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富山夏の旅 ⑥セントラム体験乗車 [鉄道の旅]

富山の街をぐる~り

さて、宇奈月温泉から富山駅前に戻ってきたのが16;36。大阪に戻るにはそろそろタイムリミットですが、最後に乗っておきたい電車が。そう、昨年12月に開業した富山地鉄富山都心線です。セントラムと言った方が通りが良いかもわかりません。

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▲まずは黒いセントラムで

富山都心線は既存の市内線丸の内ー西町間を結ぶわずか1キロ弱の路線ですが、その果たす役割は重要です。この都心線を介して富山駅前と市中心部の総曲輪(そうがわ)地区との間を環状に電車が走れるようになったのです。これは富山市が標榜するコンパクトシティ理念に基く施策の一環で富山市が建設し、都心線用車両とともに同市が保有、運営を富山地鉄に委託するという公設民営の形態をとっています。この辺については私が能書を並べるよりも富山市の総合サイトVisit Toyamaをご覧いただきましょう。

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▲落ち着いた色調のセントラム車内

さて富山駅前から乗り込んだのは白・黒・銀の3色あるセントラムのうち黒いセントラム、黒センです。なかなかパンチの効いたデザインですが、北陸の冬にどう映るのか気になるところではあります。しかし、車内はというと茶色(オレンジ)ベースでなかなか落ち着いたインテリア。座席の形状もかなり改善のあとが見られ先輩格のアイトラムと比べると進歩が感じられます。
連結面にはメーカー(新潟トランシス)、デザイン担当(GKデザイン)に並んで所有者である富山市のプレートが並んでいます。
乗り心地も静かでスムース、従来の路面電車のイメージを払拭しています。

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▲グランドプラザ前 停留所・サインプランともにモダンなデザイン

都心線の中でも圧倒的に利用者が多いグランドプラザ前で一旦下車します。北陸の百貨店の雄「大和」をキーテナントとする総曲輪フェリオが目の前です。われわれも大和でちょっと買い物を。
この後銀のセントラムに乗って富山駅前に戻ります。銀センは側面にスポレク富山なるイベントのPR装飾を施しています。私の画像ではわかり難いので同行のオヤジ2号が携帯で撮った画像を参考までに。

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▲スポレク富山号

駆け足で眺めた都心線ですが、開業7ヶ月とは思えないほど地域に溶け込んでいる印象を受けました。インフラの評価など簡単にできるものではありませんが、交通弱者も容易に都心にアクセスできる街作りを実践している富山市のリーダーシップは評価に値するのではないでしょうか。人間いつまでもクルマを運転できるとは限りませんからね。


◆帰りもサンダーバード

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▲富山駅は仮営業中

クルマで金沢に戻るオヤジ2号たちとも別れいよいよ富山駅から帰宅の途に就きます。目指すは17:56発のサンダーバード42号。
現在、新幹線乗り入れ工事と在来線の高架化工事が進む富山駅は駅舎も仮設駅舎に移転しての営業です。みどりの窓口も手狭な状況で行列が外にまで伸びています。加えて夏休みとあって慣れない旅行者が多くなかなか列が動きません。やっと発券できたのは発車5分ほど前でした。このシーズン、毎度のことながらヤレヤレです。

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▲帰りのサンダーバードも金沢で8分停車

これまた工事中の仮設ホームまでクランク状の陸橋を渡り自由席におさまったのは発車時間ギリギリでした。
夕暮れ時の北陸本線を大阪へと向かいます。9両編成の車内はガラガラです。金沢で往路の27号同様なぜか8分停車。退屈しのぎにホームに降り写真など撮り車内に戻ると何時の間にやら8割方席が埋まっています。さらに発車時間までにほぼ満席に。さすがに北陸の中心都市金沢です。

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▲天神祭で賑わう大阪駅に到着

立ち客も出た状態で夜の北陸路を突っ走り21:22、天神祭の帰宅客で混雑する大阪に到着し楽しかった夏の旅も幕を下ろします。

今回の富山の旅は準地元民のオヤジ2号のお膳立てもあって思わぬB級グルメの旅ともなりました。メインの乗り物も路面電車あり、無料のフェリーありと多彩な顔ぶれとなり予想以上に楽しめました。
6回にわたって富山の旅にお付き合いいただきありがとうございました。隠れた電車王国富山の魅力を少しでもお伝えできたなら幸いです。


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manamana

富山の壮大な実験、
最終的には地元の活性化まで、うまく成功するといいですね。
by manamana (2010-08-20 06:04) 

まるたろう

富山の鉄道も、路線網としては充実していますね。
お疲れ様でした。
自分としても、また富山に行ってみたいです。
by まるたろう (2010-08-20 07:28) 

む〜さん

 北陸に幾つか集中している路面電車なんですが、見に行きたいと思えども・・・・って状態が続いています。そんなときに、ポートラム、万葉線、富山セントラムの乗車体験記、拝見していくらか気が楽になりました。有難う御座いました。
 富山セントラムの電車、新線と在来線部分の乗り心地の差異は如何だったでしょうか?
by む〜さん (2010-08-20 10:17) 

あさひ

お友達と合流したりしながら旅を楽しんでいる様子が
すご~くよく伝わってきて、
読みながら(いいなーいいなー楽しそうやなー)と
思っていました(^^)
大阪の阪堺線も堺市が支援策を出してきたようなので
これからの動きを注目しています。

by あさひ (2010-08-20 10:36) 

うたに

マイカーに依存しがちな地方の移動手段において、路面電車が新規に開業するというのは、鉄道好きにとって実に心強いです。
富山駅は、在来線も高架化するんですか!
てことは、南北を結んでいる地下通路は使われなくなるのかなぁ。。
by うたに (2010-08-20 13:04) 

ケイ

欧州の路面電車みたいですね。
by ケイ (2010-08-20 19:32) 

あおたけ

セントラム、だいぶ富山の町に溶け込んできましたね。
開業当時は浮いた存在だった「黒いトラム」、今見るとこの色が
いちばんカッコよく見えます。
JR富山駅の不便さは、新幹線開業まで解消されないのでしょうか・・・。
by あおたけ (2010-08-20 20:25) 

のり

富山の市内電車、本当に素敵ですね。見たいなぁ、乗りたいなぁ・・・。
堺にもこれが出来ていたのかなぁ、などと考えると、本当に羨ましいですね。
by のり (2010-08-20 21:25) 

UZ

富山の路面電車、いいですね。地方の公共都市交通が衰退基調にある中での奮闘ぶりは特筆に値しますね。
これから高齢化が加速していく中で本来はこの種の交通機関は大事にすべきなのに、自動車業界や労組の関係もあるのでしょうか(現経産大臣は某大手自動車メーカー労組出身者)、軽視されてますね。非常に遺憾に存じます。

by UZ (2010-08-20 23:05) 

ホタルの館

大阪の阪堺電車にもこういう車両があればな・・。
存続問題が深刻だから無理だと思うけども・・・。
by ホタルの館 (2010-08-20 23:57) 

Cedar

う~~ん、無性に乗りたくなってきました!がんばって欲しいものですね。
しかしメディア等ではもてはやされるLRTも、富山市の後が続かないのはなぜでしょうか?やはり行政のリーダーシップの問題でしょうか?
by Cedar (2010-08-21 00:28) 

undo

市街地中心部を路面電車で活性化させるにはちょうどいい規模の広さ、人口なのかもしれませんね。
わが松江市も市街地LRT化を進めようとしている動きもありますが、街の真ん中が川で分断されており、そもそもの絶対数の少なさ(人口は富山市の半分)を考えると難しそうです。
by undo (2010-08-21 15:36) 

いそしぎ

黒というのは思い切ったような・・・。内装が素敵ですね。
富山の旅の話、楽しかったです。行ってみたいと思いました。
by いそしぎ (2010-08-21 23:26) 

京葉帝都

富山市とその周辺は工業が盛んで特に製薬関連の出荷額はかなり伸びているということで、懐が潤っているせいか、LRTの導入といった思いきった政策が実行できる面があるのかな、と想像しています。
富山市は空襲を受けた後に市街地の再開発を進め、駅前から南方向へ幅広い道路を造り、自動車・バスはこの道路にシフトしました。これにより市内電車の軌道敷は守られました。
射水線が廃止前の一定の時期に市内軌道に乗り入れした実績があるなど、
柔軟な運用を行なう伝統はあります。

by 京葉帝都 (2010-08-22 00:39) 

サットン

manamanaさん

おっしゃるとおりLRTは都市活性化の手段という位置付けのようです。
これが実験に終わらないよう願いたいですね。
by サットン (2010-08-22 13:06) 

サットン

まるたろうさん

富山市周辺の路線網、なかなか密度高いです。その中で100キロを超す路線を展開する地鉄の役割は重要です。廃止するのは簡単ですが、せっかくのインフラ、賢く使って欲しいものです。
by サットン (2010-08-22 13:12) 

サットン

む~さん

ポートラム、アイトラム、セントラムの乗り比べお楽しみいただけましたでしょうか。各線とも地域と共存している様子で頼もしく感じました。
在来線と新線の乗り心地はあまり差がなかったような・・・。万葉線の専用軌道区間も含めて快適でした。それほど速度が出てないからかも知れませんが。
by サットン (2010-08-22 13:26) 

サットン

あさひさん

お楽しみいただけたようで幸いです♪
今回は様々な乗り物、食べ物の他、登場人物も複数にわたりましたので読み辛い点もあったのではと心配しておりました。まあ、本人は楽しかったんですけどね。
堺市の阪堺支援、付け焼刃ではなく腰をすえて取り組んで欲しいものです。

by サットン (2010-08-22 13:33) 

サットン

うたにさん

富山駅周辺は地鉄も含めて高架化されるそうです。そうなればあの地下道もお役御免となるはずですが、廃止されるかどうかは?です。高架になれば地鉄市内線とポートラムも直結されるそうで今から楽しみです!
by サットン (2010-08-22 13:39) 

サットン

ケイさん

この車両はカナダ・ボンバルディア社の設計がベースです。おっしゃるとおり日本離れしたデザインですね。
by サットン (2010-08-22 13:42) 

サットン

あおたけさん

セントラムはやはり黒が印象的ですね。でも鉛色の冬にはちょっと重過ぎるのではと気になります。
富山駅、改札口から列車までやたらと遠く感じました。長期にわたる工事のようですが段階的に改善して欲しいです。
by サットン (2010-08-22 13:54) 

サットン

のりさん

富山のLRTはどれも乗ってみたいと思わせる魅力的なものでした。それに実際乗りやすい!振動と騒音に悩まされたかつてのチンチン電車とは異質の乗り物でしたよ。阪堺線の再整備も是非戦略的に取り組んでもらいたいものです。
by サットン (2010-08-22 14:07) 

サットン

UZさん

健闘するLRT。決して古い物を残すという消極的なイメージではなかったです。今まで安易に地下鉄やバスに転換を進めてきた行政は目を覚ますべきでしょうね。
今の政権中枢にはN嶋氏以外にも組織ぐるみ選挙で当選した連中がたくさんいます。あの顔ぶれを見ていると実に遺憾です。
by サットン (2010-08-22 14:16) 

サットン

ホタルの館さん

阪堺線も堺市が支援する方向に動いているようです。ただそれが妥協の産物や人気取りの結果でなければいいんですが。
by サットン (2010-08-22 14:20) 

サットン

Cedarさん

路面電車の活性化は富山以外でも鹿児島、熊本、豊橋などでも動きがあるようですが、富山市の積極策は特筆ものですね。今回半日同行した富山市民さんの話ではやはり富山市長の強力なトップダウンが原動力になっているとのことでした。
by サットン (2010-08-22 14:26) 

サットン

undoさん

おっしゃるように人口など地理的要素も味方かもしれませんね。重要なファクターですね。
松江市のLRT。バタデンも転換するんでしょうか。確かに人口規模からすると厳しそうですね。基幹バスを整備した方がいいかも。
by サットン (2010-08-22 14:31) 

サットン

いそしぎさん

黒い電車はインパクトありますよ!でも雪国という点を考えると万葉線の赤の方がいいかも・・・・。内装はポートラム、万葉線がクール系なのに対し落ち着いたムードで好感を持ちました。
富山までサンダーバードで3時間半。日帰りはキツイですが是非どうぞ!
by サットン (2010-08-22 14:38) 

サットン

京葉帝都さん

富山周辺の工業力については同行した金沢・富山両市民も熱く語っておりました。やはり先立つものは必要ですね。
柔軟な気質があるんですね。先日久しぶりに京阪京津線(地下鉄東西線)を利用しましたが、地下鉄化され不便増大。地下鉄○、路面電車×としてきた硬直した行政の失策を痛感しました。
毎回含蓄に富んだコメントをお寄せいただきありがとうございました!
by サットン (2010-08-22 14:52) 

takechan

お久しぶりです。富山の路面電車、カッコ良いですね。
by takechan (2010-08-22 21:39) 

サットン

takechanさん

こちらの方こそご無沙汰しておりまして。
この旅で利用した富山の路面電車、ベースは皆同じですが、それぞれ工夫が見られて乗り比べも楽しかったですよ。地元に根付いてくれればと思いました。
by サットン (2010-08-31 13:51) 

だみかん

私の郷里の町を、楽しく拝見させて頂きました。
嬉しかったです。
ありがとうございました。
by だみかん (2010-10-01 18:39) 

サットン

だみかんさん

今回はなにぶんにも駆け足でのお邪魔でしたので上面をなめる程度の記事になりましたが、また一度じっくりと街歩きを楽しみたいと思います。
by サットン (2010-10-02 11:01) 

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