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西山天王山駅と高速長岡京BS [鉄道の旅]

電車とバスが出逢う駅

西山天王山駅は阪急電鉄京都線大山崎―長岡天神間に昨年(2013年)12月21日に新設されました。京都府長岡京市南部に位置し、1日当りの乗降客は7900人を見込んでいます。京都縦貫自動車道との交差地点に設置されたため縦貫道を経由する高速バスとのリンクを売りにしております。

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▲東口駅舎 頭上には京都縦貫道が

京阪淀駅から駅開業に合わせて新設された路線バス(>こちら)に乗って来た私を迎えてくれたのは巨大な高架橋と、その下に佇む真新しい駅舎。新設駅にしては存在感のある和モダンの駅舎、高速道路に負けじと頑張ったんでしょうね。改札口を挟んでラガールショップ(売店)と長岡京市観光案内所が設置されています。観光案内って天王山でも案内するのかな?
なお、建設費20億円のうち半分は市が負担とのこと。それでこんなに長い駅名になったのでしょうか。

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▲タッチパネルでご案内

路線バスも発着する駅前広場にはタッチパネル式の市総合案内も。公共施設や観光案内など6つの項目を日・英・中・韓の4ヶ国語で案内してくれます。新駅に賭ける長岡京市の意気込みを感じます。

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▲上りホームの準急河原町行き

駅の構造は単純な相対式ホーム2面2線。京都寄りの上空を縦貫道の高架が横切ります。

近年京都線では、洛西口(2003年)、摂津市(2010年)と新駅設置が相次いでいます。

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▲駅名標 駅番号はHK46

駅名標は自立式が主体。時刻表、路線図などの情報も集約して表示されています。阪急の駅名標はかな文字メインで表示されていますが、流石に10文字ともなれば長いですね。駅名が長くなったので駅ナンバリングを導入したってわけじゃないでしょうけど。

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▲下り線の準急梅田行き

上の駅名標と同じく自立式ではありますが、縦横比率が異なったデザインです。

大山崎から2.5km、長岡天神から1.5kmの地点です。

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▲発車標は阪急標準タイプ

準急停車駅といえば聞こえが良いのですが、デイタイムの大阪方面からの各停は高槻市で折り返すため高槻市以西は準急が各駅に停車するダイヤです。従ってデイタイムにこの駅に発着するのは準急ばかりです。

このとおり駅自体はごくオーソドックスな造りです。


◆京都縦貫道直結とはいうけれど・・・・

この駅の特徴は前述のとおり高速道路とのリンクにあります。郊外から京都市街にクルマで向かう場合、この駅に設置された駐車場にクルマを停め、混雑する市街へは電車でどうぞ、というパーク&ライドの拠点として期待されています。
さらに縦貫道に設置された「高速長岡京BS」と直結することで電車と高速バスとの連繋を図るとのこと。私としてはこちらの方に興味を惹かれます。

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▲上り方面高速バスのりば

まずは上り方面バス乗り場を覗いて見ましょう。改札口を出て左手のドアを入ると小さな待合室とエレベータホールが。エレベータで3階に上がります。そこには長岡京IC上り線(大山崎JCT方面)入路に面したバス停が。路面もまだ真新しい状態です。

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▲乗り入れているのはわずか9往復

上り方面は、大阪(神戸)発の首都圏方面行き夜行4便(うち1便は週末・休日限定)。阪急バス他とJRバスの運行。
梅田発の信州方面行き昼行4便。阪急バス他の運行。
降車扱いが間人(たいざ)・宮津方面からの1便。丹後海陸交通。
ここを経由するバスのうち約半数が深夜時間帯の発車となりますが、人目の届かないバス停は女性客にとっては不安ではないでしょうか。

15:38発の阪急バス箕輪行きの時間が迫っていますが、利用客の姿はありませんでした。

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▲こちらは下り方面

下り方面も見ておきましょう。こちらは改札を出て右手のエレベータホールから向かいます。IC出路のゲートを出た所に位置します。ちょうど箕輪行きの阪急バスがゲートを出て来ました。この後ぐるりと回って、先程の上りBSに立ち寄り再度縦貫道に入り名神に向かいます。丹海バス以外は名神から1区間寄り道をしてこのBSを経由しているわけですね。

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▲下りの乗車扱いは1便のみ

掲示されている時刻表を見てびっくり! なんと乗車できる便は丹海バスの京都駅前発宮津方面間人行き1便のみ。あとは全て降車扱いです。これじゃ“バスおりば”ですね。
電車と高速バスの結節機能には期待していただけに正直がっかりです。明石海峡大橋の高速舞子BSのような姿をイメージしていたんですが、京都縦貫道は今のところ経由する高速バスの絶対数が少ないようですね。名神を走る路線を引っ張り込むしかないんでしょうか?

◆9月には立命館中・高校が移転

今年9月に京都市内深草から生徒数1700人を擁する立命館中学・高校が当駅から徒歩6分の場所に移転して来るそうです。もちろん当駅が最寄駅となり(JR長岡京駅からは徒歩15分)、生徒の大半がこの駅を利用するものと思われます。
前記事の京阪淀駅からの路線バス開設についても立命から働きかけを行なっていたようです。

京都縦貫道についても現在途切れた状態の丹波IC―京丹波わちIC間が2014年度内に開通する予定となっており、その暁には高速バスも増発されるかも知れません。

こうしてみると、この駅が力を発揮するのはまだまだこれからと言えるでしょう。

◆帰路は2300系準急で 

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▲ベテラン2300系の走りを楽しむ(梅田)

そろそろ引き上げるかなと思っていると、やって来たのは阪急のベテラン2300系。こいつに梅田までじっくり乗って行くことにします。登場後半世紀を数える古豪ですが、マルーンに輝くボディは、そんな古さも感じさせません。車内は流石に内張りの褪色が目立ちますが、走りっぷりは準急運用(通過駅はわずかですが・・・)に就いていても遜色ありません。新鋭1300系のデビューが迫った今、あと何度乗る機会があるでしょうか。


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コメント 8

UZ

阪急だけでなく地元の新駅に対する意気込みを確かに感じました。
高速道路との接続も考慮した駅でしょうが、これからの先行投資の面が強いように思えました。
by UZ (2014-02-10 08:54) 

サットン

UZさん

まさに先行投資というところでしょうね。長岡京市としては交通結節機能を生かした新都心としてこの駅周辺を整備したいんじゃないでしょうか。
問題は高速バスをどこまで誘致できるのかですね。京都縦貫道のルートを見ると需要はあまり期待できないのかなと・・・・。
by サットン (2014-02-10 12:05) 

やまびこ3

電車と高速バスの乗り換えのできるポイントってもっとあってもいいと思うのですが、システムとしてネットを作るのが苦手なこの国では非常に少ないですね。東京の例でいうと東名も中央も住んでいるところと同じ方向に行くのが不便で仕方がありません。小田急線や中央本線か武蔵野線の交差点近くにターミナル化バスストップを作ってくれればいいのにといつも思いますよ。
by やまびこ3 (2014-02-11 07:04) 

サットン

やまびこ3さん

鉄道と高速道路と聞くと昔なら運輸省と建設省の縄張り争いが想像できましたが、国交省になった今でも確執があるんでしょうかね。
京都縦貫道はバスの便数が少なく宝の持ち腐れのように感じます。こういう結節点が名神や中国道にあればと思います。
それでも最近は新しい高速の開通に伴って郊外にバスターミナルを設置する例が出てきましたね。徒歩でのアクセスがイマイチなのが欠点ですが。
by サットン (2014-02-11 11:08) 

ドラもん

松本大阪線はなぜか停まらないんですよね。新しい取り組みに期待です!
by ドラもん (2014-02-14 11:07) 

サットン

ドラもんさん

そうですね。松本、長野便はスルーですね。確かな理由はわかりませんが、京都駅も経由するので2度も名神から寄り道するのを避けたのかも知れません。
まだまだ試行錯誤のようで、当事者である阪急が実験台になっているって感じですね。
by サットン (2014-02-14 13:25) 

硬券屋

元、関西人なので阪急電車の色を見ると懐かしさで一杯です。先日十三駅を利用したのですが、高校生の時はよくホームで立ち食いうどんを食べてました。 次回、取材お願いします。
by 硬券屋 (2014-02-15 10:00) 

サットン

硬券屋さん

寒い時期には阪急そばの誘惑から逃れるのがたいへんですね。十三駅の阪急そばは何時も誘惑に負けた人々で混み合っていますので気の小さい私には取材は無理です。過去の関連記事でご容赦下さい。
http://mirai82.blog.so-net.ne.jp/2012-02-05
>>元関西人・・・老後は雪の降らない大阪に是非お帰り下さい。
by サットン (2014-02-15 17:59) 

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