平成最後の18旅 ②/国鉄型で行く播但線の旅 [鉄道の旅]
桜満開の陰陽連絡線を行く
▲ローカル線の国鉄型といえばコイツ(寺前)
令和の時代にお届けする平成最後の青春18きっぷの旅も新快速Aシートのお試し乗車を済ませ姫路にコマを進めております。(※この記事は平成31年4月9日の乗り鉄記録です)
▲新装なった姫路駅ビル
名物「駅そば」で燃料補給も済ませましたので、ちょっと駅前を散歩してみましょう。10年ぶりに訪れた姫路ですが相変わらず活気を感じます。駅構内は多くの人で混雑し、駅前も内外からの観光客らが行きかいます。民衆駅(←死語)という表現がぴったりだった駅ビルもすっかり装いを改めております。
▲眺望デッキより姫路城を望む
姫路といえばやっぱり世界遺産姫路城でしょう! 駅ビルにはずどーんと天守閣が見渡せる眺望デッキが設けられております。駅前大通りの真正面に世界遺産。これほど豪勢な駅前風景を私は他に知りません。
しかし、残念なことも。写真右側に見える屋上の赤い看板、「ヤマトヤシキ」のものです。「ヤマトヤシキ」? なにそれ?と思われる方も多いでしょう。奇妙な名前ですが、姫路の老舗百貨店です。駅前の山陽百貨店とともに姫路の流通業界を代表する存在でしたが、惜しくも2018年、閉店してしまいました。(加古川店は存続)
▲姫路といえば神姫バス
そして、姫路といえば忘れてならないのが神姫バスです! 姫路市営バスなき今、播州地方の路線バス網を一手に担います。駅前のバスターミナルに次々に雪崩込んでくるオレンジ軍団は姫路のもう一つの顔といっても良いでしょう。
◆播但線5635M(姫路ー寺前)
▲播但線・姫新線は中間改札を抜けて
姫路からはローカル線ムードを求めて播但線で北に進路を取ります。播但線のホームに上がるには姫新線とともに中間改札を通らねばなりません。なにやら隔離されているような感じがします。地平駅時代も播但線は東1番乗り場、姫新線は西1番乗り場という半人前のようなホームに発着していました。ホームに上がると乗り場は長いホームを播但・姫新両線が東西で使い分けるという一風変わった配置になっており1面4線の構成。
▲国鉄型のお出まし
そのホームには13:52発普通列車寺前行きが既に入線しております。車両はもちろん103系の2連。播但線が寺前までとはいえ電化されると聞いたときには驚いたものですが、この103たちもワインレッドを身にまとい、播但線を走ることになるとは思ってもいなかったことでしょう。
大勢の立ち客が出た状態で姫路を発車、姫路城を左手に見て進みます。直流モーターのサウンドが心地良いですなあ。車内も落ち着いた6駅目の溝口までが姫路市内。姫路市もだだっ広くなったものです。車内も車窓もすっかりローカルムードになった14:33電化区間の終点寺前に到着です。
◆播但線「快速」1237D(寺前ー和田山)
▲快速長谷通過号!?
国鉄型の電車、気動車が顔を合わせる寺前から乗り継いだのは快速列車。実は今回の行程を組んでいて初めてその存在を知ったのでした。そもそも閑散区間に快速を設定するメリットがあるのかどうか気になるところではあります。
▲103系に見送られて寺前発車
キハ41単行の快速は14:35寺前発車。車内は各ボックスに1人~2人という乗り具合。この列車にもインバウンド観光客の姿が。私は後部運転台にかぶり付きます。
▲座席の約3割が埋まった車内
さて、快速を名乗るからには主要駅のみ停車するのかと思いきや、通過するのは寺前の発車標に表示されていたとおり長谷のみ。ますます快速列車設定の意義が分からなくなります。それよりもたった一駅のみ通過されてしまう長谷ってどんな駅なんだという興味が膨らみます。きっと山中の秘境駅なのでは・・・・。
▲長谷駅通過の瞬間
寺前を出て一駅、その長谷駅をゆっくりと通過します。交換可能な1面2線の配線の構内が街を見下ろす位置に設けられています。街の規模は想像していたよりもずっと大きく、決して秘境駅などという雰囲気ではありません。
気になる利用者数をwikiで調べると1日の乗車人員は19人(2016年)とあります。非電化区間の他の駅と較べると・・・生野273人、新井(にい)132人、青倉 52人、竹田173人とやはり断トツに少ない。しかし、それだけでわざわざ快速を設定し、通過運転までするでしょうか。なにか深~い事情があるような気もします。
▲沿線は日本遺産に認定
播但線一の難所生野峠を越え滑り込んだ新井では「銀の馬車道・鉱石の道」の日本遺産認定を祝う横断幕が迎えてくれます。地下アイドルギンザンボーイズが活躍する生野銀山、廃墟マニア注目の神子畑(みこばた)選鉱所、一円電車で知られる明延(あけのべ)鉱山などを構成遺産とする銀の馬車道・鉱石の道、是非ゆっくりと訪ねてみたいものです。公共交通ではアクセスが難しいのが難点ですが。
▲はまかぜ4号新井通過
新井では列車交換のため数分停車。単線区間のお楽しみの一つであります。やって来たのは浜坂からの特急はまかぜ4号。今日は3両のコンパクトな編成で運転のようです。
▲竹田駅前には見事な桜が
左手遥か頭上に竹田城跡の石垣を望むと竹田着。古風な駅舎の黒い瓦屋根と満開の桜の古木とのコラボレーションがなんとも見事であります。
▲円山川が近付くと間もなく和田山
右手に円山川の水面が見えるともう終点和田山はすぐです。堤の桜並木も満開であります。地元の人たちでしょうか、桜を見る会開催中。
▲姫路側はハニワ顔
15:29終点和田山着。和田山周辺だけで見ることができる珍車キハ41の独特のマスクと対面しておきましょう。キハ47を両運転台に改造したために生まれたハニワ顔です。無骨ですが、愛嬌のある表情です。
▲桜とキハ
ここ和田山駅でも桜が満開。南側の側線沿いにも見事な桜並木が。
乗り継ぎ時間が9分ありますので下車印をもらおうと改札口を訪ねるも、たった一人の駅員さんは発券作業に懸命の様子。あきらめてホームに下ります。
▲和田山駅の鉄道遺構
ホーム北側に並ぶのはかつての豊岡機関区和田山支区のものとされる給水塔とレンガ造りの車庫。残しているのか、残っているのかわかりませんが、いったい何時までこの状態なのでしょう。
▲福知山にたどり着きました
和田山からは223系2連の上り普通列車で山陰本線を辿ります。山の裾野をくねくねとカーブしながら進む車窓を見ていると、かつてDD51が引く旧型客車に揺られて旅した頃を思い出します。
5駅進むのに46分を要し16:24福知山に到着します。
▲福知山まで来たものの・・・
さて、福知山までやって来ました。相変わらず体調は絶好調!と言いたいところですが、そうは問屋が卸してくれないようです。仕方なく18きっぷの旅は中断します。幸いタイミングよく特急があるようです。
・・・③につづきます。
▲ローカル線の国鉄型といえばコイツ(寺前)
令和の時代にお届けする平成最後の青春18きっぷの旅も新快速Aシートのお試し乗車を済ませ姫路にコマを進めております。(※この記事は平成31年4月9日の乗り鉄記録です)
▲新装なった姫路駅ビル
名物「駅そば」で燃料補給も済ませましたので、ちょっと駅前を散歩してみましょう。10年ぶりに訪れた姫路ですが相変わらず活気を感じます。駅構内は多くの人で混雑し、駅前も内外からの観光客らが行きかいます。民衆駅(←死語)という表現がぴったりだった駅ビルもすっかり装いを改めております。
▲眺望デッキより姫路城を望む
姫路といえばやっぱり世界遺産姫路城でしょう! 駅ビルにはずどーんと天守閣が見渡せる眺望デッキが設けられております。駅前大通りの真正面に世界遺産。これほど豪勢な駅前風景を私は他に知りません。
しかし、残念なことも。写真右側に見える屋上の赤い看板、「ヤマトヤシキ」のものです。「ヤマトヤシキ」? なにそれ?と思われる方も多いでしょう。奇妙な名前ですが、姫路の老舗百貨店です。駅前の山陽百貨店とともに姫路の流通業界を代表する存在でしたが、惜しくも2018年、閉店してしまいました。(加古川店は存続)
▲姫路といえば神姫バス
そして、姫路といえば忘れてならないのが神姫バスです! 姫路市営バスなき今、播州地方の路線バス網を一手に担います。駅前のバスターミナルに次々に雪崩込んでくるオレンジ軍団は姫路のもう一つの顔といっても良いでしょう。
◆播但線5635M(姫路ー寺前)
▲播但線・姫新線は中間改札を抜けて
姫路からはローカル線ムードを求めて播但線で北に進路を取ります。播但線のホームに上がるには姫新線とともに中間改札を通らねばなりません。なにやら隔離されているような感じがします。地平駅時代も播但線は東1番乗り場、姫新線は西1番乗り場という半人前のようなホームに発着していました。ホームに上がると乗り場は長いホームを播但・姫新両線が東西で使い分けるという一風変わった配置になっており1面4線の構成。
▲国鉄型のお出まし
そのホームには13:52発普通列車寺前行きが既に入線しております。車両はもちろん103系の2連。播但線が寺前までとはいえ電化されると聞いたときには驚いたものですが、この103たちもワインレッドを身にまとい、播但線を走ることになるとは思ってもいなかったことでしょう。
大勢の立ち客が出た状態で姫路を発車、姫路城を左手に見て進みます。直流モーターのサウンドが心地良いですなあ。車内も落ち着いた6駅目の溝口までが姫路市内。姫路市もだだっ広くなったものです。車内も車窓もすっかりローカルムードになった14:33電化区間の終点寺前に到着です。
◆播但線「快速」1237D(寺前ー和田山)
▲快速長谷通過号!?
国鉄型の電車、気動車が顔を合わせる寺前から乗り継いだのは快速列車。実は今回の行程を組んでいて初めてその存在を知ったのでした。そもそも閑散区間に快速を設定するメリットがあるのかどうか気になるところではあります。
▲103系に見送られて寺前発車
キハ41単行の快速は14:35寺前発車。車内は各ボックスに1人~2人という乗り具合。この列車にもインバウンド観光客の姿が。私は後部運転台にかぶり付きます。
▲座席の約3割が埋まった車内
さて、快速を名乗るからには主要駅のみ停車するのかと思いきや、通過するのは寺前の発車標に表示されていたとおり長谷のみ。ますます快速列車設定の意義が分からなくなります。それよりもたった一駅のみ通過されてしまう長谷ってどんな駅なんだという興味が膨らみます。きっと山中の秘境駅なのでは・・・・。
▲長谷駅通過の瞬間
寺前を出て一駅、その長谷駅をゆっくりと通過します。交換可能な1面2線の配線の構内が街を見下ろす位置に設けられています。街の規模は想像していたよりもずっと大きく、決して秘境駅などという雰囲気ではありません。
気になる利用者数をwikiで調べると1日の乗車人員は19人(2016年)とあります。非電化区間の他の駅と較べると・・・生野273人、新井(にい)132人、青倉 52人、竹田173人とやはり断トツに少ない。しかし、それだけでわざわざ快速を設定し、通過運転までするでしょうか。なにか深~い事情があるような気もします。
▲沿線は日本遺産に認定
播但線一の難所生野峠を越え滑り込んだ新井では「銀の馬車道・鉱石の道」の日本遺産認定を祝う横断幕が迎えてくれます。地下アイドルギンザンボーイズが活躍する生野銀山、廃墟マニア注目の神子畑(みこばた)選鉱所、一円電車で知られる明延(あけのべ)鉱山などを構成遺産とする銀の馬車道・鉱石の道、是非ゆっくりと訪ねてみたいものです。公共交通ではアクセスが難しいのが難点ですが。
▲はまかぜ4号新井通過
新井では列車交換のため数分停車。単線区間のお楽しみの一つであります。やって来たのは浜坂からの特急はまかぜ4号。今日は3両のコンパクトな編成で運転のようです。
▲竹田駅前には見事な桜が
左手遥か頭上に竹田城跡の石垣を望むと竹田着。古風な駅舎の黒い瓦屋根と満開の桜の古木とのコラボレーションがなんとも見事であります。
▲円山川が近付くと間もなく和田山
右手に円山川の水面が見えるともう終点和田山はすぐです。堤の桜並木も満開であります。地元の人たちでしょうか、桜を見る会開催中。
▲姫路側はハニワ顔
15:29終点和田山着。和田山周辺だけで見ることができる珍車キハ41の独特のマスクと対面しておきましょう。キハ47を両運転台に改造したために生まれたハニワ顔です。無骨ですが、愛嬌のある表情です。
▲桜とキハ
ここ和田山駅でも桜が満開。南側の側線沿いにも見事な桜並木が。
乗り継ぎ時間が9分ありますので下車印をもらおうと改札口を訪ねるも、たった一人の駅員さんは発券作業に懸命の様子。あきらめてホームに下ります。
▲和田山駅の鉄道遺構
ホーム北側に並ぶのはかつての豊岡機関区和田山支区のものとされる給水塔とレンガ造りの車庫。残しているのか、残っているのかわかりませんが、いったい何時までこの状態なのでしょう。
▲福知山にたどり着きました
和田山からは223系2連の上り普通列車で山陰本線を辿ります。山の裾野をくねくねとカーブしながら進む車窓を見ていると、かつてDD51が引く旧型客車に揺られて旅した頃を思い出します。
5駅進むのに46分を要し16:24福知山に到着します。
▲福知山まで来たものの・・・
さて、福知山までやって来ました。相変わらず体調は絶好調!と言いたいところですが、そうは問屋が卸してくれないようです。仕方なく18きっぷの旅は中断します。幸いタイミングよく特急があるようです。
・・・③につづきます。