KTR「あかまつ・あおまつ」にご対面 [鉄道の旅]
丹後を走るミトオカトレイン
北近畿タンゴ鉄道(KTR)が導入する観光列車「あかまつ・あおまつ」のお披露目となる展示会が4月7日、JR京都駅で行われました。新車好きの私としては見逃せません! 爆弾低気圧名残の強風の吹く中、会場に馳せ参じたのでありました。
というわけで遅ればせながらの新年度第1号記事はおめでたい新車紹介であります。
この観光列車は第3セクター鉄道としては赤字日本一という不名誉なレッテルを張られてしまったKTRが、起死回生を賭けて投入した2両編成で、沿線ゆかりの「大江山の赤鬼・青鬼」、「天橋立の松林」をキーワードに「あかまつ」・「あおまつ」と名付けられました。話題を呼んでいるのがデザインをお馴染みの水戸岡鋭治氏が手掛けている点。水戸岡氏は今や押しも押されもせぬ「乗り物デザイナー」として全国の交通事業者から引っ張りだこ。関西の鉄道車両としては和歌山電鉄に次ぐ作品となります。なお、新車と書きましたが、実際にはKTR700型からの改造車です。
それでは大阪駅から会場に向かいます。京都駅での車両展示会は225系に続いて2度目。前回同様地下東口で資料一式を受け取り、改札内コンコースで待つこと十数分、助役さんの誘導で7番線へと進みます。
▲配布された資料の一部
ホームには下り方に「あおまつ」、上り方に「あかまつ」の順で据え付けられております。順路は「あかまつ」から入り、「あおまつ」から出るという段取り。外観の撮影は乗車前に済ませるようにとか、車内見学は5分目途とか225系の時にはなかった細かい指示が出されます。
▲KTR708 あおまつ
ご覧のように車体には各種ロゴや英文社名、ローマ字表記がペタペタ。各社で見られる水戸岡氏のデザイン手法です。
車体色は「あおまつ」の高級感漂う渋めのブルーが良い感じです。「あかまつ」のカラーはどこかで見たような・・・・。
▲KTR702 あかまつ
注目の車内に乗り込むと、そこはもうお馴染みのミトオカワールドが炸裂しております。木製の内張、ガラス扉の戸棚に本棚、暖簾・・・・。もちろん小振りながらサービスカウンターも完備。どれもこれも水戸岡作品につきもののアイテム。な~んか個性という名の量産になってしまっていませんか?
それでは車内の様子をランダムにご紹介しましょう。
◆あかまつ(定員35名)
◆あおまつ(定員41名)
◆KTRの救世主になるか?
最初に書いたとおり、この「あかまつ・あおまつ」は赤字に悩むKTRが起死回生を賭けて投入した切り札です。実際の運用はというと、基本的に2両ペアで使用され、1両(あかまつ)が定員制、1両(あおまつ)が自由席となります。「あかまつ」乗車には整理券(300円)が必要です。
▲エクステリアデザインはこんな感じ
この車両が使用されるのは西舞鶴~豊岡間の「丹後あかまつ号」1往復(偶数日運転)と西舞鶴ー福知山、福知山ー天橋立間の「丹後あおまつ号」(奇数日運転)。車両の愛称と列車名が似ているのが気になります。混乱を招くんじゃないでしょうか?
▲渋いブルーの「あおまつ」
それからKTRというと気になるのが車両のメンテの悪さです。くたびれモードの車両を見て、「大丈夫?」と心配する声はネット上にも散見されます。それに致命的なのが夏期の冷房不調です。私も昨夏KTR700でエライ目に遭いました。>>>こちら 「あかまつ・あおまつ」も元を質せば同じ車両、何か対策を講じているのか大いに気になるところです。観光列車が一転、苦役列車となっては洒落になりません。
▲富士登山電車? いえいえ「あかまつ」です
もう一つ要望としてはカウンターの営業は絶対続けて欲しい。閑散期に「本日は都合により休業します」なんていう貼り紙が掲出されることのないよう願いたいものです。期待を裏切られた乗客は二度と戻って来ないでしょうから。腰を据えてこの列車を育てていってもらいたいですね。
▲なかなか高級感が漂います
KTRは沿線に天橋立や数々の温泉を擁し、観光列車が活躍するには絶好の舞台だと思います。是非、ハードとソフトを両立させて乗客を掴んで欲しいものです。
幸いこの展示会の模様はNHKが関西ローカルニュースで取り上げた他、新聞紙上でも取り上げられたようです。知名度もアップしたのではないでしょうか。
なお、営業運転は4月14日(日)開始です。
詳しくは北近畿タンゴ鉄道のWEBサイトへ >>>http://ktr-tetsudo.jp/
KTRも、「水戸岡デザイン」という、最後のカードを切ったわけですから、
これでコケたら終わりでしょうね(笑)。
確かに、車両のメンテの悪さは気になるところです。
KTRの救世主になるよう、大切に育ててほしいものですね。
自分はしばらく様子を見て、年末乗りに行こうと考えています。
by まるたろう (2013-04-08 18:37)
あおまつの色合い、いいですね。
九州の「いぶたま」がすごい人気のようですから、売り方次第ではヒットするかなあ。(後背の観光地がやや地味ですが)
あかまつのほうは、富士急の登山電車に似てますね。
by やまびこ3 (2013-04-08 21:49)
KTRにも、水戸岡さんの車両が登場ですね。木がお好きな氏らしいデザインだと思います。
これで、乗客がすこしでも増えるといいですね。
by のり (2013-04-09 07:15)
水戸岡デザイン、「個性という名の量産になってしまっていませんか?」
たしかにおっしゃるとおりだと思います。
JR九州はまだしも、地方私鉄に導入された車両はその後、
ウマく循環して客寄せになっているのでしょうか・・・。
KTRの「あかまつ・あおまつ」、デザインは悪くないですね〜。
でも元をただせば一般型車両。
せっかくなら種車を余剰気味になっているKTR001やKTR8000にすれば、
よかったのに・・・と、シロート目には思っちゃいます(^^;)
by あおたけ (2013-04-09 09:44)
もしかして、快速「いぶすき」とか岡山電気軌道の「MOMO」も同じデザイナーさんですか。
とすればたしかに、鉄分薄めのわたしでも“ワールド”を感じられるぐらい同じ方向性のデザインですね。
しかし赤と青のせいか、温泉旅館の男湯と女湯を連想してしまいます。
by nozzy (2013-04-09 12:22)
まるたろうさん
赤字に悩むKTRが背水の陣に出たなあ、って感じですね。苦しい時の水戸岡頼みとも言えそうですが・・・・。
せっかく導入した観光列車、くれぐれも大事に使って欲しいところです。汚れ果てた姿は見たくないですね。
by サットン (2013-04-09 15:18)
やまびこ3さん
あおまつのデザイン、オリエント急行を思い浮かべる、というと褒め過ぎでしょうか。すっきりしたサイドビューもあいまって良い感じですよ。
確かに日本海側ということもあり地味なイメージの沿線ですが、知名度抜群の天橋立や本来ならオフシーズンの冬場にも人を呼べるカニもあり観光資源には事欠かない丹後地方ですから是非とも集客に繋げて欲しいものです。
by サットン (2013-04-09 15:27)
のりさん
風光明媚なKTRに登場した水戸岡さんの観光列車、たま電車のように人を呼べる存在になってくれればいいですね。
私も乗りに行ければと思います。
by サットン (2013-04-09 15:40)
あおたけさん
最近の水戸岡さんの作品はどれも同じに見える嫌いがありますよね。良く言えばぶれないデザインポリシーを貫いている、ってことかも知れませんが。でも、今話題を呼べるとなれば水戸岡さん以外考えられないのも現実ですし・・・・。
確かに他社の実績は気になりますね。特に高単価路線に挑んだ「おれんじ食堂」なんて大丈夫なんでしょうか?
KTRが観光列車を導入って聞いた時、私も種車は?と真っ先に思いました。とうとう定期運用を失ったKTR001の再就職先かとも思いましたが、バブル期の仕様だけに使いあぐねている印象です。
by サットン (2013-04-09 15:52)
nozzyさん
そうなんです。水戸岡さんの作品はJR九州や両備グループでもたくさん見られます。
さすがにお風呂はありませんが、トイレの入口に「男・女」の暖簾が掛かっていました。
それにしてもnozzyさんが鉄分薄目とは!
by サットン (2013-04-09 16:09)
おお、あかまつ号・あおまつ号ですか。なかなかいいですね。
天橋立という有名観光地があるのですから、是非とも頑張って欲しいところです。
by うたに (2013-04-09 21:03)
「由良川の鉄橋で撮影しよう。」と思った!
by 飛んでモアイ (2013-04-09 21:26)
うたにさん
日本三景の一つが沿線にありながら大赤字とは情けない話しですが、
新車両の投入で高速道路に一矢報いて欲しいものです。
KTR001が事実上引退してしまったのでKTRの看板列車ともなるわけですし。
by サットン (2013-04-10 10:28)
飛んでモアイさん
そうですね! KTRというと由良川鉄橋ですね。
雪の中を走る姿も見たいですねえ。
by サットン (2013-04-10 10:30)