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思いつき福井への旅②~福井鉄道に乗車 [鉄道の旅]


▲200型と800型(武生新)

昨夜は寝つきが悪かった割には朝早く目が覚めた。このホテルは内装こそリノベーションされているが、防音の悪さはどうにもならないようで夕べは隣室のオヤジが電話で話す声がまる聞こえだった。今朝も廊下から「おはようございます!」とか言う声が容赦なく客室に飛び込んでくる。やれやれ再び寝る気にもなれずぬるま湯を溜めて疲れ気味の体をほぐす。
今日は、福井駅を再度見物し、今回が初めての福井鉄道で武生へ向かい、14:15の阪大病院の予約時間までに戻らねばならない。

▲高架化された福井駅 屋根に並ぶものは

◆新装福井駅を見る
昨夜の到着時は疲れていて十分観察ができなかった高架化された福井駅をあらためて見学する。駅前広場はまだ工事が続いている。外観を眺めるとおもしろいデザインになっている。雪害対策でホームは完全に屋根で覆われているが、明り取りのためと思われる採光口が行灯のように屋根から突き出ている。ひょっとして越前和紙をイメージしているのだろうか?コンコースに入るとレイアウトはよくあるパターンになっていてコンコースを挟んで左手に出札口と改札口。右手にはショッピングエリアが配置されている。それにしても改札口は狭いなあ。これでラッシュ時など大丈夫なんだろうか?同様にホームとの間の階段も非常に狭い。

▲改札口付近

目に付いたのはホームのLED式乗車位置表示機。先発・次発の特急列車の乗車位置を列車名、自由席・指定席などの情報とともに示している。JR西日本管内の在来線で見たのは初めてだ。

▲特急乗車位置案内表示

◆福井鉄道に乗る

▲福井駅前電停
福鉄の福井駅前乗り場は、宿泊していたホテルの裏側にある。ロビーからガラス越しに停車中の電車を見たときは驚いた。こんな調子で初めてなのになんの予習もしてきていない。屋根もろくにない安全帯の時刻表では武生新行は日中毎時0・20・40分発の20分ヘッドダイヤ。11:20の列車を待っているとやって来たのは単行の路面電車タイプ。さっき見たのはおなじみの福鉄オリジナルの連接車だったのにと少々おもしろくない。

▲今回乗ったのはこの800型  ちょっとヨーロッパ風

◆福鉄の車両
予習をして行かなかったので帰ってから復習を兼ねて確認すると現在運用に就いている車両は先ほどの連接車200型が3編成。主にラッシュ時に使用される。主力になっているのは名鉄岐阜市内線からの転入組で私が乗った800型もその中の一派で2000年に製造された新しい車両である。(ローレル賞受賞車)他は連接車体を持ち谷汲線などに直通していた770型など。名鉄出身車以外では名古屋市地下鉄からの転入組が3両いる。もちろんパンタグラフ集電式に改造されている。

▲800型車内 バリアフリー対応になっている

◆スイッチバック
到着した武生新行はもちろんここで折り返すのだが、降りずに残っている乗客もいる。???である。とりあえず中央のノンステップドアから乗り込む。車内はおもしろい座席配置になっている。一応集団見合い型に小さなクロスシートが並ぶが、両端の2列は背を向けて運転席側を向いている。私は運転席後ろの一人掛けの席を占める。これで終点まで前面展望が楽しめると喜んだのだが・・・。

▲運転席かぶりつきのはずが・・・・
最初の停車駅市役所前で運転士は反対側の運転席に移って行った。もちろん電車は逆方向に進み出す。あれ???と思ったが、これで謎が解けた。終点の福井駅前で降りずに残っていた人たちは市役所前で降りるのだ。案外市内電車としての性格が強いようだ。そんな市内路面区間をノロノロと走り、鉄軌分界点を越えるとやっと専用軌道に入り福井新に到着する。不勉強な私は福井新は駅前にあるものだと思っていた。

▲専用軌道が始まる福井新駅構内

◆専用軌道を走る
さて、専用軌道に入ったのは良いが、線路状態は極めて悪い。草ぼうぼうで線路も波打っている。実際にスピードメーターが50キロを指すと激しい揺れに襲われ睡眠不足の私も居眠っているわけにもいかない。最高速度は速度計を見る限り55キロがマックスだった。
乗車前から気になっていたのだが、「ハーモニーホール」なる駅がある。福井市に立派なコンサートホールができたことは知っていたが、福鉄がアクセスを担っているとは知らなかった。ところが、ハーモニーホールは田んぼの中である。これでは開幕前の興奮も、終演後の余韻もあったもんじゃない。やはりハコモノ行政の産物である。

▲田んぼの中のハーモニーホール 

さて先ほどから妙なものが駅の前後に見える。馬蹄形をした覆いのようなものが。どうやらポイントを雪害から守るためらしい。感心したのはほとんどの駅が行き違い可能になっている点。その分この馬蹄形が目に付くのだ。
段丘上から北陸本線を走る「サンダバード」などが見えるとラストスパートに入る。武生新には様々な電車が昼寝を決め込んでいる。

▲ポイントを守るシェード 赤い電車はコカコーラのアドトレイン

◆武生新と武生の位置関係
私のおぼろげな記憶では武生新の駅はJRの駅に隣接しているように思っていたが、とんでもない思い違いだった。JRの駅には健常者でも線路沿いに10分近く歩かねばならない。途中「平和堂」があるので暑い時は店内を通り抜けさせていただくことができる。途中で敦賀行の521系が横を通過して行った。ああ、もう少しまともに歩ければと悔やんだところでどうにもならない。

▲運賃は390円でした

◆またも出ました521系
なんとか武生駅に到着し茨木までの乗車券を購入する。ここでも「乗車券だけでよろしいですか?」の質問をあびてしまった。帰りの乗車券は高槻ではなく、阪大病院前行の近鉄バスが出ている茨木までとした。さあ、次の列車はとホームを見ると先ほど私を追い抜いて行った521系がまだ停車している。「しらさぎ」を先行させるようだ。昨夜の20分停車といいこの駅は普通列車にとっては鬼門のようである。車内はすでに満席。よって運転席後ろのかぶりつきを満喫する。北陸トンネル通過には約10分を要した。

◆トリはサンダーバード
敦賀からは湖西周りの新快速を利用する予定だったが、それでは病院に到底間に合わない。仕方がないのでサンダーバードに乗ることに。混んでいるサンダーバードに途中駅から自由席乗車というリスキーなことは避けたかったが、仕方がない。それでも3両ある自由席車のうち喫煙車の6号車に狙いを定めた結果、どうにか座席にありつけた。すぐに眠りに堕ち気がついたら山科を通過するところだった。
京都に到着し新快速ホームへと急ぐ。考えてみればサンダーバードの特急料金を払っていない。検札はあったのだろうか?

▲サンダーバードで京都着

この後、高槻まで新快速、高槻で快速にスイッチ、茨木駅前から近鉄バスに乗り阪大病院には約45分の遅れをもって到着した。

新快速の敦賀直通で北陸路が近くなったことばかり強調してしまったが、車窓から見る景色には屋根付きの歩道橋や雪除けの付いた信号機。街を歩けば融雪機能が施された道路などそこはまさしく雪国である。豪雪時に都会っ子の223系は耐えられるのだろうか?ふと気になった今回の旅だった。


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コメント 8

masa

あhじめまして。
路面電車からサンダーバードまで色んな
電車に乗ったんですね!
by masa (2007-08-22 20:39) 

UZ

福井取材お疲れ様です。

機会があれば越前海岸の国民宿舎の鷹巣荘もいいですよ。風光明媚な海岸、そして天然温泉とゆっくりできますよ。ただ、福井駅からバスで相当かかりますのが残念ですが。

案内表示は京都駅0番線ホームにもあります。福井駅は現在北陸新幹線延伸のための新幹線駅舎の建築をしています。新幹線延伸が未定で先行したかたちになっていますのでいつ完成するか未定です。個人的には東海道新幹線のバックアップという意味でも延伸してほしいですね。
by UZ (2007-08-22 23:42) 

福井駅はまだ高架駅になっていない頃、お世話になりました。
昨年夏に北陸線を通って特急「サンダーバード」で帰阪したとき
小松駅と福井駅の大変貌に驚いてしまいました。

あの辺は「芦原温泉」「東尋坊」と見所満載で
海の幸も絶品だったのを今でも鮮明に覚えています。
by (2007-08-22 23:59) 

サットン

masaさん、はじめまして!
私の思いつき旅行記をご覧いただきありがとうございます。結果的にいろいろな電車に乗ってしまいました。旅に出てからも思いつきで動くもんで。これからもよろしくお願いします!

UZさん、こんにちは。
福井市内はこれというホテルがなくかなり迷ったんですが。駅に接して東横インが7月にオープンしたらしいので料金を考えるとそちらの方が良かったかなあ。乗車位置表示装置は京都駅にありましたね、つい先日行ったばかりなのにボケてしまって。歳は取りたくないもんです。

Sanohpyさん、マイドです。
福井駅も高架になって随分スマートになっていました。いろいろと特徴を出そうと外観のデザインなどに拘っていますが、基本的にはよく似た駅ばかりになってますね。旅情を感じる駅がどんどん少なくなっているように思います。
by サットン (2007-08-23 10:15) 

か

高架駅のどこが旅情がないと言えるのかを知りたいね

汚らしい駅なんかよりも綺麗で迫力ある高架駅の方が旅情は十分にあるはずですよ
むしろ地上駅の場合駅舎が似たような駅ばかりでつまらなく て味気がないように思います
しかも地上にある鉄道が21世紀には不適当ですよ

by か (2014-08-06 12:48) 

サットン

かさん

バックナンバーへのコメント、ありがとうございます!
旅情って字面のとおり個人の主観によるものだと思います。かさんにはかさんの、私には私の旅情感があるはずです。
私は、旅の途中で出会った煤けた福井駅に旅情を感じたのです。真っ赤な機関車、旧型客車、何十分と停車する鈍行列車等々が交じり合って漠然とした旅情を感じさせてくれたのだと思います。もちろん福井駅を日常利用されている方には全く違った感じ方があることでしょう。
私も綺麗な高架駅は好きですよ。ただ、加齢と共に疎ましく思うことも多くなりました。駅の入口から電車までが遠い! 齢は取りたくないもんです。
by サットン (2014-08-07 10:21) 

か

僕は福井市民じゃないです

しかし田舎育ちなんで高架化や電化や複線化の工事は地方都市近郊で鉄道を生活の一部のように利用している人たちにとっては非常にめでたい話なんですよね

by か (2014-08-23 17:36) 

サットン

かさん

再度のコメントありがとうございます。
高架化がおめでたいと感じるのは地方も大都市圏も同じかも知れないですね。私もそう思っていました。若い頃は。でも実際に
一番喜んでるのはクルマを利用する人たちかも知れません。
by サットン (2014-08-27 15:28) 

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