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阪急「京とれいん」体験乗車 [鉄道の旅]

阪急自慢の和モダン列車に乗る

先日のKTR「あかまつ・あおまつ」展示会の帰りのこと。大阪までの帰路はJRを利用した往路とは変化を付けるべく阪急を利用することに。地下鉄と徒歩で河原町駅に着いたのが16:15頃。ホームには16:20発の特急が停まっているものの生憎ロングシートの8300系。乗ろうか、見送ろうか思案していると案内放送が・・・「16:42発、快速特急、大阪梅田行京とれいんは2号線から発車いたします」と告げるではありませんか。なに!京とれいん!! そうか、休日ダイヤだったか。

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「京とれいん」とは京都線の特急運用から退いた6300系のうち6354Fを6連に短縮の上内装を京都をイメージさせる和風に改めた車両で、主に土曜・休日ダイヤの快速特急に使用されております。2011年の登場以来「一度乗ってみたい」と思いながらも先送りになっておりました。これは乗らねばなりません! ということで梅田方の切り欠きホーム2号線に向かったのでありました。

普段は数本の列車が使用するだけの2号線は発車時間まで間があることもあり、混雑する1・3号線とは対照的にひっそりとしています。発車標には「この電車は2ドア車です」の表示。ところが乗車位置表示には2ドア車の案内がありません。どこに並べば?と思いながら進んで行くと足元に「京とれいん乗車位置」の表示が。それにしてもサイズが小さい。一人立つと隠れてしまいます。私は4号車の乗車位置に並びます。「京とれいん」の真髄は3・4号車にあると言っても良いのです。

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▲河原町駅2号線


◆乗客も驚く町家風インテリア

特急2本を見送り16:35、梅田からの快速特急が到着します。マルーンにアイボリーをあしらったかつての塗装をベースにしながら扇の絵柄や「京とれいん」のロゴが金・銀で描かれた外装も人目を引きます。
わずかな乗客を降ろすと即乗車。特急で行われる車内整備名目の整列乗車は行われませんでした。
車内に踏み込むといきなり個性的なインテリアに驚きます。ドア付近は控え目の照明に格子状のパーテションで客席と区切られたデッキ感覚。ラックには英・中・韓版も交えた京都ガイドが用意されています。

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▲3・4号車のデッキ付近

そして、客席はというとこれが凄い! かつての転換式クロスシートは撤去されセミコンパートメント風のボックスシートが並びます。しかも2人席と4人席の贅沢仕様。座席定員39人のなんともゆったりした空間です。

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▲京町家をイメージした3・4号車車内

私は進行方向右側の2人席に着席。このシートがまた凝っています。座面、背擦りともにベースは畳で布張りのクッションが付いているという感じ。座面はあたかも畳に座布団を敷いて座るイメージです。さらに背擦りの上には仕切り板が設けられていて個室感を演出しています。加えてボックス形式にしたためシートピッチが広い! これなら向かい合わせに座っても窮屈な思いはせずにすみます。

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▲畳をアレンジしたシート

町家を演出するのはシートだけではなく天井、側壁、床面のデザイン、照明、網棚にいたるまで意匠が凝らされています。う~ん、ここまでやるか!と思わず唸ってしまいます。
他の乗客の印象も同じらしく車内のそこここから「レトロな電車やねえ」、「こんな和風の電車があったんや」の声が上がり、中でも多かったのが「エエ電車に当って良かったね」という反応でした。電車にはうるさい関西人の心も捉えているようです。
なお、町家風車両は6両編成中3・4号車のみで、この他の車両は転換クロスシート装備のままリニューアルが施されています。

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▲畳の感覚が新鮮です

そんな反応とは裏腹に空席の目立つ状態で梅田に向け発車します。2分前に特急が出た後、しかも目立たない2号線からの発車ということで仕方ないのかも知れませんが、もったいないなあ。もっと認知度を上げたいところです。

次の烏丸に滑り込むとホームの多くの乗客が好奇の視線を向けています。そして河原町より多い乗車があり4号車も満席になります。

◆快速特急の看板に偽りなし

烏丸を発車すると停車駅は桂、淡路、十三のみとなるのは流石は快速特急です。まあ、いくら停車駅を絞り込んでも京阪のノンストップ京阪特急「洛楽」(こちら>>>)のような走りっぷりではザンネンですが、「京とれいん」は心配ご無用とばかりに快調にとばします。京都線のクイーンとして君臨していた頃を思い起こさせるように。

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▲側面には大胆な扇が 5・6号車の車内はこんな感じ

その秘訣が次の桂で判明しました。先行していた準急が退避しています。「洛楽」が定期列車のスジを痛めないように捻じ込むように引かれた窮屈なダイヤで運転されているのに対し、こちらは名実ともに快速特急としてのスジが引かれているようです。あくまでも多客臨の「洛楽」と違うところですね。この後も高槻市で準急、正雀で天下茶屋行き普通を追い抜きました。

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▲各種ロゴも金と銀

桂では嵐山線との接続が良くないのか降車客の方が目立つ状況。この後は特急停車駅である長岡天神、高槻市、茨木市も通過し、淡路までノンストップとなります。この時間を利用してというわけではないのでしょうが、車内には自動放送による京都ガイドが流れます。それも日・英・中・韓の4ヶ国語で。少々うるさくもあり、京都行の列車だけでよいのでは、と感じます。
長岡天神を通過し、間もなく開通予定の京都縦貫道路の高架が見えてくると西山天王山駅の設置工事現場をかすめます。こちらの開業予定は2013年度末になるそうです。

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▲京都縦貫道と建設中の西山天王山駅

大阪に入って最初の停車駅淡路でも乗降はほとんどなく、十三で約半分の乗客を降ろし梅田には17:28に到着しました。所要時間は46分と概ね43~45分運転の特急と比べやや物足りない感じはありますが、10分間隔の特急に挟まれている割には健闘しているといえるでしょう。実際乗っていても高槻市と正雀の手前で先行列車に頭を押さえられた他はストレスは感じませんでした。なお、1日4往復運転される「京とれいん」のうち他の列車は上り43分、下り44分で走破しています。
2号線に到着した「京とれいん」は乗客が下りると慌しく回送されて行くのでありました。

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▲梅田に到着した「京とれいん」

懸案だった「京とれいん」の乗車をたまたま果たせたわけですが、期待していた以上に満足なショートトリップでした。行楽での京都へのお出かけは「京とれいん」がイチ押しです!

「京とれいん」の詳細は阪急電鉄WEBサイトへ >>>こちら


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コメント 18

やまびこ3

京トレイン、これはすごいですね。
思い切ってゆったりしたボックスシートにしたのも納得できます。
このボックスシートなら相客とも話が弾むのではないでしょうか。
by やまびこ3 (2013-04-11 21:32) 

Cedar

こんな電車に乗車券だけで乗れるとは、さすが関西私鉄ですね。関東なら料金とるでしょうね。
by Cedar (2013-04-12 07:23) 

まるたろう

今日とれいんは昨年、嵐山から桂まで乗りました。
嵐山線だけの運用かと思っていましたら、京都線も走るんですね。
昨年は、ただ乗っただけでしたので、今度はじっくりと車内の雰囲気も
堪能しに、乗りにいきたいものです。
by まるたろう (2013-04-12 08:01) 

うたに

これはまた大胆なリニューアルをしましたね! 特別料金不要なのでしょうか? いいなぁ。。
by うたに (2013-04-12 10:34) 

nozzy

これはいいですねー。
しかも阪急マルーンはこういう雰囲気にマッチしますね。
by nozzy (2013-04-12 12:16) 

あおたけ

「京とれいん」、和風テイストで落ち着く、
良い内装の列車ですね〜。
さらに外装も阪急マルーンを貴重にしているので、
名車6300系のイメージを大きく変えていないのが、
またファンには嬉しいですよね(^^)
これは一度乗ってみたい列車です!


by あおたけ (2013-04-12 19:49) 

モボ

先日、乗り損ねました。これは、次回絶対に乗りたいです
畳の感覚など、非日常感がいっぱいですね。
普通切符だけで乗れる京阪神間の競争は、まだまだ続きそうな気がします。
by モボ (2013-04-12 20:13) 

サットン

やまびこ3さん

凄いでしょ!京とれいん。
隣の4人ボックスでは見知らぬ乗客同士が京都土産を交換しながら
楽しそうに盛り上がっていましたよ♪
気分も和む京とれいんでした。
by サットン (2013-04-13 15:20) 

サットン

Cedarさん

特別料金取れば・・・と私の頭にもよぎりましたが、阪急には運賃以外
徴収するっていう哲学はないようですね。
by サットン (2013-04-13 15:24) 

サットン

まるたろうさん

京とれいん、現在の主戦場は京都本線ですので嵐山線での乗車体験は貴重ですよ。嵐山線というと同じ6300系が4連でのんびりと余生を送っていますよね。
凝ったインテリアも見ものですが、本線を快走する姿を見られるのも6300ファンとしては嬉しいです。
by サットン (2013-04-13 15:32) 

サットン

うたにさん

もちろん特別料金はいただきません!
6両中2両だけとはいえここまでやるかと思うほど大胆な内装でした。
関西へお越しの際は是非!
by サットン (2013-04-13 15:36) 

サットン

nozzyさん

いいでしょ、この電車。お薦めですよ!
金銀の外装デザインって、ともすれば下品になりがちですが、阪急マルーンには無理なく馴染むのが不思議です。
by サットン (2013-04-13 15:48) 

サットン

あおたけさん

最近流行のコンセプトトレインですが、ここまで和モダンに徹した車両は珍しいでしょうね。まあ、3・4号車以外はかつての6300系の原形を残して改装されていますが。水戸岡センセイのデザインに飽きてきた目には一際新鮮でした。
一線で活躍していた頃を思い出させる走りっぷりも魅力たっぷりでした。
by サットン (2013-04-13 15:56) 

サットン

モボさん

是非ご乗車下さい!特急に続行するダイヤのせいか比較的空いてますよ。
一歩車内に入った瞬間から非日常感が味わえるインテリアは秀逸です。
これを見ていると京阪の洛楽にももう一頑張りして欲しいなあ、と思うのでありました。
by サットン (2013-04-13 16:05) 

硬券屋

さすが阪急ですねぇ! 神戸線でも何かしてくれそうだと良いのですが情報ないですかぁ?いっそのこと、河原町発三宮行なんてできませんか?十三経由で!?
by 硬券屋 (2013-04-13 18:22) 

サットン

硬券屋さん

今じゃ行楽シーズンには神戸線・宝塚線・地下鉄堺筋線から嵐山への直通電車が走っていますよ。ロングシートなのが残念ですが。
by サットン (2013-04-14 18:42) 

のり

なかなかいいですね。京〇の「〇楽」には、スピードでもインテリアでもまさっていると思います。一時期の阪急には考えられない、とても素敵な電車ですね。
by のり (2013-04-14 20:49) 

サットン

のりさん

本当にかつての阪急では考えられない大胆な内装、外装だと思います。保守的なイメージの阪急ですが、やる時はやってくれますね。
洛楽も継続するんなら今のやっつけ仕事ではダメですね。
by サットン (2013-04-15 11:20) 

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