッドマーク付きで運転してくれるのはうれしいですね。
by やまびこ3 (2014-01-09 22:48) 

サットン

やまびこ3さん

新形式は2代目1000を名乗ることになりました。先代は重々しくってどうも好きになれませんでしたが、1000というのは収まりが良くって好感を持てます。間もなく2000番代も空きそうですし・・・。
お正月は元日に初詣に出かけた後発熱してしまい寝正月でした。新年の乗り初めもまだです。
by サットン (2014-01-10 10:59) 

Cedar

今年もよろしくお願いします。
阪急の新車=関東鉄から見ると、まずは昆虫顔やアニメ顔でない落ち着いた顔つきなのが良い、というか羨ましいです~扉が真ん中にあるだけでもホッとしちゃうんですから…。



by Cedar (2014-01-11 07:40) 

サットン

Cedarさん

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いいたします。

1000系の顔はずいぶんおとなしいデザインになりました。全体的に9000系と較べても余計なものを削ぎ落としたという印象です。その辺りからも量産を見据えた車両なのかなと感じます。
by サットン (2014-01-12 12:32) 

ホタルの館

新年明けましておめでとうございます。
挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いします。
ほとんどBlog更新をしていない中、私のことを覚えてくださっていて、有り難うございます。

さて阪急1000系ですが、昨年の6月に報道発表があった時から注目しておりました。
ファンクラブに入っているため、デビュー前の試乗会の葉書も送られてきましたよ。
結局行かなかったんですけどもねぇ(笑)
最近は阪急電車に乗る機会も減り、まだ乗車できていません。
2014年3月末には京都線版も登場するとのことで、地下鉄堺筋線にも乗り入れるということであれば、乗る機会ができそうなのですが・・・。
by ホタルの館 (2014-01-13 15:33) 

サットン

ホタルの館さん

お久し振りです。本年もよろしくお願いいたします。
当ブログもすっかり更新頻度が落ちてしまって・・・今年は挽回すべく頑張ります。

この1000系ですが、阪急もPRに力を入れているようですね。6300系以来の張り切りように感じます。1300系も遠からず堺筋線に乗り入れるんじゃないでしょうか。今後の阪急を背負って立つ期待の新車ですから。
by サットン (2014-01-13 19:10) 

takechan

サットンさん、先日は訪問、コメントありがとうございます。
阪急の車輛、今月のDJ誌でも特集されてますが、
どの系列も同じ色なので、私には見分けがつきません。
これだけ、同じ色を徹底して踏襲してる鉄道会社って、
ほかにないですよね。
by takechan (2014-01-17 20:48) 

サットン

takechanさん

関西の同業他社が次々と新色を採用する中、阪急は頑固にマルーンに拘っています。数代前の社長のとき塗色変更構想を打ち上げましたが、社内外から猛反発を喰らって撤回したなんていう話もあったりします。
ステンレス剥き出しの電車も見分け難いんじゃないかなと・・・・。
by サットン (2014-01-19 13:35) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0