涼を求めて能勢電の旅 前編 [鉄道の旅]
能勢電鉄創立100周年勝手に記念企画
▲能勢電は今年会社創立100周年です
暑い、暑い!どうしてこんなに毎日暑いのか!どこか近くで涼しそうな所はないものか?
思いついたのが“のせでん”こと能勢電鉄であります。
猪名川渓谷沿いに妙見山に向かって伸びる路線。涼しそうじゃないですか。
それに、今年が100周年でいろいろと企画もあるようで。
ということで7月のある日川西能勢口駅に向かったのでありました。
▲川西能勢口駅
阪急宝塚線と共用する川西能勢口。阪急梅田方面行きと能勢電が同一ホームで乗り換えられる3・4号線は昼間でも賑わっております。梅田行き急行が到着しました。
▲能勢電発車標
基本的なダイヤは、妙見口行きと日生中央行きが各々20分間隔で交互に発車するパターン。分岐駅である山下では区間列車が補完してくれるので本線、日生線ともに実質10分間隔で乗車チャンスが確保されています。
▲日生中央行き1500系4連
それでは日生中央行きで出発しまーす。
▲ワンマン対応の運転台
能勢電の電車は基本的にワンマンです。計器盤の上にワンマン運行システムの操作盤が設置されています。出っ張った部分が外から見えないよう「ワンマン」の表示でカバーしています。
▲♪トンネルだ鉄橋だ・・・♪(平野ー一の鳥居間)
能勢電の路線は大阪近郊とは思えないほどトンネルが連続します。新幹線も真っ青。
これも輸送力増強の努力の跡です。ところどころに旧線の跡が残っています。
▲日生線との分岐駅山下
さて、分岐駅山下に到着しました。ここでしばらく電車見物といきます。
おもしろい光景にも出会いましたのでご紹介します。
まずは構内配線を頭において置いて下さい。左から1号線・・・4号線となります。
1号線:日生線下り(日生中央方面) 2号線:日生線上り 3号線:本線下り(妙見口方面) 4号線:本線上りという分かりやすい使い分けです。
▲100周年記念号(1983~1992Ver.)
まず、2号線に日生中央からの当駅止まりの列車が到着します。
この日は100周年記念復活塗装の1500系2連でした。
▲山下駅での乗り換え風景
続いて3号線には川西能勢口からの妙見口行きが到着。
多くの乗客が2号線の列車に乗り換えます。
▲本線上で折り返し
2号線の列車はそのまま折り返すのかと思いきや下り本線を川西能勢口方向へ逆走して行きます。
しかも、4号線からの川西能勢口行きもほぼ同時発車。
▲折り返して1号線で再び客扱い
本線上で折り返し1号線に入り再度山下からの乗客を乗せ日生中央へと向かいます。
こんなパターン、昔多層立て列車の分割併合時に見たように思いますが、今時の通勤路線では珍しいですね。もっとも、地元の人々にとっては日常の光景なんですが。
▲山下から先は単線に
山下からは妙見口行きに乗り込みます。日生中央は「日生エクスプレス体験乗車」で最近乗っているのでパスします。
山下を出ると急に鄙びた風景になり線路も単線になります。35‰の勾配標も現れます。
▲トンネル内の信号所?
笹部を出て上り勾配を行くとトンネル内で複線に。信号所かなと思うと、さにあらず。
トンネル出口に駅が見えます。
▲光風台駅です
この光風台駅の構内のようです。ここで上下列車が交換するダイヤ。
それにしてもえらい場所にマンションが建っています。
▲やはり、元は信号所でした
これは、100周年記念企画の一環「のせでん昔ギャラリー」光風台駅編です。各駅の名前の由来と昔懐かしい写真で構成されています。
これによると光風台は元々隧道東口信号所を名乗っていたそうです。
この「昔ギャラリー」、なかなか勉強になりますよ。
▲祇園祭ヘッドマークを着けた1700系
蝉時雨を聞きながら、しばらくボーっとしていました。ここまで来てもやはり暑い!
▲終着駅妙見口
20名足らずの乗客を乗せた電車が終着駅妙見口に着きました。
情緒があるとはお世辞にも言えない古ぼけた駅舎と自動改札がミスマッチです。
駅前の茶店も平日とあってか休業の店が目立ちます。その軒先のベンチを借りて自動販売機で水分補給しながら人の流れを観察しているとほとんどが年配のハイカーか試験期間中で帰りの早い高校生でした。
おっと、にわか雨が降り出しました。
ということで、この続きは次回にいたします。
もう一つの100周年記念号もご紹介しますのでお楽しみに!
能勢電は創業100周年なのになにもイベントないなあ。と思っていましたが、トレインマークつけたり、旧塗装車両を走らせたりと、それなりに何かやっているのですね。少し安心しました。
by ファジー (2008-07-23 07:45)
川西能勢口から能勢電鉄の詳しいレポートありがとうございました
益の変貌に驚いたと同時に載せ電鉄がすっかり近代化されたさまを見ることが出来ました。
僕が豊中に居た頃は当時は川西能勢口はたしか地上ホームでポールつきの小さな電車がことことと走っておりました。
当時は車掌のアナウンスも「次は川西能勢口、能勢電車はお乗換えですといってました。ここからさらに阪急のガードをくぐって国鉄福知山線に連絡してました。45年前の出来事ですから当然変わりますよね。
by HIRO (2008-07-23 09:19)
能勢電は塾講時代半年お世話になりました。
毎週月曜、たった1コマのために山下まで通っていました。
(後に2コマ連続運転になりましたが、2コマ目は無償です)
能勢電は鉄橋ありトンネルありで面白い路線ですよね。
朝には阪急直通特急と急行が走るし
夕方は阪急から特急が入ってきますもんね。
能勢電沿線の見所は、妙見山、一庫ダム
現在工事中の三ツ矢サイダー博物館でしょうか。
by Sanohpy (2008-07-23 17:06)
ファジーさん
ご安心下さい!地味ながらも能勢電は頑張っていました。
昔ギャラリーなんてなかなか良いアイデアですね。次回は一駅ずつ辿ってみたくなりました。
by サットン (2008-07-24 10:29)
HIROさん
川西能勢口駅は3面5線の堂々たる高架駅になりました。駅前には阪急百貨店もありますよ。駅を出たところの急カーブも緩和されたとはいえ健在です。(笑)
30年ほど前まで通称国鉄線というのがありましたね。軌道敷きは今も道路になって残っていると思います。
by サットン (2008-07-24 10:35)
Sanohpyさん
本当に乗ってみると驚くほどトンネルが多いですね。
三ツ矢サイダー博物館ができるんですか!おもしろそう。
三ツ矢サイダーについては昔ギャラリーでも取り上げられていますので
後編でご紹介します。
by サットン (2008-07-24 10:40)
皆さんのレポートを読んでいると、またどこかへ出かけたくなります~!
妙見口駅のような感じは、結構好きです。
あと、"本線上で折り返し"のシーンでは、電車よりも線路・・・ダブルスリップスイッチに萌えました(^-^)
by うたに (2008-07-24 12:42)
ダブルスリットスイッチっていうんですか?
あのややこしい分岐器。名前もややこしい。
ホーム延伸に伴って日生中央寄りの渡線が廃止
されたのが原因だそうです。
by サットン (2008-07-25 21:21)