SSブログ

乗りつぶし 可部線編 2022冬の広島遠征③ [鉄道の旅]

広島シティネットワークの成長株を乗りつぶす!

アストラムライン完乗を果たし、大町駅まで戻って来ました。ここでJR可部線と交差するので、私も新たなターゲット目指してここで降りることに。

R0011955.JPG
▲右手がアストラム改札口、左手がJRへ続く歩道橋

大町駅での乗り換えは双方の改札口が屋根付きの歩道橋で直結されており、その距離数十メートル。今日のような悪天候下でもスムーズに乗り換え可能です。それにしても近未来的なアストラムの駅と1面1線の可部線の駅、両者の格差は凄まじいものがあります。それでも可部線の方には今時貴重な売店(セブンイレブン)が営業しており気を吐いております。

R0011957.JPG
▲雪を衝いてレッドウイング到着

このように乗り換え至便な大町駅ではありますが、正直なところ中間駅から乗りつぶしを開始するというのはけじめに欠ける感じがして気分が高まりません。起点である横川か、全列車が始発駅とする広島から始めたかった。

R0011958 (2).JPG
▲12:28 大町を発車

待つこと数分で12:28発あき亀山行の列車が到着します。転換クロスシートが並ぶ車内は空いており、席は選び放題。一路北へと進みます。

R0011959.JPG
▲屋根も山も雪化粧(梅林)

雪景色が続く中、レッドウイングはその性能を持て余すようにのんびり走ります。
大町以遠も沿線には住宅地が張り付き広島市の通勤圏の広さを感じます。

R0011964.JPG
▲かつての終着駅可部 

列車は路線名の由来となり、かつての終着駅でもある可部に到着。敬意を表して窓越しに駅名標を撮影。
ここからは2017年に延長されたというか、復活を遂げた区間に入ります。かつて三段峡まで伸びていた可部線ですが、2003年に可部から先が廃止されます。ところが、沿線住民の熱心な復活運動に加え、宅地開発や地域拠点病院のあき亀山駅前への開設などが重なり、可部~あき亀山間が復活することになりました。

IMG_2091.jpg
▲とりあえず終点あき亀山に到着

この復活劇は一度消えた線路は二度と戻らないといわれる中、正に奇跡の復活として全国的に注目を集めました。
”新線”に踏み出すと「次はコウドホマチガワ」とのアナウンスが。音で聞いただけではどんな漢字を当てるのか見当もつきません。河戸帆待川と書くそうです。

R0011960.JPG
▲あき亀山駅に並ぶレッドウイング

12:52、終点のあき亀山に到着します。ぱらぱらと数人の乗客が下りて行きます。せっかくの奇跡の復活ですが、ちょっと寂しい光景です。

R0011961.JPG
▲お約束の車止め

こうして車止めの写真などを撮っていると可部線完乗!と言いたくなりますが、前述のとおりまだ道半ばです。

R0011963.JPG
▲あき亀山駅駅舎

終着駅とはいえこの駅は無人駅のようです。自動改札を抜け駅前に出てみます。無人駅ながら立派な駅舎を備えていますが、どうやら乗務員の夜間滞泊施設のようです。因みにこの駅の最終電車は23:10発、最終到着電車は0:20着です。
さて、残っている大町ー横川間を退治しなければなりません。13:03、広島行で来た道を引き返します。それではここからが本番のつもりで気合を入れてリスタートしましょう。

R0011965.JPG
▲なにはともあれ可部線完乗

ところが、気合を入れるどころか睡魔に負けてしまい横川への様子はほとんど記憶にありません。横川到着直前に目を覚まし、立ち客も出る中なんとか横川駅ホームに降り立ちました。13:39、可部線15,6km踏破完了です!

R0011967.JPG
▲鉄骨が目を引く横川駅

可部線はJR西日本広島シティネットワークの中でも成長株だそうですが、単線ながら日中でも1時間当たり3本(内1本は緑井折り返し)という高頻度運転がそれを物語っています。奇跡の復活劇も然りです。鉄道の衰退がいわれる今日ですが、まだまだ伸びしろを感じさせる可部線でありました。

続いて広島電鉄の未乗区間をつぶしに掛かり、その後新幹線で大阪に帰る”予定”です。
横川駅前、空は晴れ渡り、雪なんかかけらもありません。



今回の成果

新規踏破区間 JR西日本 可部線 あき亀山ー横川 15.6km
JR西日本踏破率 92.090%(91.771%)
JR踏破率    87.828%(87.749%)
         (  )は直前のデータ
         ※「乗りつぶしオンライン」による集計

nice!(13)  コメント(4) 
共通テーマ:旅行

乗りつぶし アストラムライン編 2022冬の広島遠征② [鉄道の旅]

国内最長の新交通システムを乗りつぶす!

さて、広島遠征2日目であります。今日は夕方の適当な新幹線で大阪に帰るまでは乗りつぶしに徹する予定にしています。この時点での広島周辺の未乗線区はというと、JRが、芸備線広島~三次、福塩線万能倉~塩町、可部線。民鉄が、広島電鉄宇品線末端部、横川線、江波線。アストラムラインとなっています。

R0011941.JPG
▲手始めにアストラムラインから

ところがホテルで目覚めるとなんと雪! ビルの屋根には薄っすら積もっています。天気予報どおりではありますが、まさか温暖な瀬戸内で雪に見舞われるとは・・・。沿線の倒竹等で芸備線、福塩線は列車に遅れが出ているとのこと。これで今日の乗りつぶし対象は広島市近郊路線に絞り込まれました。

R0011936.JPG
▲広電2号線で紙屋町西へ

幸い平常運転中のアストラムラインと途中で交差する可部線をセットでやっつけることに決め、まずはアストラムラインから着手すべく始発駅である本通へ向かいます。本通は広電紙屋町西電停至近ということで広島駅前電停から2号線宮島口行きで進撃。「ぐり-んらいなー」こと3900形に乗り込みます。軽快電車タイプの3車体連接車です。

R0011939.JPG
▲本通駅は地下に 左手には広電本通電停が

アストラムラインとは広島市を筆頭株主とする広島高速交通(株)が運営する新交通システムで、本通ー広域公園前間18.4kmを運行しています。これは新交通システムとしては国内最長となります。さらに広域公園前からJR西広島駅までの延伸が検討されています。

R0011940.JPG
▲本通駅改札口

デイタイムのダイヤは、長楽寺までの区間列車も含めてきっちり10分間隔のパターンダイヤが組まれています。
広島県交通系ICカードPASPYの他、全国交通系ICカード使用可能でICOCAのみチャージ可能となっています。

R0011942.JPG
▲アストラムは地下鉄?

アストラムラインの大きな特徴が新交通システムには珍しい地下区間があること。本通ー新白島間が地下になっています。新交通システムで他に地下区間というと大阪メトロのニュートラム、コスモスクエア付近のわずかな区間しか思い当たりません。そういえば以前某大学の入試問題がきっかけとなってアストラムラインは地下鉄か否かで議論になったことがありましたね。因みに広島高速交通は日本地下鉄協会に加盟しています。

R0011944.JPG
▲スタイリッシュなインテリアにびっくり

それでは10:55発の列車で乗りつぶしスタートです。車内は空いていて私の乗った先頭車は5・6人の入りといったところ。
それにしても斬新なインテリアデザインです。足元まである大型のドアガラス。フリースペースの窓はアストラムラインのシンボルマークである16ドットを模しています。それに白黒ツートンのシートなど全てがスタイリッシュ! 後に調べてわかったんですが、これは2020年から投入が始まった7000系と呼ばれる新型車両なんだそうです。6000系の一択ではなかったんですね。予習不足でした。

R0011945.JPG
▲安東駅の副名称は安田女子大学前

進むにつれて雪は深さを増していきます。ところでこの路線、学校名が副名称になっている駅が目立ちます。画像の安東(やすひがし)駅は安田女子大学前。確かに右手の斜面にキャンパスが見えます。他にも広域公園前駅=修道大学前など6駅に学校名の副名称が付されています。ネーミングライツによるものでしょうか?

R0011953.JPG
▲長楽寺駅下り方の配線(上り列車後部より)

続く上安駅付近ではアストラムラインの高架工事中、橋脚からコンクリート桁が落下、側道のクルマ数台を直撃し15名が亡くなるという惨事の現場を通ります。
さらに進んだ長楽寺は車両基地が置かれ、始終着列車も設定されているアストラムライン運行の要ともいえる駅です。車両基地への入出庫線がデルタ線を構成しているというので見届けようと車窓に注目しましたが、雪で視界が悪いこともあってよくわかりませんでした。


R0011946.JPG
▲終点広域公園前に到着 シートのデザインが映えます

11:32、終点広域公園前に到着、本通を出て37分です。これでアストラムライン18.4km完乗です。

R0011951.JPG
▲サンフレッチェ広島の装飾が目立つ広域公園前駅ホーム

この日は日曜日とあって大学も休校、学生の姿もなく駅構内は人けもなく寒さが募ります。


R0011950.JPG
▲丘の向こうにビッグアーチが

この駅はJリーグ、サンフレッチェ広島のホームスタジアムである広島ビッグアーチの最寄り駅ということでホームからはその頂部を見ることができます。しかし、2024年の完成を目指して新スタジアムの工事が市内中心部で進んでおり完成後はサンフレッチェのホームもそちらに移転するそうです。そうなればアストラムラインの経営にも少なからぬ影響があるのではないでしょうか。

R0011949.JPG
▲本通へ折り返す7000系

R0011949 (2).JPG

▲前頭部を拡大すると

駅を出て初めて7000系の外観を見ることができました。何分にも各駅ともにフルスクリーンのホームドアが設置されているのでホームからはなかなか拝めません。その外観ですが、フロントマスクを見て驚きました。その宇宙船を思わせるデザインが先日実車が公開された大阪メトロ400系と瓜二つじゃありませんか。たまたまなのか何なのか・・・。
さて、駅前には中古車センター以外これといったものは見当たらず、雪もやむ気配はなく、しばらく雪と戯れただけでホームに戻ります。

R0011952.JPG
▲6000系車内

復路12:00発の列車は在来型の6000系、車内のデザインは至ってスタンダード。30年近い時間差があるとはいえ7000系とのあまりの違いは同じ事業者の車両とは思えない程です。

R0011954.JPG
▲大町で次なるターゲットへ

12:18着の大町で次のターゲットを攻略するためアストラムラインとはおさらばします。そのターゲットとは画像右端に見えるJR可部線です。雪はまだやみそうにありません。


今回の成果

新規踏破区間:アストラムライン(広島高速交通)1号線(本通ー広域公園前)18.4km 

アストラムライン踏破率:100.000%(0.00%) 
私鉄路線踏破率:51.961%(51.726%)
 ( )は直前のデータ
乗りつぶしオンラインによる集計



nice!(9)  コメント(6) 
共通テーマ:旅行

大和ミュージアムと鉄のくじら館 ~2022冬の広島遠征① [観光]

雨中の山陽道をひたすら西へ

2023年の三が日も明けましたので昨年暮れの予告どおり(>>>こちら)呉、広島への遠征の模様をお伝えしましょう。予告編と重複しますが、この旅のアウトラインをもう一度記しておきます。
この旅のきっかけは、家人が呉まで日帰りドライブに出掛けるというので片道だけ便乗させてもらい、後は単独行動とし広島市内に移動、乗り鉄に勤しむという内容です。


IMG_2074.jpg
▲山陽自動車道を西へ西へと

出発は何だかんだで8時頃にずれ込み、あいにくの雨の中いつもの新名神に入り高速道路の快適なドライブの始まりです。神戸JCTから山陽道に入り西へ西へと進みます。

IMG_2077.jpg
▲9:44岡山県に入ります

広い兵庫県を横断し9:44、岡山県に入ります。

IMG_2078.jpg
▲瀬戸PAで一休み

10時頃岡山市内の瀬戸PAで一休み。碑には吹田へ149km、下関へ338kmとあります。併設されているセブンイレブンで食料を調達し、10:30出発します。

IMG_2083.jpg
▲12:47呉ICを通過 標識は直進呉市街・広島 左三原・竹原の表示

高屋JCTから東広島呉道に入り12:47、呉ICを通過、13時過ぎ大和ミュージアムに到着しますが、隣接する駐車場は満車。しばらくさまよった後ミュージアム至近の立体駐車場を見つけクルマを放り込みます。雨はまだ止みません。

◆呉海自カレー

少々遅くなりましたが、昼食とします。呉といえば海軍カレーですね。いや、我が国に海軍は存在しませんので呉海自カレーです。

IMG_2085.jpg
▲ハイカラ食堂の潜水艦カレー

呉市内20の飲食店が参画し、それぞれ海上自衛隊呉基地に所属する艦艇からレシピを受け継ぎ提供しています。自分のお気に入りの艦艇のカレーを提供している店を訪ねたいところですが、時間もないので駐車場と同じビル内にある「呉ハイカラ食堂」へ。ここは潜水艦「そうりゅう」とタイアップしており「潜水艦そうりゅうテッパンカレー」が一押しのようですが、あいにく売り切れということでシンプルな「潜水艦カレー」を選びました。なかなかの辛口でした。
それにしてもこの店、店内には軍歌、マーチが流れ、スタッフさんのユニフォームは自衛官のものに類似しているなど独特のムードを醸していました。
呉海自カレー詳細は 呉海自カレー事業者部会HPへ >>>こちら

◆大和ミュージアム


R0011856.JPG
▲いよいよ大和ミュージアムへ

ミリタリームードに浸っている間に雨も上がり、大和ミュージアムへ向かいます。天気も悪いし空いているだろうと予想していましたが、いやいやなかなかの人出です。この日は特別展「海軍を描いた作家」が開催されており迷わず特別展料金を払って見学しました。なにしろかつて貪るように作品を読んだ吉村昭のナマ原稿を拝めるのですから見逃せません。他にも阿川弘之、半藤一利などにスポットを当てた展示は魅力たっぷりでした。

R0011852.JPG
▲大和ミュージアムのシンボル戦艦大和の模型

特別展ですっかり時間を食ってしまい一般展示はざっと流します。館内中央にドカンと鎮座し、カメラの的になっているのは戦艦大和の1/100模型。ミュージアムのシンボルです。

R0011853.JPG
▲ロビーからは建造中のコンテナ船が

ロビーからはガラス越しに呉港の様子が見渡せます。目立っているのはピンクの船体にONEのロゴが入った巨大なコンテナ船です。ONE(Ocean Network Express)は日本の大手海運会社3社のコンテナ部門を統合した組織。ジャパンマリンユナイテッド呉事業所で建造中と思われるこのコンテナ船、おそらく全長300mはあろうかという巨大船です。大和よりデカイ船です。
やっぱり平和な商船を見ている方が私には合っているかな・・・。

◆鉄のくじら館

R0011858.JPG
▲交差点にドカンと潜水艦

舌の根も乾かないうちに続いては鉄のくじら館へ向かいます。大和ミュージアムから徒歩3分ほどの所にあり正式名を海上自衛隊呉史料館を名乗ります。ここの一番のウリが本物の潜水艦です。なんと交差点の角に潜水艦がどっかりと。度肝を抜かれる光景です。

R0011860.JPG
▲潜水艦と信号機、シュールです

呉駅の方から来るとコーナーを曲がってすぐこの光景が視野に飛び込んで来ます。

R0011862.JPG
▲この船の正体は・・・

1986年に就役した海上自衛隊の潜水艦「あきしお」です。2004年に退役後、この地に陸揚げされ展示されているそうです。
基準排水量:2250トン、全長:76.2m、水中速力:20kn/h(約37km/h)、乗員:75名とのこと。

R0011861.JPG
▲艦内も見学できます

入館料は無料で、海上自衛隊の掃海任務などに関する展示の順路途中に潜水艦内が組み込まれております。残念ながら艦内は撮影禁止とのことで写真はありませんが、とにかく狭い。通路など人が行違うのも困難なほどです。乗員居住区は艦長以外は3段ベッドの大部屋でプライバシーなどありません。また、艦内には独特の匂いが染み付いています。よくぞこの空間で何十日も生活できるもんだと潜水艦乗りの強靭な体力と精神力には驚きの他ありません。

◆40年ぶりの呉線で広島へ

鉄のくじら館を出ると既に日も落ちています。呉でのミリ(ミリタリー)活もこの辺で切り上げ呉駅に向かいます。ここで家人と別れ単独行動に移るとともにテツ活開始です。

R0011864s.JPG
▲初めてのレッドウイングでテツ活開始(広島)

18:02発の呉線広島行きに乗ります。車両は言わずと知れたレッドウイングこと227系であります。あっという間に広島地区の國鐵形を一掃した立役者ですが、私は初対面。快適な転換クロスシートに身を預け40年ぶりの呉線を行きますが、日没後とあって往時を偲ぶべくもありません。すれ違うフレートライナーを見て山陽本線に入ったことを知り、18:47今夜の宿泊地広島に到着です。


R0011866s.JPG
▲広島駅に到着

さて、今夜の宿は駅直結のホテル川島を押さえてあります。体も疲れており、一刻も早くチェックインしたいところですが、夕食の調達をしなければなりません。駅弁コーナーを覗くも既に穴子寿司を除いて完売。仕方なくコンコースのセブンイレブンで仕入れ、駅ビル改築工事真最中の構内を抜け這う這うの体でホテルに入ったのでありました。

広島遠征初日はこんなところです。明日は広島周辺の乗りつぶしに勤しむことにします。鉄分満載でお届けしますのでお楽しみに!

nice!(9)  コメント(6) 
共通テーマ:旅行