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プリンスホテルは変わったか [宿泊記(関西)]

グランドプリンスホテル京都からの報告
<<新しいロゴマークと新しいブランド
「なぜ、プリンスホテルは、変わらなければいけないのか」。ホテルの広告のコピーにしてはなんとも重い内容である。4月1日、新生プリンスのスタートを告知する新聞全15段の広告に使われたものである。
わが国のホテルチェーンでも屈指の規模を誇る西武鉄道系のプリンス。その規模の割には謎めいた部分が多く、ホテル業界誌の記者ですらその全容は掴みかねていた。その実態は企業というよりも創業家堤一族の私物的性格が強い存在だったといえば言い過ぎだろうか。
そのプリンスホテルが、図らずも一族支配から脱しまっとうなホテルとして生まれ変わったことを世に知らしめる広告であった。

 
本当にプリンスは変わったのか?疑問を抱きつつ一番近くにある「グランドプリンスホテル京都」(旧京都宝ヶ池プリンスホテル)に宿泊してみた。グランドプリンスというブランドも今回チェーンを構成するホテルのカテゴリーを明確化するため新たに登場したものである。最上級の「ザ・プリンス」とスタンダードクラスの「プリンスホテル」の中間に位置する航空機でいえばビジネスクラスともいえるカテゴリーである。
ちなみにこのホテルの設計は壁の魔術師と謳われた村野籐吾氏である。

<<宿泊者用エントランス
このホテルは利用するのはもちろん、目にするのも初めてである。21時頃地下鉄烏丸線の終点国際会館前駅から徒歩にてアクセス。周囲は闇の中だったが、標識が十分完備されており迷うことはなかった。

<<1階ロビー
正午頃のロビー。チェックインしたときは照明も落ちておりレストランもバーを除いてクローズ。深夜の趣だった。チェックインが遅くなる旨電話を入れたところ「夕食は済ませてお越しになりますか」と尋ねられた理由が判った。それでもベルスタッフは待機しており適度な会話を繋ぎながら客室までアテンドしてくれた。過去何軒かのプリンスを利用したが、キチンとしたベルサービスを受けたのは初めてのように思う。さすがグランドを冠するだけのことはある、と妙に感心する。

 <<デラックスフロアツイン
今春、ほぼ全面的に改装が施され、客室もスーペリアフロア(2~4階)、デラックスフロア(5~7階)、ロイヤルフロア(8階)の3クラスに分けられた。今回の予約は「ラッキーデイプラン」なる、指定された日にちであればスーペリアフロアのツインが1室税サ込1万円という破格の料金だったが、7階のデラックスフロアにアサインされた。客室はゆったりしており、40平米程度だと思われる。清々しい朝の景色。窓外の緑が眩しいばかり。

<<ベッド周り
プリンスにしては随分高いベッドに驚く。以前は部屋を広く見せるため低めのベッドを好んで使用しているといわれていたからだ。シーツの感触も心地よい。

<<中身の入った冷蔵庫
プリンスの冷蔵庫といえばカラッポが当たり前だっただけにドアを開いて驚いた。館内にコンビニはなく、最寄のコンビニも徒歩で10分程度とあれば仕方ない。ただし、その分料金は強気。このホテルを利用される際はイン前にドリンク、おやつ類を調達しておくようお勧めする。 

<<ガーデンチャペル
ドーナツ型の建物なので中は庭になっており、挙式もできるよう祭壇、カリヨンなどが設けられている。出入りは自由。

<<国立京都国際会館
お馴染み、わが国国際会議のメッカ。とはいえ近くに宿泊施設がなかったため京都市が様々な条件を西武に提示して誘致したといわれている。普通のホテルならこの立地条件では進出は躊躇するだろう。会館でよほどのイベントがない限り需要は見込めないのだから。こうした進出までの経緯がプリンスを謎の存在にしていた大きなファクターでもある。

私のプリンスに関する個人的なイメージは「張りぼてホテル」、つまり、一見豪華そうに見えるが、よく見ると安物の健在を使った安普請な建物というものだった。その、さいたるものが品川プリンスエグゼクティブタワーである。そのハード、ソフト両面のお粗末さには怒りをとおり越して滑稽でさえあった。これがプリンスの考えるエグゼクティブなのかと。
しかし、今回ご紹介したホテルは実に快適だった。それが、新生プリンスのポリシーから来るものなのか、元々このホテル固有のものなのかは判断できないが。少なくとも目線がゲストに向けられているのは実感できた。

グランドプリンスホテル京都


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