夏の18きっぷ締めくくりの旅 ②関西本線 [鉄道の旅]
定休日のある列車!?
夏の18きっぷ最終日である9月10日、片町線、奈良経由で関西本線加茂駅にやって来ました。ここから今回のメインディッシュである関西本線の非電化区間に進みます。名阪間を結ぶ関西本線ですが、両端のJR難波ー加茂間と名古屋ー亀山間が電化されているものの中央部は非電化のローカル線です。キセル路線とでもいうのでしょうか。
ここに踏み込むのは三十余年ぶりとなります。
▲加茂駅で待っていたのはキハ120
奈良からの大和路快速が加茂に着いたのが13:07。接続する亀山行は4分後の13:11発。加茂駅では亀山行が中央の乗り場に入り、奈良方面からの電車が左右何れの乗り場に着いても同一ホームで乗り換えられるので楽々です。
しかし、待っていたのはこのキハ120。JR西日本がローカル線に投入している車両ですが、レールバスに毛が生えた程度の面白みのない気動車です。
幸いにして一部クロスシートの車両に当たりましたが、既に満席。後部運転台のかぶり付きを決め込みます。
▲第2土曜日は定休日
車内には諸々の注意書きに紛れて運休のお知らせが。なんと加茂ー亀山間の昼間の列車は毎月第2土曜日は線路保守のため定期的に運休するそうです。今月の定休日は11日、明日! 実は先ほど大和路快速の車内放送で聞くまで知りませんでした。・・・もちろん時刻表には明記されているようですが。しかも、代替輸送はいたしません!とキッパリ。なんかJR西は運輸事業者としての使命を自ら軽んじているように感じてしまいます。儲からない路線を保守してやってるんだから文句言うなとでも言わんばかり。この列車だけでも数十人の乗客が乗っています。なのに代替輸送もしないとは。
▲加茂を発車
そんな疑問を抱えつつたった1両の気動車は加茂駅を離れます。駅前には巨大なマンションが聳えています。
ちなみに加茂駅が所在するのは京都府木津川市。奈良駅から3駅目なので奈良県という感じがしますが、一駅手前の木津から月ヶ瀬口までは京都府なんです。
▲すぐに木津川が現れます
駅構内を離れると進行左手に木津川が寄り添ってきます。しばらくは木津川の力を借りて山間を辿ることになります。生憎席にはありつけませんでしたが、魅力的な車窓を楽しめそうです。
▲いきなり落石防止シェルターが
すると、いきなり落石防止シェルターが次々に現れます。
アーバンネットワークに隣接する区間とは思えません。
▲笠置駅
息を呑んで車窓に見とれているうちに笠置に着きました。
島式1面のホームに人影はなく、降車客もいません。ハイキングの名所として知られる笠置ですが、平日はこんなものでしょうか。
長いホームが一層侘しさを誘います。
▲渓谷となった木津川
笠置を出ると木津川の表情が一変します。
岩肌むき出しの険しい渓谷の様相を見せます。
▲複雑なトラス橋
左岸には張り付く場所が尽きたのか鉄橋で右岸に渡ります。
この鉄橋がなんとも複雑な構造です。3連トラスですが、両端と中央の構造が違います。宮脇俊三が「最長片道切符の旅」で「幹線ならばとっくに架け替えられていたはず」と評しています。
▲大河原駅
谷間を抜け出すとその名も大河原に着きます。木津川も先ほどまでとは打って変わって穏やかな流れとなり文字通り広い河原が現れます。
ここで二人の高校生が下車。降りるなりタバコを燻らせ始めます。そして、陸橋を使わず線路を横切って行きます。社会を舐め切っていますな。
▲大河原大トンネル
大河原を出るとトンネルに突入します。その名も「大河原大トンネル」。
続いて「大河原小トンネル」が現れます。
大・小トンネルって聞いたことがありませんが、この路線を開通させた関西鉄道の流儀なんでしょうか。
▲島ヶ原での行き違い
三重県に入り島ヶ原で加茂行と行き違います。
1両同士の行き違いには広過ぎる構内。先程来気になっていましたが、各駅とも余計にホームが長く、構内の有効長はさらに長い。上下線の間には中線もあったようです。かつて長大編成の列車が走っていた名残なのでしょうが、今となっては宝の持ち腐れ。各駅ともきれいに整備されているのが救いではありますが。
▲伊賀上野では伊賀鉄道とご対面
盆地へと下っていくとこの付近の中核駅伊賀上野に着き、初めてまとまった下車があります。乗車もそれなりにあり、相変わらず車内は賑やかです。
下りホームの外側には伊賀鉄道の乗り場があり860系の2両編成が停まっています。マルーンに銀帯の復刻デザインに惹かれます。
▲柘植駅到着
左手から電化された草津線が合流し14:06、柘植に到着です。
さて、先程来立ちっ放しでかなり疲れました。しかも冷房の効きが悪い運転台かぶり付きで猛烈な陽射しをもろに受けバテ気味です。
▲柘植駅駅名標
このまま亀山まで乗り通すか撤退するか判断を迫られます。行き違い待ちの5分間で結論を出さねばなりません。
・・・・・。
こんにちは、横を車で数回通った大河原駅、
初めて路線側から見たので、感激しました!
ありがとうございます。
byお父ちゃん
by だみかん (2010-10-09 12:12)
自分も昔、青春18きっぷの時期でしたが、亀山から乗った時、
加茂まで立ちっぱなしだった事がありました。
その時は冬でしたが、きつかった事を覚えています。
by まるたろう (2010-10-09 13:07)
たしかに西の運休路線、「代替輸送はいたしません」って
きっぱり書かれると面食らってしまいます。
以前、加古川線でこの運休日にあたってしまい、タクシーと
神鉄を使ってなんとか迂回したことがあります。思わず、
「振り替え輸送経路くらい確保しとけー」って叫びたく
なりました。。。
by あおたけ (2010-10-09 14:11)
JR西日本のローカル線に対する姿勢がよく理解出来ます。日中運休をしているのは東日本でもやっていますが、代替交通機関を確保して行っています。
こんな無責任な態度をよくやっているなと、憤りを感じます。
by UZ (2010-10-09 21:34)
JR西はアーバンネットワーク以外の区間は切り捨てるつもりでしょうか?
確かにこの区間は昔から閑散区間でしたが、それだけに山里風景がとても魅力的でした。
by Cedar (2010-10-09 22:51)
いろいろ言われているJR西の定期運休・本線徐行ですが経費をケチるにしても、もうちょっとやり方があるような気がするんですけどね。。
しかし、関西本線の非電化区間、いい車窓じゃないですか! 川沿いを行く様子などは、JR四国の予土線を思い出させます。
あと、"大河原大T"と"大河原小T"なんてネーミングもステキ。今なら、単純に第1・第2・・・になってたんだろうなぁ。。なんて思いながら拝見しました。
by うたに (2010-10-09 22:55)
トンネルの通過シーン、ナイスです^^
トンネル構造物に萌えの私☆
by ホタルの館 (2010-10-10 00:11)
ここまで来たら亀山でしょう。
つづき楽しみです。
by manamana (2010-10-10 06:50)
関西線の非電化区間(大阪から見て笠置以遠)は、まだ足を踏み入れたことがありません。良い雰囲気ですね。大・小トンネルの名称もユニーク。通常なら、第1大河原トンネル・第2大河原トンネルなのでしょうね。
旧近鉄の復刻塗装もいいですね。最近は復刻塗装が流行っているようです。
by のり (2010-10-10 21:14)
私も長らくこの区間訪れていません。昔はD51を追いかけて毎週のように訪問したものですが・・・。
by ファジー (2010-10-11 07:05)
だみかんさん
163号線を通られたのでしょうか?
道路と線路、わずかな視点の違いですが風景は大きく異なることがあります。ぜひ列車からも眺めて下さい!
by サットン (2010-10-11 12:08)
まるたろうさん
1両ということで混雑は覚悟していましたが案の定でした。平日とあって18族はほとんどおらず。さすがに元幹線ですね!
by サットン (2010-10-11 12:26)
あおたけさん
あらあら、運休日に当たってしまいましたか!私も危ういところでした。車内放送で代替輸送しないと聞いたときは呆気に取られました。本当にそれでいいのかって。
by サットン (2010-10-11 12:40)
UZさん
JR西日本の対応は正に開き直りではないのかと思ってしまいます。これだけの乗客がいるのに…。
by サットン (2010-10-11 12:52)
Cedarさん
それがJR西日本の本音と言われても仕方ないかもしれませんね。災害で運休してもなかなか復旧しませんし。これが民営化の現実なのでしょう。
見応えある車窓が慰めでした。
by サットン (2010-10-11 13:15)
ホタルの館さん
トンネルあり鉄橋ありとなかなか楽しい車窓ですよ!古びたトンネルはちょっと不気味ですが…。
by サットン (2010-10-11 13:21)
manamanaさん
当初は亀山まで乗り通し、あわよくば名古屋経由で帰ろうかとも思っていましたが…。この夏の猛暑は酷に過ぎました。
by サットン (2010-10-11 14:03)
のりさん
この区間は車両はともかく風景は変化に富んでいて見応えありです。お薦めですよ!
伊賀鉄道にもそそられました。復刻塗装は鉄道のみならずバスや飛行機でも見られるようですね。
by サットン (2010-10-11 14:13)
うたにさん
投げやりともいえるJR西日本の対応には公共交通の担い手としてのブライトが希薄なのではと感じてしまいます。
車窓の方はそんなことお構いなしに素晴らしいですよ!クライマックスはこの先にあるようですが…。
返信順序が前後してしまいました。申し訳ありません。
by サットン (2010-10-11 14:26)
ファジーさん
数えてみれば私も38年振りの訪問です。前回はそのD51に引かれて。
次回は柘植駅を取り上げようと考えております。つきましてはファジーさんの過去記事を引用いたしたくご了解願えれば幸いです。
by サットン (2010-10-11 14:36)
こんばんは。
いやー、JR西はホントにいつも相変わらず自社の都合ばかり
利用者に押し付ける鉄道会社だと思います(怒)。
フリーきっぷの類にしても、使用日を指定しないといけなかったり
鉄ヲタ封じの「2名様からの販売」とか、もうホント、常にイラっとさせられます…。
現場の方に対して嫌な思いをしたことはないんですけどね。
by Kyo-to (2010-10-12 01:52)
Kyo-toさん
JR西日本の企画乗車券の縛りのきつさには泣かされますね…。まあこの点は営業上の理由があるんでしょうが。
しかし代替輸送なしはいただけませんね。公共交通なんですから。定休日があるなんて誰も想像してないでしょう。
by サットン (2010-10-12 20:54)
いや~懐かしいねぇ・・・感謝感謝!
確か中3の時に大阪市内=>京都=>名古屋=>関西本線=>大阪市内の一筆書き切符を買って以来の地名です・・・
あの頃、切符集めに夢中でその時に知り合った車掌さんが伊賀上野?の忍者屋敷に連れて行ってくれたのを思い出しました。
もう、30年以上前です・・・確か沿線だった様な・・・記憶違いならお許しを!
by 硬券屋 (2010-10-12 21:02)
硬券屋さん
実は私も38年振りの再訪です。
車掌さんとの交流ですか!微笑ましいですね。でも今は車掌さんは乗っていません。古き良き時代ですね…。
次のご出張は伊賀上野で決まりですね!
by サットン (2010-10-12 22:10)
車両の一番前から撮った写真で、バーチャル電車旅のようでした^^
これも、立ちっぱなしで乗車されていたお陰ですね。お疲れ様です。
しかし、定休日がある電車って初めて知りました。
by いそしぎ (2010-10-13 19:32)
いそしぎさん
仮に席にありついていたらこれほど景色を堪能できなかったと思います。暑かったのでカーテン締め切りでしたし。でも、冷房の効きの悪いところで日光浴状態だったのでバテてしまいました。
京阪電車が定休日なんていうと暴動が起きるでしょうね。
by サットン (2010-10-14 15:45)
この線の車窓、好きです♪
夏は川で子どもが遊んでいるのが見えて、いいなーって思います。
いつ乗っても混んでいて、うまく外の景色が見れないのですが・・・。
by keroro (2010-10-20 22:43)
keroroさん
この路線の車窓の見所はやはり木津川ですよね!とにかく暑い日だったので私も子供のように水遊びしたかったなぁ。
やはり混んでましたか!?キャパが小さいですからね。なぜこんなに冷遇されるんでしょうね?
by サットン (2010-10-22 10:19)