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乗りつぶし 富山地方鉄道立山線編 2022夏の富山旅⑥ [鉄道の旅]

ニューレッドアローで立山線を踏破!

富山地方鉄道軌道線を乗りつぶした翌日は、地鉄の未踏破線区である立山線と不二越・上滝線を片付けにかかります。まずは立山線から。

◆立山線の「臨時」列車に体験乗車

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▲地鉄に移籍後も昔の名前で・・・

今回、地鉄乗りつぶしに出撃するに当たってはある列車の運転がきっかけの一つになりました。それが7月~10月末まで運転される立山線の「臨時」列車です。電鉄富山ー立山間に1往復設定され、内下り列車については途中2駅のみ停車の速達便なのです。コロナ禍による乗客減少でほぼ壊滅状態に陥ってしまった地鉄の優等列車、そんな中突如として現れた速達列車に興味をひかれたのであります。立山往復に際し各駅停車しか選択肢を与えられていなかったら二の足を踏んでいたかも知れません。

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▲電鉄富山駅のエントランス

平日の立山行き「臨時」の電鉄富山発は9:46,「ホテルヴィスキオ富山」を9:30頃チェックアウトし、駅前広場を横切り電鉄富山駅へ向かいます。立派な構えのエントランスに迎えられコンコースに入りましょう。

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▲今回利用した1日フリーきっぷ

今回の乗りつぶしには地鉄の鉄軌道全線1日乗り放題のフリーきっぷを利用します。¥2600と少々値が張りますが、果たしてモトを取れるでしょうか?
券面のデザインはご覧のとおり鉄分ゼロ。オマケに地鉄時刻表を付けてくれましたが、当然「臨時」は掲載されていません。

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▲発車標も堂々「臨時」表示

この「臨時」、途中停車駅は本線との分岐駅寺田と立山町の中心地に位置する五百石の2駅のみ。かつての特急が岩峅寺、有峰口にも停車していたのに比べても断トツの速達ぶりです。にも拘らず特別料金不要という大盤振る舞いです。
それでは3番乗り場へ急ぎましょう。


◆ニューレッドアローにご対面

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▲にっこり微笑むNRA

その3番乗り場でにっこり笑顔で迎えてくれたのがコイツ。西武鉄道から移籍して来たニューレッドアロー(NRA)こと20020形(旧10000系)です! 西武時代にはご縁のなかったコイツにまさか富山の地で乗車する機会に恵まれるとは嬉しい限りです。

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▲3両編成です

7両編成からコンパクトな3両編成に短縮されていますが、外観はほぼ西武時代のままのようです。


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▲西武時代の車番が

側面には地鉄の車番に隠れるように西武時代の車番が残っています。塗りつぶされていますが、打ち抜き文字なので隠し切れません。ちなみに3両編成の車番は・・・221(10106)+20022(10206)+20021(10102)→立山 ( )は西武当時。

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▲行先標はお手製で

こちらは立山方先頭車。表示幕の「臨時」に加えて、助士席には「臨時 立山行」と表示されたお手製の行先標が掲出されています。立山行の表示幕は用意されていないのでしょうか?

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▲仮ホームに移った1番乗り場

ここで構内下り方に視線を向けると何やら仮設ホームらしきものが見えます。現在電鉄富山駅はJR・あいの風の富山駅に続いて高架化工事が進められており、それに伴うホーム仮移設工事のようです。右側の仮1番乗り場は既に稼働しており、車内には「1番乗り場発の列車をご利用のお客様は時間に余裕をもってお越しください」という主旨の告知が掲出されていました。左手には施工中のホームも見えます。

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▲車内の様子

9:46,立山に向け定時発車。
私は先頭車の進行右側に席を占めます。車内は概ね西武時代のままのようです。座席は向い合わせ(4人ボックス状態)にセットされていますが、回転させることも可能です。

気になる乗り具合ですが3両編成各号車に10人足らずという状態。ガラガラではありますが、大して宣伝も打っていない割にはよく乗っていると思います。中には山登り風の乗客もチラホラ。

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▲セミコンパートメント?

先頭車連結面寄りにはこんなコーナーが。ヴィヴィッドな色合いのシートがロングシート状にセットされており、なにやら特別席といった雰囲気が漂いますが、その正体は優先席でした。元々はトイレがあった場所だそうです。


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▲常願寺川

さて、目を車窓に移しましょう。富山の市街地を抜け越中荏原ー越中三郷間で常願寺川を渡ります。下流域であるこの付近ではゆったりと流れる普通の川ですが、この後立山手前で見せるその表情は全く様相が異なります。

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▲のどかな田園風景が広がる

岩峅寺までの車窓は概ねのどかな田園風景が続きます。
平坦な区間ですが、スピードはさっぱり上がりません。それに速度がおおよそ60㎞/hぐらいになると激しいローリングに見舞われます。お陰で楽しみにしていたNRA名物モーターの美爆音は聞こえず仕舞いでした。

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▲押し寄せるグリーンモンスター

ところが岩峅寺を出た辺りから景色は一変、山の気配が濃くなります。線路際には恐ろしいほどの雑草が押し寄せ線路を呑み込まんばかりです。その様相はまるでグリーンモンスター。こんな所で脱線事故でも起きたらどうしようとあらぬ想像をめぐらしてしまいます。
勾配もきつくなり益々スピードは上がりません。

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▲千垣橋梁で常願寺川を渡る

終点立山も近くなった千垣ー有峰口間で常願寺川を渡ります。高さは40m近くはありそうです。
常願寺川の表情も上流域らしく荒々しい表情を見せます。
こんな険しい車窓が続く立山線ですが、かつて国鉄・JRから特急・急行が乗り入れていた時代があったんですね。今では想像もできませんが。

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▲ゴールを目前にもう一度常願寺川を渡る

さらに立山到着を目前にしてもう一度常願寺川を渡ります。上流域のこの付近では真川の別名で呼ばれることもあるそうです。川面に転がる巨石がこの川の荒々しさを物語ります。上流側には県道43号線の真川大橋が並行しています。

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▲終点立山駅に到着

10:39、立山駅に到着です。電鉄富山からの所要時間53分と普通列車に比べ10分程短縮されています。
ここで気になったことを1点。車内に設置された情報案内装置が「この列車は特急列車です。特急料金が必要です」とのデタラメ情報を終始流していたことです。運行システム上この列車は特急扱いなのでしょうか?

なにはともあれ富山地方鉄道立山線24.2km踏破完了です。

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▲立山駅コンコース

たどり着いた立山駅ですが、斜面に突っ込むような構造でコンクリートで囲まれたホームは薄暗くトンネル駅のようです。
一緒に列車を降りた乗客はすぐにどこかに消えて行ってしまい私一人取り残されます。折り返し時間は約30分、さて、どうしましょう。駅と周辺をざっと探索してみましょうか。

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▲立山ケーブル乗り場

2階は立山・黒部アルペンルートの一角をなす立山ケーブルの駅になります。それにしても人がいません。アルペンルートとの連絡が良くないのかなとも思いましたが、そんな時間帯に地鉄が臨時列車を設定するとも思えません。謎です。

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▲立山駅駅舎

駅の外に出てみます。周囲には宿が点在する程度で人影もありません。

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▲周辺案内図 目立つのは・・・

周辺案内図を見ると宿の他に目立つのは「P」の文字。どうやらアルペンルートをマイカーで訪れた人たちからクルマを預かり代行運転で反対側に回送するサービスに使われる駐車場のようです。
案内図下にある「千寿ケ原」というのは古くからのこの付近の地名で立山駅も開業当初は千寿ケ原駅を名乗っていました。

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▲折り返し待機するNRA

遥々西武からやって来たNRAですが、運が悪いことにコロナ禍とタイミングが重なってしまい出鼻をくじかれます。本来活躍の場になるはずだった特急列車が軒並み廃止に追い込まれ、コイツも稲荷町で無聊をかこつ日々を過ごしていました。それだけに今回の「臨時」列車仕業はコイツにとっては期間限定ながら待ちに待った晴れ舞台になったのではないかと思います。


などと、電車の人生いろいろについて考えながら立山駅を後にするのでありました。


今回の成果

新規踏破区間:富山地方鉄道 立山線(寺田ー立山)24.2km 

富山地方鉄道踏破率:85.517%(63.192%) 
私鉄路線踏破率:51.525%(51.216%)
 ( )は直前のデータ
乗りつぶしオンラインによる集計

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乗りつぶし 富山地方鉄道軌道線編 2022夏の富山旅⑤ [鉄道の旅]

富山市内を行ったり来たり

富山駅前の「ホテルヴィスキオ富山」にチェックインし、暫時休憩の後富山地方鉄道軌道線の乗りつぶしに繰り出します。時間は既に16時を回っていますが、そこは8月、太陽はまだまだ陰りを見せる気配はありません。

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▲富山駅電停に並ぶセントラム(左)とポートラム(右)

ここで、今までの私の軌道線踏破状況を振り返っておきますと・・・いずれも南北直通化前の環状線(電鉄富山駅・エスタ前ー丸の内ー中町ー電鉄富山駅・エスタ前)と富山港線(富山駅北ー岩瀬浜)のみです。
乗りつぶしに着手する前に高架下に設けられた富山駅電停の様子を見てみましょう。

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▲富山駅コンコースから見た軌道線

3面2線の構内は、南富山駅前・環状線・富山大学前・岩瀬浜方面乗り場と降車専用にきちんと分けられており、余所者でも迷うことはなさそうです。

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▲今様のサイン類

サインプランもしっかりしており、共通したデザインでまとめられています。見苦しい野良サイン(紙に書かれた手製の案内表示)も見当たりません。サインプランが完結できている証拠でしょう。


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▲発車標も完備

フルカラーLED式の発車標も設けられていますが、発車時刻の表示がありません。路面電車の泣き所、定時運転に難があるからでしょうか?

富山駅電停、軌道線をコンパクトシティ政策の重要なツールに位置付ける富山市の意気込みが窺える立派なターミナルでした。

それでは電停見物はこの辺にして乗りつぶしにかかりましょう。


◆富山大学前へ
(富山駅16:39ー16:52富山大学前)

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▲8000形で富山大学前へ

作戦は全くの白紙です。まずは乗り場にいた富山大学前行きに乗るとしましょう。車両はシンプルなデザインが好ましい8000形。VVVF制御の現代っ子です。
丸の内から新規踏破区間に乗り入れ神通川を富山大橋で渡ると終点富山大学前に到着です。

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▲お約束の駅名標

隣の電停は、嵐電の「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前」を抜いて、日本一長い駅名となった「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福前(五福末広町)」。駅名標の次駅表示欄にも長々と表示されております。
乗って来た8000形が南富山駅前行きとなってすぐに折り返すようなので、私も富山駅まで引き返します。そのまま終点まで乗って行けばもう一つの未乗区間をつぶせますが、色々な車両に乗ってみたいので。
(富山大学前16:54ー17:10富山駅)


◆南富山駅前へ
(富山駅17:16ー17:38南富山駅前)

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▲南富山駅前へはレトロ電車で

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▲ミトーカワールド全開の車内

その甲斐あって次の南富山駅前行きはオールドタイマー7000形を水戸岡鋭治氏の手によりお色直しした「レトロ電車」に当たりました。車内は床、座席、つり革の持ち手に至るまで木を多用したインテリアに旧型車から流用したとされる照明とミトーカワールドが炸裂しております。加えて座席に沿うようにテーブルまで設置されています。路面電車にテーブルなんて邪魔になるだけやん、と否定的な意見を持っていた私ですが、隣の女子高生はテーブルにノートを広げせっせと宿題を片付けている様子。大先生、流石です!

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▲南富山駅前に到着

オフィスビルやホテルが並ぶ市街地を抜け20分程で南富山駅前に着き中町ー南富山駅前間踏破です。
レトロ電車の外観はこんな感じ。クリームとグリーンのツートンカラーがよく似合います。もちろん大先生お得意のロゴマーク、ロゴタイプもたくさん散りばめられております。

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▲レトロ電車でレトロな街へ

南富山駅周辺は見事なトワイライトゾーンと化しています。まるで昭和40年代にタイムスリップしたかのよう。同年代を生きて来た私にとっては初めてなのに懐かしいと感じる街並みでした。
さて、ここ南富山では地鉄不二越・上滝線に接続しているので、復路はそっちのルートにするかと発車時刻を確かめると当分列車はなさそうなので諦め再び軌道線で戻るとします。


◆南北直通を体感
(南富山駅前17:45-18:12インテック本社前)

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▲折り返しは近未来的なLRVで

帰りの岩瀬浜行きは往路とは打って変わってスマートなセントラムこと9000形。その走りっぷりも実にスマート。滑らかで静かな走りが印象的なLRVであります。

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▲9000形車内

そんなLRVの弱点が低床構造ゆえの客室レイアウトの難しさです。シート配列にも苦労の跡が窺えます。

始発時点ではガラガラだった車内も夕ラッシュとあって進むにつれて乗客を増やし、いつしか立ち客も多数。さて、この列車は岩瀬浜行きということで南北直通を体感できることになります。同時に最後に残った軌道線未乗区間、富山港線延伸部を乗りつぶすことになるわけです。

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▲南北スルーを体感

富山駅では時間調整のためかのんびり数分間停車します。その間に帰宅客を大勢吞み込むと、いよいよ富山駅北側に向け進み始めます。かつての富山駅北電停の位置が特定できないので、どの時点で富山港線延伸部を完乗したのか判断できません。まあ、余裕を持ってインテック本社前まで行けば大丈夫だろうということにします。
18:12、そのインテック本社前で下車し、これにて富山地方鉄道軌道線全線完乗であります。

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▲サントラムで撤収

今回の乗りつぶしでは色々な車両に乗ってみるをサブテーマに掲げました。結果、7000形、8000形、9000形(セントラム)、T100形(サントラム)に乗車できました。TLR0600形(ポートラム)を除く全形式に乗車したことになるわけです。

2時間足らずで首尾よく完了した今回の乗りつぶし、時刻表不要の頻発運転のお陰でストレスなく実行できました。なにより体調が最後まで良好だったのがラッキーでした。


◆おまけ

最後に富山駅前に集う軌道線の電車たちの姿をご紹介いたしましょう。

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▲ベテラン頑張る

最古参7000形です。今も軌道線車両の最多勢力を誇ります。当形式と8000形は富山港線には乗り入れません。

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▲渋い!旧塗装

7000形の旧塗装車です。やはりベテランには渋い色調が似合います。

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▲ポートラム数珠つなぎ

TLR0600形、通称ポートラムが入線待ちで渋滞中。旧富山ライトレール出身の車両です。

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▲白いセントラム

セントラムこと9000形。白・黒・銀の3編成が活躍中。所有者は富山市です。

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▲ホテルヴィスキオ富山8階からの俯瞰

今回宿泊したホテルヴィスキオ富山から軌道線を俯瞰してみました。標準塗装の7000形と銀のセントラムが行き交います。

今回はこれにてお終い。
次号では「話題の列車」で地鉄立山線を乗りつぶします。お楽しみに!


今回の成果

新規踏破区間:富山地方鉄道 軌道線(富山駅ー支線接続点、丸の内ー富山大学前、中町ー南富山駅前、富山駅ー旧富山駅北) 

富山地方鉄道踏破率 63.192%(59.317%) 
私鉄路線踏破率  51.216%(51.163%)
 ( )は直前のデータ
乗りつぶしオンラインによる集計

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高岡駅とあいの風とやま鉄道 2022夏の富山旅④ [鉄道の旅]

特急が来なくなった高岡駅

北陸新幹線開業後の高岡駅の様子が気になっておりました。ご承知のとおり新幹線は高岡駅は通らず市街地の南を通り、新たに新高岡駅を設置することになりました。・・・新幹線を現駅、新駅いずれに誘致するかは市を二分する大論争があったそうです・・・ 同時に高岡駅を通り特急街道と呼ばれた北陸本線は第3セクターに移管されローカル輸送に徹することに。サンダーバード、しらさぎ、はくたか、北越という特急列車群がひっきりなしに発着していた高岡駅に特急が来なくなった・・・。果たして高岡駅はどう変貌したのでしょうか?

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▲明るく、スマートになった高岡駅舎

新幹線が新駅を通るということは高岡駅及び周辺の中心市街地にとっては空洞化という波をかぶることは避けられません。そこで高岡市はテコ入れ策として高岡駅の交通結節機能の強化を打ち出します。地域の交通機関相互の乗り換えをスムーズに行えるよう駅周辺を再整備することで人の流れを活性化しようというわけです。

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▲改札外自由連絡通路

まず、核となるべき駅舎は如何にも昭和の民衆駅然とした旧駅舎から駅ビル「クルン高岡」を併設したスマートな橋上駅舎に改築され、改札外には古城公園口(北口)と瑞龍寺口(南口)を繋ぐ自由連絡通路を備えています。ゆったりとした空間が確保され休憩できるスペースも用意されています。

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▲1Fの待合室

1Fには鉄道利用者だけではなく、万葉線、路線バス利用者も対象としたゆったりとした待合室が設置されています。椅子も十分にあります。待たずに乗れるわけではない地方都市では必要度の高い設備だと思います。
奥には加越能バスが案内所を構え、左手にはご当地キャラのドラえもんの姿が。(高岡名産の銅製品にちなんで赤銅色をしています)。


◆駅ビルに乗り入れた万葉線

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▲駅ビル内に移設された万葉線乗り場

そして結節機能強化の最大の目玉がこれ! 万葉線の駅ビル乗り入れです。これで降雪など荒天時でもストレスなく乗り換えできます。この種の利便性向上策は最近各地の路面電車で見られます。長崎市は新幹線乗り入れに伴う駅前大改造という絶好の機会を棒に振ったようですが。

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▲ドラえもんトラムが発車


◆あいの風とやま鉄道で富山へ

それではJR北陸本線改めあいの風とやま鉄道に乗って次の目的地富山駅に向かうとしましょう。

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▲不思議な発車標

画像の改札口に設置された発車標、これが不思議なんです。右側が真っ黒に写っていますが、実際にはきちんと表示されています。タイミングを変えると今度は左側が真っ黒に。コンデジでもスマホでも同じ結果でした。いったいどうなっているんでしょう?

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▲改札内コンコース

最新デザインらしきサイン類に従ってあいの風とやま鉄道下りホームへと赴きます。

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▲持て余し気味の長いホーム

かつて最長12両編成の特急列車が発着していた長いホームも2両~4両のローカル列車しか来なくなった今では持て余し気味。次の列車を待つ乗客で賑わっているのは2両編成が止まるわずかな部分のみです。

以上、城端線からあいの風とやま鉄道に乗り換える合間に駆け足で見て回った高岡駅。人が少なくなったな、というのが率直な印象です。特急利用客が丸ごと消滅したんですから当然ではありますが。幹線時代の長大なホームと新しいハードを持て余しているようにも見えました。とはいえ、結節機能の強化が図られた点は明るい材料でしょう。願わくば事業者、行政、利用者が一体となって持続可能な地域交通づくりに向け進んで行って欲しいものです。

では、15:06発富山行き447Mで高岡駅を後にします。車両はJR時代からお馴染みの521系2両です。

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▲今日の宿泊地富山に到着

列車は立ち客もちらほら出た状況で高岡を出発、富山に近付くにつれ乗客を増やし最終的にはドア付近に立ち客多数という状況で15:24富山に着きます。


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▲あいの風とやま鉄道の?521系

普通列車とはいいながら特急街道を支えて来た高規格の線路と高性能を誇る521系による胸のすくような豪快な走りっぷりが印象的でした。

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▲あいの風とやま鉄道かと思ったら

さて、高岡から乗って来た列車は疑いもなくあいの風とやま鉄道の列車だと思っていました。ところが帰宅後写真を見返していて車両がIRいしかわ鉄道のものだと気付きました。そうです。あいの風とIRの列車はほとんどが2社に跨って運転されるため両社の車両が入り乱れて走っているのでした。我ながら迂闊なことでした。

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▲富山駅改札内コンコースの発車標

壁面にビルトインされた発車標が珍しいので記録しておきました。

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▲富山に来たことを実感

新幹線開業後の富山駅を訪ねるのは今回が初めて。ですが新駅の外観は各メディアで何度も見ているので初めてとは思えませんでした。

それでは今夜の宿となる「ホテルヴィスキオ富山」にひとまずチェックインし、小休止の後富山地鉄市内線の乗りつぶしに繰り出すとします。

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乗りつぶし 城端線編 2022夏の富山旅③ [鉄道の旅]

12年前のリベンジを果たす

富山県の山奥五箇山から「世界遺産バス」(>>>こちら)に乗り、やって来た城端駅前、時刻は13:00。目的はもちろんJR城端線を乗りつぶすことであります。

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▲きれいに手入れされた城端駅舎

この城端線とはある因縁があります。12年前の夏、富山県下未乗路線踏破作戦を展開中だった私は高岡駅にいました。多くの乗り鉄同様城端線と氷見線をセットで乗りつぶす予定にしておりましたが、うっかり城端線の発車時刻を勘違いしてしまい乗り遅れるという失態を犯してしまいます。結果氷見線のみを乗りつぶし、泣く泣く撤収したのでありました。今日は、いよいよ12年前のリベンジを果たすときが来たのです。少々鼻息も荒くなります。
※氷見線乗りつぶしの様子は >>>こちら

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▲清掃の行き届いた待合室

待合室に入るとかつて駅舎の壁面を飾ったであろう駅名標が迎えてくれます。古い木造駅舎ながら内外ともにきれいにメンテが行き届いており気持ちいい。

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▲乗って残そう城端線

その待合室の一角には指名手配犯のポスターに並んでこんなポスターが。「守ろう私達の足」とありますので、乗って残そう的な趣旨のようです。コロナ禍の煽りで俄かに高まったローカル線存廃論議に危機感を覚えたのでしょうが、城端線はまだ安泰じゃないかと思うんですが。

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▲富山までの乗車券

窓口で富山までの乗車券を求めます。¥960也。これが城端線存続の一助となればいいんですが・・・。

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▲お約束の駅名標と

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▲終端部分を

13:23発の高岡行き340Dは既に入線しており、三々五々乗客が乗り込んでいきます。
いつもは完乗後に紹介している終端部の画像ですが、今回はいきなり登場します。

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▲キハ47登場!

その340Dはいうまでもなくタラコ色のキハ47の2連であります。全国的に見てもその数を減らしているキハ40一族ではありますが、JR西日本管内にはまだゴロゴロしています。

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▲絶賛散水中

線路を見るとレールに散水が行われています。猛暑によるレールの膨張を抑えるためでしょうが、局所的に冷やしたところで効果があるのでしょうか?


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▲砺波平野を行く

列車は定刻に発車、私の乗っている車両は5人程度の入りです。
車窓は砺波平野特有の散居村の風景が展開する長閑な眺めが続きます。

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▲砺波市の代表駅

城端線のほぼ半ば砺波駅に着きます。さすがに砺波市の代表駅というだけあって多くの乗客が乗り込んで来ます。
駅舎も近代的な橋上駅となっています。Wikiによれば1998年改築のこの駅舎は富山県初の橋上駅舎だそうです。

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▲新高岡駅にて

高岡に近づくにつれて車窓は多くのローカル線と共通の風景になり退屈を覚えます。スマホに目を落としているうち到着したのは北陸新幹線乗換駅新高岡。ホームにはこんな掲示が。新幹線乗換駅とはいえ棒線状の城端線ホーム、乗り間違える乗客も少なくないようです。っていうか、この駅新幹線接続駅としてどの程度機能しているのでしょうか?

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▲高岡駅到着

14:17、終点高岡駅に到着、城端線29.9km無事踏破完了です。同時に12年間のモヤモヤも解消です。

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▲肩身の狭そうなJR西の駅名標

ようやく城端線を乗りつぶしたというのに何か違和感を感じます。一つは辿り着いた高岡駅がJRの駅ではなくなっていたこと。もう一つがスケジュールの都合上、終点側から攻めたことが原因のようです。お陰で往復する手間が省けたわけですが。


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▲富山方にはヨンマル達のネグラが

次号は特急列車が来なくなった高岡駅の様子を見てみます。


今回の成果
新規踏破区間 JR西日本 城端線 城端ー高岡 29.9km
JR西日本踏破率 91.771%(91.159%)
JR踏破率    87.749%(87.595%)
         (  )は直前のデータ
         ※「乗りつぶしオンライン」による集計


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能勢電のパタパタが消滅 [鉄道の旅]

山下駅ホームの発車標がLCDに

関東方面では京急に、そして関東の駅に最後に残された京急川崎駅のパタパタ(反転フラップ式発車標)が先日お役ご免となり、ちょっとした騒ぎになっていたようですが、ほぼ時を同じくして能勢電鉄山下駅のホームに設置されていた同社最後のパタパタも静かに役目を終えていました。

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新しい発車標です。全体的な意匠は先代のものを踏襲しています。
山下駅の発車標は改札口、乗り換えコンコースのものが2020年春にLCDに更新されており、ホームのパタパタが消えるのも時間の問題かと思われましたが、ついに先日、2月16日に更新を確認しました。先月(1月)31日に通ったときには気付かなかったので、2月早々に取り替えられたものと思われます。

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山下駅名物の「1号線経由の日生中央行きです」の表示も引き継がれています。

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もちろん多言語対応。といっても英語だけですが。他社には4ヶ国語対応などといった例も見られますが、私は2ヶ国語で十分だと思います。瞬時に視認できることが肝要なこの種の表示、言語が切り替わっているうちにタイミングを逸してしまうのではないでしょうか。
駅番号は英文表記にのみ表示されています。

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こちらは妙見線上りホーム、4号線のもの。
なお、1号線には設置されていません。1号線から発車する営業列車は全て隣の日生中央駅止まりですから必要もないでしょう。

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メーカーはお馴染みの京三製作所。製造銘板の製造年月はちょっと読み取り辛いですが、2022年1月と読めるような。

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最後に在りし日のパタパタの姿を。
長らくのお勤めお疲れさん!

これをもって能勢電から反転フラップ式の発車標は消滅しました。といっても能勢電の駅で発車標が設置されているのは川西能勢口、平野、山下、日生中央の4駅だけですが。

※山下駅改札口、乗り換えコンコースの発車標の様子については本誌2020年4月10日号をご覧ください。>>>コチラ

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初詣 御神体は阪急電車!? [鉄道の旅]

能勢の山奥に佇むマルーンの電車たち

正月三が日もとっくに明けた先日、重い腰を上げ初詣に行って来ました。
(※ゼンティス大阪宿泊記後編は次号で掲載いたします。) 

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▲2022年乗り初めはわが愛車5142F

参拝したのは能勢電鉄妙見線の終点で大阪府最北の駅である妙見口駅から徒歩10分少々(私は20分ほどかかりましたが)の所にある吉川八幡神社です。この神社、鉄道ファン、中でも能勢電・阪急ファンなら一度は参っておきたい神社として知る人ぞ知る存在なんです。

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▲吉川八幡神社本殿

妙見口駅から寒風に吹かれながら坂道を登っていきます。それにしても寒い! 自宅と同じ町内とは思えません。妙見口駅、大阪最北の駅というタイトルは伊達じゃありません。20分ほど歩いてようやく到着。木立に囲まれた厳かな空気漂う境内には私の他親子連れが一組だけと静まり返っています。三が日は賑わったのでしょうね。

さて、この神社が能勢電・阪急ファンの注目を集めている理由がこれです!


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▲阪急550形と能勢電1500系(元阪急2100系)

時系列は前後しますが、神社の参道を登っていくと突然こんな面々が現れます。ちょっとドキッとします。

阪急550形のカットモデルと2100系のこちらもカットモデルといいたいところですが、台車だけホンモノで箱はアスベストの問題もありFRPで再現したコピーなんだそうです。
以下にネットで収集した両車のプロフィールを記しておきます。

◆1552(元阪急2158)
1962年製造/1984年能勢電に譲渡/2016年廃車解体/同年台車部分とFRP製前頭部が吉川八幡神社敷地内に設置される。
◆550
1948年ナニワ工機(後のアルナ工機)初の車両として製造される。主に宝塚線で活躍/1969年引退/引退後アルナ工機で保存されるも同社の分社化等もあり傍系の岐阜県アルナ輸送機用品に前頭部のカットモデルとなり移設/2021年モデルの引き取り先を公募 吉川八幡神社に決定 設置完了。

1552、道理で劣化も見られず綺麗だと思ったらFRP製だったんですね。初詣ヘッドマークもホンモノ同様のものが掲げられています。他にも能勢電・阪急の車両や方向版をモチーフにしたお守りが売られていたりとこの神社と両社のただならぬ関係が窺えます。

以上、一味違った今年の初詣の模様をお届けしました。


※なお、これらの保存車両の管理は「550形保存会」が主体となっており、神社は問い合わせには対応できないそうです。

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おめでとう 2022! [鉄道の旅]


今年はWithコロナでいきます!


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新年明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。


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今年も新春第1号は能勢電、阪急共通初詣ヘッドマークに巻頭を飾ってもらいました。
おなじみ干支のイラスト入りですが、今年の絵柄はトラというよりネコっぽく見えます。


例年なら手軽に撮れる初詣ヘッドマークですが、今年の分は少々苦労しました。装着している編成が明らかに少ないんです。川西能勢口駅で1時間ほど粘りましたが、空振りが続きました。阪急も同様です。
寒いし諦めて帰ろうとしたとき阪急用の3号線に回送電車が入ります、とのこと。やって来たのは阪急平井車庫で検査を受けていた7200系の返却回送列車です。

その回送列車に付いていました、ヘッドマーク!

どうやら、いまだに収束をみせないコロナ禍に遠慮したようです。そういえば今期も能勢電、阪急ともに大晦日の終夜運転は見送りとなりました。

このコロナウイルス、変幻自在で思っていたより手強いようです。もう「コロナ撲滅!」なんて声高に叫ぶのはやめにします。Withコロナです。


◆おまけ
おまけにヘッドマーク大好き能勢電の最新ヘッドマークをご紹介。

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「国鉄前線廃止40周年記念」ヘッドマーク。かつて川西能勢口ー川西国鉄前(福知山線川西池田)間たった一駅間を結んでいた国鉄前線が廃止されて昨年(2021年)12月で40年になるのを記念したもの。例によって下り方(写真▲)と上り方(写真▼)でデザインを違える懲りようです。

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それにしても「廃線」というネガティブな出来事をPRするというのも珍しいですね。
なお、掲出期間は写真の1755Fに1月末まで。引き続き2月~3月までヘッドマークに描かれている51型の塗装を復刻した5124Fに掲出予定です。

今年もこのように能勢電中心の展開になると思いますが、お付き合い願えれば嬉しいです。

タグ:能勢電鉄
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京阪プレミアムカー遅まきながらの体験乗車 [鉄道の旅]

まずは8000系を体験

ずーっと懸案だった京阪特急「プレミアムカー」にやっと乗車して来ました。登場から既に4年が経過しております。
11月のとある平日、スルッとKANSAIバス印ラリーの京都市交通局、京都バスの2社局をやっつけて出町柳へやって来ました。大阪に帰るには京阪特急、京阪特急といえばプレミアムカー、実に自然な流れです。

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▲ようやくのプレミアムカー

16:50頃改札口に出向くと次の特急は16:58発とのこと。窓口でプレミアムカー券を所望すると「1人席か、2人席かどちらが良いか聞かれます」。1人席を希望し料金500円をICOCAで支払おうとすると交通系ICカードは不可とのこと。

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▲豪華絢爛なプレミアムカー乗降口(淀屋橋)

ホームに下りると列車は既に入線済み。プレミアムカー実車と初めての対面を果たします。赤いボディに金箔を貼り付けたような豪華な設えのドア周りに気分は高まり、さらにアテンダントさんの出迎えを受けテンションも最高に。

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▲レシート状のプレミアムカー券

車内に入ると白い天井と黒いシートのコントラストが鮮やかで控えめに散りばめるように使われたゴールドが良いアクセントになっています。大人のムードとでもいうんでしょうか。

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▲ゆったり感は十分過ぎるほど

指定された7C席に着きます。シートはピッチ、幅ともに十分なスペースが確保されています。掛け心地も軟らか過ぎず、しっかりとしたホールド感が良い心地です。このシートの大きな特徴といえるのが左右に大きく張り出したヘッドレストです。着席状態で後方の様子を見ようとすると前傾姿勢をとり通路に顔を出さないと見えないほど。隣席から寝顔を覗かれる心配も無用です。また下手なフットレストがないのも好ましい点。足を投げ出せますから。一方改造車ゆえの欠点として窓とシートの割付が合っていないという点が挙げられていましたが、幸い7C席は特に違和感はありませんでした。

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▲大きく張り出したヘッドレスト

出町柳を5名ほどの乗車で発車し、三条で約15人、祇園四条で10人弱、七条で5人弱の乗車があり全36席の車内は賑わいます。客層はビジネスマン、学生風、母子連れ、おばさんのグループと多様です。指定券を買わずに乗って来た乗客もおり、アテンダントさんも忙しそうです。
七条を出ると途中枚方市で多少の入れ替わりがあった程度で車内も落ち着きます。アテンダントさんも余裕ができたのかグッズ販売に回ります。例によって京橋で半分以上の乗客を降ろし、17:55淀屋橋に到着、約1時間の快適な旅が終わります。もう少し乗っていたかったというのが率直な感想です。

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▲折り返しは全車指定席の「ライナー」


◆案外早く根付いた「指定席」


開業以来特別料金は徴収せず全種別乗車券だけで利用できた京阪にとってプレミアムカーは初めての有料且つ座席指定車となります。長年に亘って定着して来た特急も無料という文化が変化するのに一体どの位の時間を要するのか注目していました。5年、10年・・・。ところが新しい文化は案外早く定着したようです。当初の8000系に加え3000系にもプレミアムカーが導入され、全車指定席の「ライナー」も増発されています。折りしもコロナ禍で密を避けるという風潮も追い風になったのかも知れません。乗客も慣れているようで今回見た限りでは誤って乗ってくる乗客は見かけませんでした。

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▲盛況を示す淀屋橋駅18時台の空席案内


◆新快速Aシートと比較すると

プレミアムカーと、ついつい比較してしまうのが京阪間で競合するJR西日本の新快速に導入された「Aシート」です。こちらは一部を除き先着順の自由席ですが、料金500円とプレミアムカーと同レベル。しかし、設備は特急普通車並とプレミアムカーに大きく水をあけられています。JRの場合グリーン車という上級クラスとの兼ね合いで思い切ったグレードアップは難しいという事情もあるのかも知れません。一方京阪は従来の特急でも優れた接客設備を提供しており、特別料金を徴収する以上はかなりグレードを上げないと差別化が図れません。このあたり、前を向いて座るだけで特別料金を召し上げている某鉄道会社にはない苦労が窺えます。

※新快速Aシート体験乗車については >>コチラ

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▲淀屋橋からは千里中央経由で帰ります(新大阪)

淀屋橋で18時台のプレミアムカー空席情報を見ると先発のライナーは一般席が空いているもののプレミアムカーは満席。次発の特急も満席。その後の特急は△印ですが、発車間際には×に変わるのでしょう。

バス印を2社局記帳し、念願だったプレミアムカー乗車も果たし能勢へと帰ることとします。最近お気に入りの千里中央から阪急バスで箕面のトンネルを抜けるルートを今回も選択。梅田周辺の混雑を回避しつつ帰宅できました。能勢電スマヌ!


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嵐電話題の駅を訪ねる [鉄道の旅]

いろいろと変わっています

スルッとKANSAIバス印ラリーの京都市内2社局を攻略すべく阪急西院駅から京都市交通局の記帳場所である北大路バスターミナルへ向かう途中寄り道したのが北野白梅町。

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▲シンプルに生まれ変わった北野白梅町駅

まず訪ねたのが嵐電北野白梅町駅です。西大路と今出川通りという2大幹線道路の交差する北野白梅町交差点西側に位置する嵐電北野線の始発駅であります。この駅が駅舎改築及び構内配置の大幅変更という大規模なリニューアル工事を受け今年3月に面目を一新したとのこと。大学4年間、この界隈をうろうろしていた私としては是非この目でその変貌ぶりを確かめておきたかったのです。

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▲柱には綺麗な装飾が。内部は待合室

まず駅舎を。小さくて、薄暗かった旧駅舎に比べ新駅舎はシンプルながらスマートな造り。小洒落た待合室も設置されて観光客にも使い勝手が良さそうです。
駅舎の改築に留まらず構内配置も従来の3面2線から2面1線へと大幅に整理されております。

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▲立派な発車標も完備

改札口にはLCD式の発車標も設置されています。しかし、行き先に帷子ノ辻以外の駅名が表示されることって1日に何回あるんでしょう?

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▲市バスFのりばに直結

加えて新駅のウリが交通結節点として市バスとの接続強化が挙げられます。北側ホームに接して市バスFのりばが設けられ、観光客に人気の急行102系統(金閣寺・大徳寺方面)を発着させ電車と市バスの乗り換えを数メートルの移動で実現しています。これにより嵐山方面と金閣寺周辺との回遊性が向上することになります。ただし、この時点ではコロナ禍により急行102系統は運休中でした。


◆日本で2番目に長い駅名を持つ駅へ

それでは次なる話題の駅へと移動します。ただし、電車は使わず歩きます。隣の駅ですから。

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▲日本で2番目に長い駅名とは・・・

嵐電の線路に沿って歩きます。私が学生の頃と比べて学生相手らしいマンションが増えているようです。我々の頃は自宅生以外はほとんど下宿住まいでしたが、最近はマンションが主流のようですね。
さあ、着きました。ここが日本で2番目に長い駅名を持つ駅です。

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▲さて何文字あるでしょう?

昨年3月に「等持院」から改称されたこの駅名(読み仮名26字)、当時は富山地鉄の「富山トヨペット本社前(五福末広町)」停留所(読み仮名24字)を抜いて読み仮名で日本最長の駅名になったものの、今年1月、同停留所が「トヨタモビリティ富山Gスクエア五福(五福末広町)」停留所(読み仮名32字)に改称されたのに伴い最長のタイトルを1年足らずで返上、ただの長い駅名になってしまいました。

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▲地図を付けないと多分迷子になる

この駅名改称以前から嵐電と立命館は北野線の活性化、市バスの混雑緩和などを図るべく関係を強めていましたが、昨年3月、地域社会の発展と人材育成への貢献を主旨とする連携協力協定を締結、その口火を切ったのがこの駅名改称なのだそうです。この協定が実を結び、京都が学生にとって一層居心地の良い町になることを期待します。

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▲レトロ電車(モボ21形)を区切りに寄り道終了

それではバス印ラリーの戦線に復帰しましょう。北野白梅町へ向け再び線路に沿って歩きます。結局今回は嵐電に1円も落としませんでしたね。この穴埋めは次回必ずします。

次号ではバス印ラリー「京都バス」編を予定しております。⇒コチラ

タグ:嵐電 立命館
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昭和60年9月 大阪~鳥取往復鈍行の旅 復路編  [鉄道の旅]

鈍行列車の理想と現実

今から36年前の山陰鈍行列車の旅、往路編(コチラ)に続いて鳥取~大阪への復路編であります。
大阪から鳥取まで鈍行列車と特急「はまかぜ」のワンポイントリリーフで8時間余りかけてやって来たE君と私の二人組みであります。「はまかぜ」ワープのお陰で獲得した1時間10分の折り返し時間もランチタイムに消えてしまい、いよいよ大阪に向け来た道を戻らねばなりません。

鳥取15:00発、米子始発福知山行き鈍行528レに乗ります。DD51の後ろに連なるのは往路の12系とは違い青や茶色の古めかしい雑形客車(略して雑客。旧型客車ともいう)であります。これぞ由緒正しき山陰鈍行の姿ですな。我々も「やっぱり鈍行はコイツやないとな」、とか「12系じゃモノ足りんわ」、と口々にこの古色蒼然たる車両を絶賛するのでありました。

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▲いきなり福部で「あさしお」退避のため小休止

しかし、出発早々我々は現実の厳しさを思い知るのであります。9月とはいえ照り付ける太陽は強烈で車内はうだるような暑さです。追い討ちを掛けるように1駅目の福部で早くも後続の特急「あさしお」退避のため暫く停車です。窓を全開にしたところで停車中は風が入らず灼熱状態に拍車がかかります。「やっぱり12系がよかったなあ」。「冷房車は偉大やなあ」、と手のひらを返したように12系礼賛に転じる軟弱な我々を尻目に涼しげに通り過ぎて行く「あさしお」でありました。
ようやく動き出した528レですが、窓から入る風も熱風と化しており灼熱地獄は続きます。こうなりゃ日が暮れるのをじっと待つしかありません。そんな中通りかかったのが山陰本線随一の名所餘部鉄橋であります。デッキに出て地上45mのスリルを味わいます。こんな体験は雑客の乗客にのみ許された特権といえるでしょう。お陰でちょっと涼しくなったような。

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▲ムシの襲撃をかわしつつの記念撮影(上川口)


豊岡辺りでやっと日が暮れます。ホッとする間もなく次なる試練が我々を襲います。ムシです。全開にした窓から車内の蛍光灯めがけてムシが次々に飛び込んで来るんです。バチンと顔に当たればそこそこ痛い。仕方ないので窓を閉めムシから身を守ります。
そんなこんなで19:38福知山に到着、鈍行修行も一区切りです。

◆二択。山陰本線 or 福知山線
さて、当初の計画ではここから大阪まで山陰本線経由か福知山線経由かそのときの気分で決めようと鷹揚な考え方でしたが、疲労もたまり二人揃って近道である福知山線経由を選択、往路と同じく駅前のマクドで夕食を調達し、20:13発、436Dに乗り込みます。キハ47ですが、今と違ってクーラーなど付いていません。大阪まであと3時間です。

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▲武田尾で「だいせん5号」を待つ

暗闇の中、エンジンの唸りをお供に走り続けようやく武田尾到着。ここで列車行き違いのためしばらく停車します。相手は急行「だいせん5号」。DD51のヘッドライトが闇を切り裂き後には20系客車が連なりゆっくりと通過して行きます。遠ざかるテールライトを見送り車内に戻ります。いやあゴール目前に良いシーンを見せてもらいました。
照明に浮かぶ伊丹空港を左手に見送ると終点大阪はもうすぐ、23:16、17時間27分かけて大阪駅に戻って来ました。この間ほとんど列車に乗り通し。耐久レースのような大阪ー鳥取往復の旅が終わったのでした。二人とも顔もシャツも煤にまみれておりました。

この旅が特に印象に残っているのは、その時期にあるのではないかと思っています。1年半後に国鉄民営化が迫り何かとザワザワしている時期でした。中でも福知山線は翌年11月の国鉄最後のダイヤ改正の目玉である全線電化に向け工事も佳境を迎えるという正に激動の時期に当たっていたからです。加えて私にとって最後の雑客旅だったこと。文中ではボロカスに書いていますが、雑客の旅の独特の雰囲気が大好きでした。全開にした窓から吹き込む風と草いきれの臭い。最後尾のデッキから眺める移り行く風景。停車するとシーンと静まり返る車内。今の鉄道では再現不可能な旅情に溢れていたように思います。こんな風に懐かしむのは齢のせいでしょうかねえ。

前記事に続いて私の昔話にお付合いいただきありがとうございました。コロナ禍で新ネタ探しも難しいということで古いアルバムから写真を引き剥がし、わずかなメモと薄れいく記憶を辿りながら記事にしてみました。従って事実を誤認している箇所もあるかと思いますが、お気付きの点がありましたらコメント欄でご指摘いただければ幸いです。

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