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加賀百万石奇行 その1 [鉄道の旅]

冬の金沢へ

金沢在住の大学時代からの悪友Kから、一度遊びに来いとの誘いを受けていながら、諸般の都合でなかなか実現しませんでしたが、ようやくこの土日を利用して出かけて来ました。新幹線受け入れを控えて変貌を遂げる金沢の街の様子は久し振りに訪れたこともあり新鮮に映りました。


◆高槻駅にて

北陸への出発はいつものようにJR高槻駅から敦賀行新快速です。11:31の発車時間まで30分ほど時間があるので橋上駅舎のフードコートでコーヒーでも飲んで時間をつぶしましょう。何度も利用しているこの駅ですが、フードコートは初めて。入ってみると窓側のカウンター席は絶好のトレインヴューが楽しめるではありませんか。駅上り方が見渡せ真下を下り列車線が通っています。これは何時までいても飽きることはなさそうです。


◆新快速も風には勝てず(高槻ー敦賀)

どうせ座れないだろうと運転室かぶり付きを決めこみ、最前部の乗車位置に並びましたが、12連とあってか幸運にも空席にありつけました。終点まで立ちっぱなしも覚悟していただけにラッキーです。この列車は12連のうち敦賀まで行くのは前4両だけで後より8両は京都で切り離されます。
いつものように快調にとばし湖西線に入ります。雪を被った比良山系を左に、穏やかな琵琶湖を右手に見ながら近江舞子着。ところが運転室から漏れ聞こえてくる列車無線の交信は 「北小松付近・・・・・運転規制・・・・・・」 といった内容が断片的に。これはやっかいなことになって来たと思っているとほどなく車内放送で 「この先、強風のため速度を落として運転します。各駅の到着も遅れが予想されますがご了承下さい」 とのこと。近江舞子を3分遅れで発車すると早速徐行がかかります。北小松からは牛歩のごとくという感じです。この先、敦賀、福井で乗り継ぎがあるのであまり遅れるとやばいんですが・・・・・。そんな心配を他所にノロノロ運転が続き遅れはどんどん増幅していきます。


▲なにごともなく高槻に着いた新快速だったが(左)近江舞子からは強風のため・・・

ふ~ん、これが悪名高き湖西線の強風による運転規制か。停車中にも時々横風で車体が煽られます。意外と車内の乗客に動揺はありません。おばさんグループが宿に到着が遅れると携帯で連絡を入れている以外は静かに徐行運転を見守っています。
近江今津で再び歩みが止まり、 「ただいま、運転士が関係箇所と打ち合わせを行っております」 との放送が入ります。25分遅れで運転再開、吹きすさぶ強風の中敦賀を目指します。223系新快速の雪に対する意外な強さはこれまでに何度も絶賛してきましたが、さすがに強風には逆らえないようです。


▲湖西線沿いは一面の雪景色(左) スキー場のあるマキノもこのとおり(右)

永原を出て長い城山トンネルを抜けると右手に琵琶湖の北端部分“北湖”が一瞬姿を見せます。もう何度も通っている道、概ね車窓のポイントは把握しています。おまけに徐行運転なので運良く?高いところから北湖をカメラに収めることができました。

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▲神秘の湖”北湖”が一瞬姿を見せます(永原ー近江塩津)

北湖の眺めに目を奪われてばかりもいられません。近江塩津の大高架橋が待っています。その高さを真下から見て知っているだけに少々不安を感じずにはいられません。もちろん列車は最徐行で通過して行きます。右手から北陸本線が接近し521系がやはり近江塩津に向かっています。接続を取るかと思いきや新快速はすぐに発車してしまいます。まあ、もともと接続するはずの列車ではないのでしょうが。


▲新疋田付近で125系とすれ違い 独特のサイドビューが印象的です

気になるのは敦賀での北陸本線下り方面の接続です。予定では13:33の普通福井行に余裕で接続するはずでしたが、時間は既に13:50を過ぎています。車内放送も下り方面は14:45発を案内しています。「仕方ない、迎えに来てくれるKに遅れる旨メールしておくか」と覚悟を決め敦賀駅の4番線に下りたちます。その瞬間、猛烈な風が吹きつけ足をすくわれそうになりました。これじゃ徐行も仕方ないなと思いながらホームを中ほどに歩いていくと521系が停車しています。構内放送も「下り方面は13:33発の福井行がすぐに発車します」と告げているではありませんか!これは急がねば。長いホームの中央にちょこんと停車した2両編成の福井行に駆け寄ります。車内は5割ほど席が埋まった状態です。つまり、各座席とも一人ずつ座っている状態。横にカバンやら雑誌を置き寝そべるように占拠している高校生に声をかけ荷物を除けさせます。こういうときは一番性質の悪そうな奴に声をかけるに限りますな。
まあ、30分近く接続待ちをしてくれてラッキーでした。それにしても接続を取るという情報は新快速の車掌には伝わっていなかったのでしょうか?ダイヤに乱れが生じたときに毎度問題にされますが、改善にはいたってないようですね。


▲敦賀の手前では「サンダーバード」とすれ違い(左) 結局35分ほど遅れて敦賀着

 

◆普通249M(敦賀ー福井)

敦賀を発車し北陸トンネルを抜け出るとなんだか急に雪が少なくなったようです。前回敦賀を訪れたときも滋賀県内は言うに及ばず、大阪も雪化粧していたというのに敦賀は雨でした。どうもこの辺の地形と気象との関係はややこしいようです。
昨夏乗った福井鉄道の電車を横目に武生を出発、列車は鯖江に差し掛かります。一昔前の鯖江というと”メガネの町”として知られ、車窓からは幾つものメガネフレームメーカーの看板が見られたものですが、最近はアジア製のものに押されシェアを落としているとか。メガネの看板も一つしか見当たりませんでした。その代わりといってはなんですが、車窓右手にドーム状の大きな建物が見えます。新体操の世界選手権にも使われた「鯖江ドーム」です。当時は「ろくに宿泊施設もない町で世界レベルの大会が開けるわけがない」と言われたものですが、果たしてボランティアによるホームステイで施設の不足をカバーし大会は無事終了したというエピソードがあります。
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▲メガネの町鯖江(左) 新体操の町をアピールすることになった鯖江ドーム(右)

  さて、列車は遅れを取り戻そうとするでもなく淡々と走り続け九頭竜川を渡り、高架に駆け上がると終点福井に到着します。福井からは14:46発の普通金沢行きに乗り継ぐ予定ですが、折り返しとなる上り列車も遅れているらしく249Mが到着した14:45時点でまだ姿を見せていません。

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▲福井に到着した249M


◆普通361M(福井ー金沢)

きわどい乗り継ぎを覚悟していたものの肩透かしを食い、のんびりと隣のホームに移動します。金沢行きの乗車位置にはエスカレーター付近にこそ行列ができていますが、それ以外は十人前後が待っている程度。最後部3両目の乗車位置で折り返し列車の到着を待ちます。
今回の一番のお楽しみはこの361Mです。金沢行きのこの列車は使用エリアが原則福井・滋賀両県に限定されている521系は使えないので475系かゲテモノ419系の何れかになるはずです。どちらにしても国鉄時代の匂いが残る車両です。果たしてやって来たのはかつての急行用車両475系でした。ドア付近こそロングシートに改造されていますが、ボックスシートに座ると妙に落ち着きますなあ。決して座り心地が良いというわけではありませんが、なんというか癒し系の車両とでもいうのでしょうか・・・・。
福井を5分遅れで発車、これでほぼ定時に金沢に着けそうです。

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▲福井からは念願の国鉄型。かなり痛んではおりますが。(美川)

  福井を出ると、とうとう車窓から雪は全く消えてしまいました。いったいどうなっているのやら?それにしても空腹であります。カフェインの禁断症状も出てきました。とにかく湖西線内での遅れの影響で接続時間に余裕がなかったため食料調達ができていません。時は既に15時を回っています。しかし、そこは特急街道の北陸本線、特急群がそこのけ、そこのけと通過していくはずです。食料は無理でもコーヒーの調達程度なら可能だろうと時刻表を開くと小松で「しらさぎ55号」を退避することが判明します。もう少しの辛抱と自分に言い聞かせ高架駅の小松に到着です。ところが、すぐに発車ベルが・・・・。この列車も遅れている上に「しらさぎ」も遅れているのでしょう。絶好の時間短縮というわけですな。
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▲福井を出ると雪の名残もありません(左) 旧式の洗面台、水栓もボタン式(右)
 

コーヒーが飲めずイライラしながら迎えに来てくれるKに金沢にはほぼ定時で到着する予定であるとメールを入れます。きっと、いつ着くかと彼は彼なりに落ち着かずにいるでしょうから。ところが、返信には「間に合わないから全日空ホテルでお茶でも飲んでいろ」との指示が。まあ、いつものようにネットでいかがわしいサイトでも梯子していたのでしょう。
金沢を目前にし美川で「雷鳥23号」退避のため4分停車します。しかし、ホームに自販機は見当たりません。橋上駅舎まで上がっていけばあるかもわかりませんが、生憎持病の具合が思わしくなく時間内に戻れるか不安です。結局あきらめました。雷鳥も遅れているのでしょう、何も通過しないまま美川を発車しました。駅ごとに乗客が増え金沢にはほぼ定時到着とあいなりました。

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▲ほぼ定時に金沢駅に到着

ところが、翌日の帰路はもっと酷いアクシデントが・・・・・。


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コメント 4

ファジー

おはようございます。
読んでいて、なんだかハラハラドキドキしました。
時間的なことと、カフェインが切れてのイライラ感がこちらにも伝わってきそうでした。
by ファジー (2008-02-28 10:32) 

サットン

ファジーさん

私の心情を読み取っていただけて幸いです。カフェイン中毒者にとっては常に手元にコーヒーがないと落ち着きません。それだけに目星をつけていた二つの駅で空振りしてしまったのは泣きっ面に蜂でした。
by サットン (2008-03-01 17:23) 

京葉帝都

475系は今でも北陸の顔なのでしょうが、正面の行先表示票は埋められ、座席の窓側にあった小テーブルは撤去され、満身創痍状態になってきました。国鉄時代はラッシュ時の金沢〜富山の普通列車は急行列車の間合い運転や6+6で12連の運用もありました。現在は移転後の東金沢駅のホームが6連までしか停まれない事実に見られるように普通列車は最大6両編成です。短編成でも本数があればとても便利です。

by 京葉帝都 (2008-03-10 01:18) 

サットン

確かにあちこちいじくりまわされた姿は痛々しいものがありますね。しかし、419系に比べればまだましっていう感じです。久し振りにのんびりした汽車の旅を楽しめた感じです。コーヒーがあればなお良かったんですが。
これがJR東ならとっくに取り換えてるでしょうが。
by サットン (2008-03-11 11:40) 

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