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乗りつぶし 南海加太線編 [鉄道の旅]

釣客、サーファーご愛用のローカル線

「ゴールデンウイーク1dayチケット」を利用しての南海乗りつぶし作戦、特急「サザン」で和歌山市駅までやって来ました。ここからは加太(かだ)線と南海一の閑散路線である和歌山港線の列車が出ております。現在時刻は11:20。その和歌山港線は10:10の後は13:05まで列車がないので、まずは加太線から攻めるとします。

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▲加太駅に着いた7100系

日中の加太線は30分ヘッド、次の発車は11:24ですので足早にホーム難波寄りの3番線に行くと列車の姿がない。ややあってようやく加太からの列車が到着。ずいぶんタイトな折り返しだなと思いますが、よく考えると加太線の列車は本来の分岐駅である紀ノ川駅から一駅本線を走って和歌山市駅に発着します。従って非常ボタン発報で遅れた「サザン」のあおりを食って遅れてしまったものと思われます。

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▲和歌山市駅駅名標

ワンマン仕様の7100系2連の列車は立ち客も出る状況で和歌山市を発車します。再び紀ノ川鉄橋を渡り、その名も紀ノ川駅から加太線へと分け入ります。紀ノ川駅は2面2線の分岐駅とは思えないシンプルな駅。
加太線はなぜか最初のわずかな部分だけが複線で後は単線です。車窓は住宅あり、工場、商店ありという取り留めのない風景がゆっくりと展開していきます。

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▲八幡前での列車交換 上りも7100系

途中の各駅は西ノ庄を除いて交換可能駅で駅員も西ノ庄以外の各駅に配置されているようです。従って電車はワンマンとはいえ、それらしい装備は自動放送装置だけで運賃表も運賃箱もありません。
八幡前で和歌山市行きの列車と行き違い、乗客も大半が下車して行きます。車窓には新日鐵住金の巨大な建屋が。いったい端から端まで何メートルあるんでしょう。

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▲終着駅のお約束車止めを

終点加太が近付くと海の気配が強くなり、二里ヶ浜、磯ノ浦とそれらしい駅名が続きます。そういえば昭和の頃、週末の加太線はサーファーで混み合うとテレビで紹介されていたのを思い出します。今はどうなんでしょうね。
ところが、磯ノ浦を出ていよいよ次は加太終点というのに列車は勾配を登り始め山間の風景の中を進みます。谷間を抜けたかなと思ったところが終着駅加太でした。

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▲加太駅駅名標は未更新

加太駅は櫛型ホームの2面2線。早朝以外は専ら1番線が使われているようです。
ところで、この駅名標、和歌山市駅のものと同じ会社のものとは思えません。もちろん和歌山市駅のものが新しいデザインですが、それでも導入されてから20年が経過しています。CI(Corporate Identity)の展開としてはいかがなものでしょう。駅ナンバーだけは後から貼り付けたようですが。

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▲小さいながらも洒落たデザインの加太駅駅舎

さて、乗って来た列車ですぐに折り返しても良いんですが、1本見送って町中を散歩してみましょう。私以外にも地図を持った町歩き組が何人も見受けられ、案外人気スポットになっているようです。
実は加太には子供の頃に何度も来たことがあるんです。父親の海釣のお供でした。もちろんクルマ利用でしたので、加太線は今にして初めてっていうわけです。
高台の駅から町中に下りて行きましょう。

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▲旧加太警察署

特にあてもなく海の方を目指して歩きます。すぐに目をひいたのがこの洋館。近付いてみると国指定登録有形文化財の表示と説明書が。元加太警察署だそうです。明治から大正にかけての建築で、後に民間に払い下げられ住金の寮や民宿として使用されたとか。

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▲グラッときたら何処へ?

長閑な町中ですが、電信柱にはこんな表示も。和歌山は南海トラフでの地震発生時、甚大な津波被害が予想されています。でも、これだけじゃ余所者はどこに逃げたらいいのかわかりません。とりあえず高台の駅を目指せば大丈夫なのか?
この後、古い町並みの路地に分け入ると、「赤マムシ膏入荷しました」の張り紙のある薬局や、半分シャッターを下ろしたやる気のなさそうなお菓子屋(?)とか子供の頃にタイムスリップしたような空間に浸れました。
結局30分の持ち時間はあっという間に過ぎ、慌てて駅への坂道を取って返したのでありました。

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▲和歌山市へ折り返し

ホームで待っていたのは先程八幡前で行き違った7100系。時刻表では加太線はズームカー崩れの2ドア車も運用に就いているようですが、この日は検査の都合か、はたまたGWの多客対応かオール7100系なのでした。
12:24、和歌山市へ向け折り返します。車内には釣竿にクーラーボックスが目立ちます。

かくして南海未乗線区掃討作戦第1弾は完了。加太線9.6キロ乗りつぶしであります。
南海完乗まで残すは2線区!


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nozzy

海岸のない滋賀ではみることのない海抜表示ですが、先日訪れた、島根県の海岸にありました。
思っていたより高い密度で設置されていましたが、どっちが高い場所なのかはわかりませんでした。
by nozzy (2013-05-11 09:09) 

まるたろう

加太駅の駅舎、自分が行った2007年11月の時は、レトロな看板
でしたが、それ以外は全く変わっていない感じがします。
駅名標も、駅ナンバーの貼り付け以外、相変わらずですね。
by まるたろう (2013-05-11 09:50) 

うたに

一転してローカルな感じになりましたね〜!
津波避難経路標示は、この前行ってきた宮古では逃げる方向の矢印と施設名及びそこまでの距離が示されていました。
実際の津波被害経験の有無が温度差となって現れているのかも知れませんね。
by うたに (2013-05-11 10:30) 

あおたけ

加太というと、揚げパンを思い浮かべます。
乗りつぶしで訪れた際にせっかくなので街を歩いていると、
いい匂いが漂ってきて、ついつい買ってしまいました。
後から知ったのですが、加太の名物らしいですね~(^^)

今日放送予定だった「例の番組」は、無事に見られましたか~?
by あおたけ (2013-05-11 18:15) 

サットン

nozzyさん

こういう標識があることで平時でも緊張を感じますね。
加太の町は町歩きを楽しむ観光客が多い上に、密集した街並みで見通しがききません。やはり逃げるべき方向も明示する必要があるんじゃないかと感じました。
by サットン (2013-05-11 18:29) 

サットン

うたにさん

加太線はのんびりしたローカルムードまんてんでしたよ♪ でも、今回訪れた3路線の中では一番活気がありました。
津波標識はやはり避難経路も併せて表示すべきですよね。今回の私のような一見の観光客はどこに逃げれば安全なのか判断のしようがありませんので。
by サットン (2013-05-11 18:37) 

サットン

まるたろうさん

加太駅駅舎、10人も入れば一杯になってしまいそうなちっぽけな建物ですが、なかなか洒落たムードが漂っていますね。この駅舎には古い看板の方が似合っているかも知れません。
南海のCIは何時になったら完結するんでしょうね?
by サットン (2013-05-11 18:43) 

サットン

あおたけさん

揚げパン、見かけましたよ!路地裏のパン屋さんらしき店先に「揚げパンあります」の張り紙が出ていましたし、食べながら散策している人も見かけました。
例の番組ですねえ・・・実は25日に延期されまして。本当に放送されるまで安心できない状況が続きそうです。
by サットン (2013-05-11 18:53) 

やまびこ3

昔、加太から多奈川までバスで抜けられないものかと考えたような気がします。多分需要がほとんどないですよね。
揚げパンうまそうです。
by やまびこ3 (2013-05-11 22:25) 

UZ

加太は色々と見所ありそうですね。色々テコ入れを図れば利用客数も増えるのになと記事を拝見して思いました。
by UZ (2013-05-12 08:44) 

サットン

やまびこ3さん

地図を見ると加太と多奈川って案外近いんですよね。でも、府県境を挟むこともあり、ご想像どおり利用者は乗りつぶしの鉄ぐらいかと。
私も揚げパン買えばよかったなと後悔しております。
by サットン (2013-05-12 09:32) 

サットン

UZさん

加太って案外面白そうな町でした。町歩きを楽しむ人も大勢いて正直驚きました。和歌山市観光協会はGWに合わせてCMを打っていましたが、それが功を奏したんでしょうか。
by サットン (2013-05-12 09:37) 

ファジー

加太線は、私にとっても未乗線区間です。昔鉄道雑誌で見た5枚窓のタマゴ形木造電車が停車している加太駅のイメージが強く、今となっては余り魅力ある線区ではなかろう・・・と思っていました。でも街中探索もなかなか楽しそうですね。参考にさせていただきます。
by ファジー (2013-05-12 14:38) 

サットン

ファジーさん

加太線自体は何の変哲もないローカル線でしたが、加太の町は何やら楽しそうでした。皆さん淡島神社を目指しておられたようですが、路地裏をフラフラ彷徨っているだけでも十分楽しめました。
by サットン (2013-05-12 19:23) 

hajime

去年の夏に、加太線に行きました。主目的は友ヶ島でした。
加太駅の駅名標いいですよね~。南海難波駅の書店で、南海の駅名標キーホルダーを売っているのですが、加太駅だけ違うのです!買いに行こうと思いつつ、まだ行っていません。
by hajime (2013-05-14 22:19) 

のり

加太線、完乗したのが実に50年も前のお話です。家族で友が島へ行った時に利用しました。
サットン様も本文で書いておられますように、急に山中に分け入って進んで行ったのがとても不思議でした。
50年前の話ですので、北島支線がまだ活躍中だったはずですが、全く記憶にありません。どんな電車に乗ったのかすらわかりません。まことに残念なことです。
by のり (2013-05-15 07:27) 

サットン

hajimeさん

友ケ島に渡られたんですね!かつての砲台の島としてTVでもよく取り上げられていますよね。
加太駅構内をレトロなデザインを徹底して保存すれば面白いなあと思います。旧デザインの駅名標はこの後多奈川駅でも見かけました。
by サットン (2013-05-15 10:48) 

サットン

のりさん

のりさんも友が島絡みでしたか。戦争中は島に砲台が置かれるなどこの付近は国防上の重要拠点だったとか。加太警察も軍の町に睨みを効かしていたようです。
加太駅は山の気配が漂う駅でした。子供の頃イヤというほど海釣りに付き合わされた私も意外な風景に驚きました。
by サットン (2013-05-15 10:57) 

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